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嘘つきと異世界チート?

「いや、どう考えてもそうなるだろ。どうせお前本当の性別は男だろうし」

「刀に性別などない!なんだったら性名もない!なんてったって無銘刀だからのう!」

「いや、さっき無銘刀の銘とか言ってたけど。銘が名前でしょ?」

「…そ、そうだったかの?」


 先程まで背中から倒れるのではないかと思うほどにふんぞり返っていたのに、今は背を丸め目を逸らし、宙に泳がせる。

 誤魔化しが下手すぎる。


「まぁ、別にいいや。早く小刀に戻ってもらっていい?」

「なっ、この姿が気に食わないと!?」

「違う。オークの解体するから戻れって言ってるんだ」

「じゃあ気に入ってるということか!」


 議論すべきはそこじゃない。いや、確かに別にその見た目は嫌いじゃないが、こういうのを喜ぶのは榊の方だろう。


「…とりあえず戻ってもらっていい?」

「えぇー。面倒臭いー!」

「じゃあもういいよ、素手で解体するから」

「はぇ?す、素手で?」


 手を刀にする能力を作ろう。うーん、名前か。

「おい」


 簡単に手刀とかでもいいんだけど、流石に安直すぎるか?うーん、それなら…


「おい!お主?」

 よし、押切長谷部にしよう。ん?こっちの方がセンスないか?


「おぉぉおい!お主!」

 超高音で叫ばれた。しかも耳元。その劈くような声に体が強ばり、1歩分よろめく。鼓膜が破れたらどうしてくれるんだ。

 明らかに不満げで侮蔑的な顔を浮かべてみる。


「な、なんじゃその顔は…。」

「…」

「儂が悪いとでも言いたいのか?」

「…」

「じゃが、無視したのはそっちじゃぞ!」

「…」

「…」

「…」

「ご、ごめんなさい…。儂が悪かったです」

「いや、話したい要件待ってただけだよ」

「なっ!じゃ、じゃあ言葉を発せば良かったでは無いか!」

「って言うのは建前で、ただからかいたかっただけ」

「…」

 銘が頬を紅潮させ、頬袋を膨らませる。それに加えて目を潤ませる。水分で飽和しかけている。

 流石に遊び過ぎただろうか。こういう性格を相手する時にはやり過ぎてしまうのが俺の悪い所。

 反省しよう。


「ごめんね、嘘だって。本当に質問待ちしてただけ」

「じゃあお主はただの嘘つきじゃったってことか?」


 反省したのに悪い方にシフトチェンジしてしまった。選択肢系のギャルゲーをしている気分。

こうなったら開き直ってしまおう。


「うんそうそう、俺はとっても嘘つきなんだ」

「…」

「…さっき俺が向けたような目をするのは辞めてくれ。これでも猛省してるんだよ」

「嘘つき明言した上でそのセリフ、全く信憑性ないんじゃが」

「なんだったらお前の方も嘘つきだからな?銘とは言ってないとか何とかーーー」

「そういえばお主、素手でオークを解体するとかなんとか言っておったが、なぜそんなことをするんじゃ?」


 会話のハンドルを握るのが下手すぎる。カーレースなら全台巻き込んでクラッシュしかねないような運転。

 マジックならすり替えをしますと言った後、箱を開けっ放しですり替えを行っているような暴挙。


 まぁ、これ以上無駄な話に花を咲かす必要も無いだろうし、気にしないでおこう。


「それ程食べ物に困っておるのか?」

「何も食べるために開くわけじゃないよ。核とか言うやつを取り出そうと思ってさ」


 そういうと、銘は理解できないという顔をして質問してくる。


「それならリヴェールとヴェールを使えば良かろう?」

「…?」

「リヴェールで体外へ核を取り出し、ヴェールで体外に出た核を保護する。お主は冒険者のようじゃし、知っておるだろう?」

「知らない。なんか魔法みたいだな」

「魔法みたいというか、魔法なのじゃが…その知能でよく適正レベルでもないこの森に入ろうと思ったのう…。」


 この夢には魔法が存在するのか。加えてチート性能の武器(今は猫耳女性だが)。最近よく聞く異世界チート物じゃないか。都合がいいとは思ったが、納得した。

「まぁ、流れ通りに行きたくないのが俺の性。」


 ぬかり。


 もう1匹のオークの首を素手で断絶する。

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