表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

☆★新しい恋★☆美香side

初めて斎藤くんを見た日。


一瞬で一目惚れした。


それからずっと大好きで、大好きで、


けど、斎藤くんはみんなに人気があるから…


私の方なんて見てくれない。


それでも、


少しでも私を見てもらおうと必死だった。


必至になって、毎日毎日斎藤くんを囲む女の子たちの中に入っていった。


理沙も、私を応援してくれてると思った。


そう思ってたのに…


『知ってる??斎藤くんと立川さんが昨日一緒にいたんだって!』


『えっ…??』


うそだと思った。


理沙にかぎって私を裏切るはずがないと思った。


だって理沙は親友だもん。


私を応援してくれてると思った。


それなのに…


それなのに…


『………』


『…ああ!昨日からな!』


黙っている理沙と、うれしそうな斎藤くんの言葉。


頭が真っ白になった。


ただひとつ、浮かぶ言葉は理沙が私を裏切ったということ。


ひどい。


憎い。


悔しい。


苦しい。


悲しい。


胸がいっぱいいっぱいになって涙が止まらなかった。


今思えば、私があんな気持ちになったのは斎藤くんをとられたからじゃない。


信じていたはずの理沙が私を裏切ったから―――


それから斎藤くんを好きだった女の子達が理沙をいじめはじめた。


私も最初のうちはそれに加わってたけど…


理沙が傷つくのを見ているうちにだんだんそれを見るのが辛くなって、


休み時間でも理沙としゃべれないのが苦痛で、


理沙の笑顔を見られないのが苦しくなった。


そんな毎日の中、


偶然廊下で斎藤くんと理沙が一緒にいるところを見た。


満面の笑みで斎藤くんに笑いかける理沙。


私は最近全然見てないのに…


なぜか斎藤くんが憎いと思った。


私は斎藤くんのことが好きで理沙のことが憎いはずなのに。


私は理沙と斎藤くんの仲に嫉妬してた。


理沙が斎藤くんに笑顔を向けるのが許せなかった。


だから、みんなと一緒になって理沙をいじめた。


…おかしいよね?


私もなぜそうしたのか意味がわからない。


けど、そのときの私はおかしくて…


理沙がいっぱいいっぱい傷ついて斎藤くんにも笑顔を見せられないほど傷つけばいいと思った。


理沙が傷つくのを見るのは辛いはずなのに…


私は自分自身の気持ちが分からなくなっていた。


そしてあの日。


体育の時間。


途中で理沙の姿が消えた。


最初は気分でも悪くなって休んでるのかな?って思った。


けど…


理沙は体育の授業が終わってからもいなかった。


教室に戻ったとき、


小倉さんが何かの鍵を指先でくるくると回しながら女の子達とくすくすと笑ってた。


『今ごろ立川さん、体育倉庫の中でどうなってるんでしょうね??斎藤くんをとったこと1人でじっくり反省すればいいのよ!』


体育倉庫…!!


小倉さんの持っている鍵がどこの鍵なのか気づいた。


もしかして理沙はそこに閉じ込められてるの…??


助けにいった方がいい?


けど…


どんな顔をして理沙と会えばいいのかわからない…


それに…


理沙をこのまま閉じ込めておけば…


理沙が斎藤くんのそばに行くことはできない…


私は理沙を助けにいかなかった。


そのまま、平然と次の授業に参加してた。


だけど…


授業の間、ずっとずっと理沙のことを考えてしまう。


今ごろどうなってるんだろう?


1人でさびしくないかなぁ…??


死んじゃってたらどうしよう…!!


そう思うと授業なんか受けてられなくって、


そしてその時、気づいた。


私にとって理沙は…


斎藤くんなんかよりも、大事で必要な人なんだって。


このまま理沙と友達じゃなくなっちゃうなんて嫌だ。


もう一度…


理沙と親友って関係に戻りたい…!!


授業が終わってすぐ、こっそりと小倉さんの机の中に入ってた体育倉庫の鍵を盗った。


そして急いで体育倉庫に走る。


理沙に会うのが怖くって、涙がいっぱいでた。


けど、走った。


はやく理沙を助けなきゃって、


その気持ちでいっぱいだった。


そして急いで体育倉庫をあけて…


そこには理沙となぜか斎藤くんもいて…


理沙を見た瞬間、余計に涙があふれだした。


『理沙ぁ…ごめん…ごめんねぇ…!!』


必至で謝った。


理沙も私に謝ってくれて…


そのあと、教室で話しあって、私達はもう一度親友に戻った。


その日、


私は誓ったんだ。


もう斎藤くんはあきらめる。


私は理沙の恋を応援するって。


理沙のためなら、斎藤くんなんてすぐにあきらめられた。


けど理沙は気を使ってくれてるみたいで…


私のまえであんまり斎藤くんの話はしない。


けど理沙に気を使わせるのは嫌だから…


はやく新しい恋を探さなきゃって思った。


そんなときに…


あの人が、私に声をかけてくれた。


吉沢くん。


最近いっつも斎藤くんの隣にいた人。


理沙と斎藤くんが話しているとき、


なんだか入るのも悪い気がしたから、いつもぼーっとしてた。


吉沢くんも同じ感じで…


ふいに目があった。


吉沢くんは私に笑いかけて急に私の腕を引いた。


斎藤くんと理沙は会話に夢中でそれに気づいてなかったみたい。


中庭まできて、吉沢くんは止まった。


「な…何??いきなり…」


「おまえって斎藤のこと好きだっただろ??」


私の言葉をさえぎるように言う吉沢くん。


少し戸惑って、小さくうなずいた。


「あそこにいるの、辛いかなーって思って。」


吉沢くんは私に笑いかけて気づかわしげに言った。


…私に、気使ってくれたんだ…


でも、私ったら全然関係ない人にまで気使わせちゃってるんだな…


「…大丈夫だよ。もぅ私斎藤くんのことあきらめたし。」


「そうか?まっ、いいや。あそこにいても暇だし、暇人同士しゃべろうぜ!」


暇人同士って…


一緒にしないで欲しいな…


…でも、


ちょっと面白い人なのかも…!!


それから私達は理沙と斎藤くんが鉢合わせしたときには2人でしゃべるようになっていた。


思ったとおり吉沢くんはおもしろくって…


斎藤くんみたいにすっごいかっこいいってわけじゃない。


けど、私がまだ斎藤くんのことが好きなんじゃないかっていつも気使ってくれてて、


そんな優しくて、おもしろいところにいつのまにか惹かれていた。


斎藤くんを好きだって思ったときとは別の、


あったかくて心地よい気持ち。


吉沢くんといるとそんな気持ちになれた。


斎藤くんに恋してたときとは違う。


あの切なくて苦しい気持ちじゃないの。


私は新しい恋を見つけた。


小さな、小さな、あったかい恋。


その吉沢くんと付き合うようになったのは、また別のお話。

美香が理沙大好き女の子になってしまいました。

また話がよくわからなくってすいません(T_T)

そしてたまに登場していた吉沢くん。

もしかしたら重要キャラになるかも…!?

でもあの人のキャラはよくわかりません。

これから固めていくつもりです(汗

でわまた本編も読んでください<m(__)m>

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ