表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/39

ブラック免許と交通違反

〜新登場人物〜

十ノ宮一とのみやはじめ

二戸宮風凛にこみやふりん

 高速道路をしばらく走る。20分ほど走っただろうか。周りの景色の変わり方を見て気づいた。


「…法定速度守れよ」

「守ってまーす。高速道路は高速で良いんでしょ?」

「基本100km/hだ。300も出すな」

「だいじょぶだいじょぶ。私に任せなさい!」


 何が大丈夫なのか。甚だ疑問が残るが、その言葉を皮切りに満面の笑みで少しづつ速度を上げていく。

 スピードメーターを見ると、既に350km/h。


 速すぎる。


 流石ヴェイロン。これでも最高速ではないというのだから驚きだ。スポーツカーは凄いなぁ。

「一応言っておくけど、これスポーツカーじゃないよ?」

「こんなスピード出るのに?」

「これはスーパーカーだよ。」

「そうなのか。いや、別にどうでもいいけど。っていうか、あとどの位で着く?」


 ちらりと車の時計を見て、

「んー。40分くらい?」

 と答える。


「…あれぇ?うちから東京までのルート調べた時は、到着まで5時間って書いてあったんだけどなぁ?」

「ゆーくんの目、壊れてんじゃない?」

「何かが壊れているせいにするならせめてスマホのせいにしろ。ってか、スマホも壊れてないし、壊れてるとしたらお前の頭だ」

「破壊衝動の塊なだけにぃ?」

「謎のテンションの上がり方をするな」


 ってかこいつ自分が破壊衝動の塊ってこと認めたぞ。

 欠点を認めたやつほど面倒な奴はいない。普通で面倒だから、ダブルで面倒だ。


「お得じゃーん」

「いや、不得だよ」

「でも今の状況はゆーくんの不徳の致すところだよ?」

「上手いこと言うな。いや、大して上手くもないわ」








 しばらく走り、居酒屋へとたどり着く。電話した時間からまだ1時間半くらいしか経っていない。早すぎる。


 中へ入り、榊の所へ向かう。


「よぉ、夢乃。遅かったな」

「電話来てから2時間も経ってねぇよ。お前時間感覚鈍ってるのか?ってかこの状況何だよ」

「質問はひとつにしてくれ。お酒のせいで頭が回らないんだ」

「なら呑むな」


 正常な思考が出来なくなるって。どれだけ呑んでるんだ。


「冗談。時間については、花咲ならもっと早く送れそうだったから。この状況はカラオケ終わって、そのまま遊んで、そこからの合コン中だよ。クラスの人間ほぼ集まってるから、折角なら全員で飲みたくてさ」

「帰っていいか?」

「この時間に呼んだら来てくれるのお前たちくらいなんだよー。頼む、幼馴染のよしみでさ」

「はぁ。その性格にどれだけ振り回されてきたか…」

「まーまー。私は今から呑む気分にもうなってるしさ、実際ここまで来た時点でゆーくんもそうなんじゃない?」


 う。


 確かにもう既に呑む気分にはなっているのだが、合コンっていうのが気に食わない。

 しかもクラス内。既に女子からの熱い視線を感じているのだが。

 逆に友咲は男子からの視線が気になるらしく、

「…別の部屋で呑みたいなぁ」


 とか呟いている。そもそもこいつ車で来たんだから、酒を呑んではいけないはずだが。


「お前酒呑んだら車どうするんだよ」

「私はアルコール成分をすぐに分解出来るからだいじょぶだよ〜」


 そう言ってまっさらのカードをこちらに見せる。


「なんだこれ」

「間違えた!」


 再度ポケットを漁り、黒色ベースに金色の文字が映えた免許証を見せてくる。


「なんだこれ」

「ブラック免許!超健常者に国から渡される免許なんだよ?」

「この国はもう終わりかもしれないってことか…」


 高速道路で平気で350km/hを出すやつが健常なわけがあるか。いや、そうであってたまるか。


「意地悪なことばっかり言うなよ。友咲は女の子なんだからな?」

「そーだよ!可憐で可愛い女の子なんだからね?」

「いや、その感覚俺にはわからんわ」

「なんてこと言うの!?」

「…それは否定できないな」

「さっくんまで!?」

「さて、話もここまでにしてそろそろ呑むか」


 やべぇ、雑談しすぎたかな。俺は男子の視線が痛いし、友咲は女子からの視線が痛そうだ。

 これ以上取り返しつかない事になる前に、とりあえず席につこう。


「よろしく」

 右隣の女子ウケの良さそうな男に声をかける。


「よろしく。僕は十ノ宮一とのみやはじめ。一って呼んでね」


 軽くこちらに微笑む。可愛い感じの笑顔を浮かべたからか、横目に見える女の子がザワザワしながら十ノ宮の方を見ている。


「うん、よろしく」

「ところで、友咲さんとはどんな仲なの?」

「いきなり踏み込むねぇ」

「そう?えへへ」

「褒めてないよ?まぁ、腐れ縁だよ。みんなの考えているような関係では無いから」

「へぇー、そうなんだね。お似合いだと思ったけど」

「…そうかねぇ」


 俺と友咲がお似合いに見えるのか。そんなことは無いのだが。

 まぁそれは置いておいて、左隣の体育会系っぽい筋肉質な奴にも話しかけておこう。


「よろしくね」

「ふぁ?よふぉふぃふ」

 口の中いっぱいに肉を詰め込んでいるせいか、全く上手く話せていない。


「…俺、夢乃って言うんだ。君は?」

「ひょっふぉふぁっふぇ」

 なんて言ってんだ?全くわからん。

「んー、はぁ。やっと呑み込めた。俺は二戸宮風凛にこみやふりん。よろしくな」

「煮込みプリン?」

「ふっは!お前、面白いこと言うな!この名前でそっちに注目したやつ初めてだ!」

「え、本当?」

「普通不倫のほうを弄ってくるからなぁ」

「へぇ、そうなんだね」


 まぁ、両隣への印象はそこまで悪くなってなかったらしい。ちょっと安心。

 後は呑むだけ呑もう。あんまり絡んでも面倒だし。


 少し酒を飲む。ジョッキ2杯程度だろうか。疲れと空き腹への酒のせいでだいぶ眠くなってきた。

 はぁ。眠い…。やべ、寝そう。ここで寝るのはまずいよな…。

 でも、瞼に逆らえない。


「…ぐぅ」

プリンってうまいよね

煮込みプリンは不味いよね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ