表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

☆★さよなら、恋心★☆雪乃side

※この話は本編の★10話 告白★達也sideまでを読んでから読むようにしてください。

『雪乃っ!』


昔から、大好きやった人。


無邪気な声でウチの名前を呼んでくれる。


小さい時から、ずっとずっと、


好きでたまらなかった。


でも、


ウチがどんなに達也のことが好きでも、


達也がウチに抱く気持ちは違っていた。


達也は、ウチをお姉ちゃんやと思ってる…


達也がウチに抱いてるんは家族に抱く気持ち。


ずっと、


昔からずっと、分かってた。


けど、


それでも、どうしても達也を手に入れてしまいたかった。


だから、


まだ幼くて、恋の意味も知らない達也に言った。


『好きっていうのはな?その人を大切に思うことなんやよ??』


達也に自分の気持ちを勘違いさせようと思った。


ウチへの気持ちを恋に変えてしまおうと思った。


思い通り、


達也はいつもの無邪気すぎる笑顔を見せてくれた。


『ふ〜ん…じゃぁオレは雪乃のことが好きやねんなっ!』


ウチの作戦は成功。


けど、少し覚える罪悪感。


達也の気持ちを捻じ曲げてしまったような…そんな気持ち。


それでも良かった。


達也はかっこいいから…


早くウチのものにしておかないと誰かに取られてしまう。


だから、


達也の気持ちを騙した。


達也はずっとだまされたままでいてくれて…


ウチが中学に入ったとき、


告白してくれた。


うれしかった。


もぅ達也の気持ちがウチが作り上げた偽の気持ちだなんてコト、忘れてた。


そんなうちに、あっという間に達也が中学に入って、


達也のまわりに女の子達がたくさん集まるようになった。


達也もまんざらではないみたいで、女の子達の相手をするのに夢中で…


ウチの相手をするのなんて二の次。


悲しくて、苦しくて、


達也が他の女の子と話しているのを見るだけで苦痛になってしまう。


そんな悲しすぎる毎日の中で、


ある日、達也よりもかっこいい人…三上くんが転校してきた。


達也のまわりにいた女の子達はみんな三上くんの方に行っちゃって…


落ち込んでいる達也のそばに、いてあげた。


達也は喜んで、もう一度ウチのことが好きやと再確認したようにすりよってきて…


ウチはだんだん調子にのってきた。


達也はウチだけのもの。


達也は絶対にウチのもとからはなれへん。


そう思ってた。


そんなとき…


いきなり、三上くんに告白されて…


もちろんウチは達也のことが好きやったから…


三上くんのことを好きになるってことは絶対なかった。


けど…


調子にのってたウチは…


達也をこらしめてやろうと思った。


そんなことさえ思わなかったら…


達也はずっとウチのそばにいてくれたのに…


『もう達也と付き合っててもステータスにはならないって気づいたんだ。だって達也より三上くんの方がかっこいいから。』


まさかあれだけの言葉で達也がそんなにショックをうけるとは思わなかった。


達也は、ウチからはなれていってしまった。


けどやっぱりウチは達也のことが好きで、好きで、好きで…


あふれる気持ちがおさえられなくて…


達也を追いかけた。


たった3日間。


達也に気持ちを伝えるには十分。


思い切って達也に思いを告げ直すと達也はウチを許してくれた。


もう一度、ウチを好きになってくれた。


…そう思った。


だけど、ちがったんや。


達也にはもう、新しい好きな人がいた。


立川さん…


達也が、ホントに恋した人。


けど、ウチのせいで達也は自分の気持ちに気づけてなかった。


ウチのことを好きだと勘違いしてるせいで、達也は悩んでた。


達也が立川さんのことを好きだと気づいた時にはめっちゃショックを受けた。


なんとか達也をウチのもとに引きとめようと必死になってた。


心の中に浮かび上がるのは…


達也を失いたくない…


達也が悩んで苦しむ姿を見たくない…


相反する、二つの気持ち。


そして、


結局ウチは達也の幸せを願った。


達也に自分の本当の気持ちを気づかせてあげた。


『ああ…ごめん、雪乃。オレは立川のことが好きや。』


そう言われたとき、


どれだけショックで悲しかったか、あなたにはわかる??


達也はウチのことを本当に好きじゃなかったかもしれない。


けれど、


ウチは本当に達也のことが…大好きやったんよ??


立川さんの後を追うあなたを呼びとめたかった。


いつの間にか、ウチよりも大きくなったその背中にしがみつきたかった。


けど、


そんなことをすれば達也が困るだけ。


自分が苦しいのは嫌…


でも、


達也が苦しむ姿を見るのはもっと嫌…


大丈夫。


ウチは弱くない。


達也がいなくなったって…


全然平気。


あなたの後ろ姿を見送る。


つぅ…と、我慢していた涙がこぼれおちる。


後ろには、大阪に続く電車がきていた。


涙を拭きとり、電車にのる。


…達也の気持ちをだまし続けていれば、


今頃、目の前に達也がいるはずなのに。


「…達也ぁ…!!」


ホントは平気なんかじゃない。


ウチには達也がいないとダメ。


達也はウチが生きていくのに一番必要なもの。


失いたくない。


立川さんにわたしたくない。


「達也ぁ…戻ってきてや…なぁ!!」


達也がいなくなった駅のホームに、


聞こえるはずのない言葉を必至で叫ぶ。


…わかってる。


さよならしなくちゃいけないんや。


達也のことは忘れなければいけない。


きっぱりと忘れることはできないと思うけど…


それでも、


達也が困らないようにがんばるから。


次に達也に会うときは…


いつもの、満面の笑みで。


この気持ちとは今日でさよなら。


さよなら、さよなら。


ウチの小さな恋心。

雪乃side、書きたかったんです!

この小説で、ばんばんと他のサブキャラ目線での話を書いていきたいと思います!

雪乃…かわいそうです…

ちっちゃい頃から好きだったのに…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ