盤外編 女神様からのお歳暮&お年賀&お年玉
「Earth-1808GV……やはり異格化しているようですな?」
「あり得ぬ……とは元より言いきれぬことだ」
「だが! 管理局の認定もなしに、箱庭世界そのものが勝手に並行世界に昇格するなど!」
「思い上がるな。神などと大仰に名乗ろうとも、元より我らは最高神より現存する世界をただ管理する権限を与えられただけの管理人にすぎぬ」
「やはり、件の外部干渉が世界の殻にヒビを入れてしまったのであろうか」
「さてな。だが、現にああして異格化してしまった以上、我々は特級神として対処せねばなるまい」
「イレギュラーは起こるべくして起こる、か。こうも例外処理ばかりが続くと、神界の秩序が乱れかねんぞ」
「よいではないか! 決まりきった単純作業を淡々と繰り返し続けるよりは、余程張り合いがある!」
「私は明日も明後日も明々後日もその次の日も、今日と変わらぬ平穏な日常を享受したいものだがネ?」
「最高神の御判断は?」
「いつも通りのやる気のなさ……失敬、おおらかさだよ。諸行あるがままにであーる、との仰せだ」
「では、Earth-1808GVの異格化の功績を以て、下級女神ミツカを上級女神へ昇格させる方針で異論はないな?」
「ふん! 下級女神ごときが中級を飛ばして上級へと昇格か! あの女、男児狂いのフリをして随分と上手くやったものだ!」
「熟女を超過して、老女狂いの君が言えた義理ではないのでは?」
「まあまあ。性癖で人を判断するのはよろしくないヨ。誰しも人には言えぬささやかな秘密を心の内に秘めているものサ!」
「むしろ人前ではきちんと秘めていてくれるだけ、まだマシな方とも言えるよねー」
◆◇◆◇◆
「なーんて、今頃は好き勝手にボロクソ言われてるんでしょうねえ」
「だって上級ですよ上級! 凄いじゃないですか!」
「偶然よ偶然。だってあたし、あいつの人生がこんなにもウケるだなんて思ってもみなかったもの。最初にVIEW数が5桁に達した時なんか、なんかの間違いじゃないかって焦ったわよ」
「いいなー先輩! あたしもそんなミラクル起こしてみたーい!」
「いいもんじゃないわよ上級女神なんて。確かに給料は上がるしお手当もつくけど、それ以上に面倒事や神付き合いやしがらみが増えるばかりだもの。ま、なれってんならありがたくならせてもらうけどね」
「このままの勢いで特級目指しちゃいましょうよ特級!」
「それこそ無理よ。だってあの子、今の生活を捨ててまで神域に至るつもりなんかこれっぽっちもなさそうだもの。まあ、周りの連中がみんな死んだ後でなら勧誘したら靡くかもだけど」
「でも珍しいですよね。箱庭世界へのチート転生なんてさせてもらったら、普通はなんの疑いもなく薔薇色の人生がいつまでも無条件で続くもんだって思い込んで、ちっぽけな箱庭の中だけで自己満足しちゃうでしょうに」
「根が卑屈なのよあいつ。おまけに根性なしだもの。さて、そんなことより、さっさと平行世界の運営マニュアル読まないと。箱庭世界と並行世界じゃ運営のノウハウとか維持費だってだいぶ違いそうだし、あーしばらくはあたしもお勉強生活かあ。やだなー!」
「名誉なことじゃないですかー! そんなことばっかり言ってるから無駄に敵が多いんですよ、先輩!」
◆◇◆◇◆
『拝啓、ホーク・ゴルド様。前略、中略、後略。追伸、最近上級女神に昇格しました。お歳暮として女神スマホの管理者権限を上級神仕様にアップデートしておいてあげたから喜びなさい。これからもあたしのためにもあんた自身のためにも頑張るのよ。んじゃ、よいお歳をー』
「あの女神、何考えてやがんの??」
「色々お考えなのでしょう。これまではアクセスを禁じられていた各種データベースや隠しフォルダ、用語集、俗語集、バグ・裏技などの閲覧などができるようになっておりますが、いかがなさいますか?」
「いや読むよ。読むけどさあ」
「万が一の際の精神分析はこのシェリーめにお任せくださいませ」
「精神分析が必要になるかもしれないタイプの情報かあ。読みたかねえなあおい」
・女神のホークに対する好感度がちょっぴり上がった
・ホークの女神に対する好感度が上がった
・ホークのSAN値がちょっと下がった
・ホークは要らん知識を得た
・ホークの女神に対する好感度がちょっと下がった
・シェリーのSAN値は変わらなかった
・シェリーは要らん知識を得た
・シェリーのホークに対する好感度が大きく上がった
・シェリーの女神に対する好感度が上がった





