初めて。
あるところに、小さな女の子がいました。
女の子は少し、ほんの少しだけ―――・・・。
色々とオカシイ子でした。
周りの人は、そんな女の子の近くに寄れませんでした。
なぜかって?
女の子にほとんど感情がなかったからです。
人間に、感情のない人なんていないでしょう?
そんな子の近くに、居たい人なんていないでしょう?
そのため、女の子はいつも一人ぼっちでした。
そんな女の子には、唯一大切にしているものがありました。
白い兎のぬいぐるみでした。
ある日、女の子は初めて何かを思いつきます。
「――――は必要あるのか」と。
女の子は最初に綺麗な蝶を殺しました。
赤い血は、女の子に付きませんでした。
女の子は次に大きな犬を殺しました。
赤い血が沢山女の子にかかりました。
それでも女の子は無表情でした。そう、怖いくらいに。
女の子はその格好のままお母さんのいるお家に帰りました。
血に染まった女の子を見て、お母さんはとうとう泣き出してしまいました。
「どうして・・・・?」
女の子はそんなお母さんを無言で見つめていました。
泣き止まないお母さんを見て、女の子は少し考えました。
そして女の子は、素晴らしい事を思いつきました。
「きゃぁぁぁあ!!!」
家に、お母さんの絶叫が響き渡りました。
まだ小さい女の子は、お母さんを殺したのです。
お母さんの長い髪が真っ赤に染まりました。
その時、女の子が少し笑ったのです。
感情のほとんどない女の子が!
女の子は小さな声で言いました。
『 楽 シ イ ネ 』
と。