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明晰夢なんていいもんでもない

~新登場人物~

夢乃現ゆめのうつつ

榊遊説さかきゆうぜい

友咲優ともさきゆう

 深く、深く。


 夢の中にに落ちて行く。



 底の無い闇へ堕ちてゆく。




 意識の混濁。





 あぁ、気持ちがいい。






「ありがとーございました!」


 やっと学校終わった…。そうだ!今日はゆーちゃんといっしょにバスケする日だ!


「おーい、夢乃!いっしょにかえろーよ!」

「うん、かえろ―――あ、先行ってて!ちょっと用事あった!」

「えー!今日はバスケの日だろ!」

「ごめんって、すぐ追い付くからさ!」

「んー…わかった。先はじめてるからな!」

 そう言い残してゆーちゃんこと、友咲優が走り去ってゆく。


 …行ったかな?

 ふぅ。やっと記憶を取り戻した。


 ここは俺の夢の世界。自分について好き勝手にできる世界。


 まぁ、そんなことはおいておいて。


 ここはどんな時代の何処なのだろうか。まずは探索。探索は何においても基本だろう。


 教室の中で自分の荷物を弄る。


「はぁー…懐かしいなこの雰囲気。これは…俺の小学校の頃?自分にまつわる夢は久しぶりに見るな。名札的には4年生か」


 長ズボンや、パーカーのポケットの中など、身につけているものを物色しながら小さく呟く。


 次にランドセルへと手をかける。が、その時の重さで気づく。


「うわ、これは中身入ってないな。そういえば置き勉常習犯だったような…」


 小学生の頃の記憶を思い出してきた。全く、とんだ悪ガキだったな…。いや、こっちの方が健全か?子供の頃は遊ぶのが仕事って言うしな。


 荷物の確認も終わり、暫くなにか起こらないかと待ってみるが、なにも起こりそうにない。


 そう言うときは、自分からなにかを起こすに限る。


「…さて、何をしようか。そうだ、この時代の榊は今頃何やってるんだろ。まぁ、あいつの事だし本でも読んでるんだろうけど」


 榊とは、小学生からの知り合い。数少ない友達の中の一人である。しょっちゅう本を読んでいる。そして、その本の大抵がラノベか同人誌である。


 高校時代には、才色兼備の凛とした姿のやつが学校内で同人誌を読んでいたという話題が出たのだが、一瞬で榊の事を示唆しているのがわかった。


 閑話休題。


 明晰夢の特権を使い、教室の壁をすり抜け、隣のクラスの様子を見に行く。


そこには地味な服を着た、いつも通り姿勢を正しながら本を読む姿が見えた。


 …よく考えたら、こいつ小学生の頃からこういう奴だったな。


「おーい、榊!何読んでんだ?」

「その声は、現か。今ははっぴぃ先生のキミイズミライを読んで…はぇ?」


 真面目そうな見た目から、何やらよく分からない本の題名。

 そしてこちらを向いたかと思うと、厚い眼鏡がずり落ち、口を半開きにしてなんとも馬鹿らしい顔をしている。昔ながらの様式美。


「はははは!なんだその顔!」

「え、だって…体が壁に…」


 そう指摘され自分の今の状態を見てみる。

 壁から顔と手だけが出ている状態。どんな目の錯覚が起ころうとも、流石にありえない事態が起きている。


「え、あぁこれか。ごめんごめん」

「…その感じだと、これは夢か。全く、お前の夢には振り回されてばっかりだな…。俺はあんまり覚えてないとはいえ、起きた時なんか不思議な感覚が残るんだぞ?」


 そう。再三言うが、ここは俺の夢の世界である。

 詳しく言うと、俺の明晰夢の世界。自分の好きなように自分のことのみを弄ることが出来る世界。


 世界に干渉するような弄り方をすることは出来ないのだが。


 まぁ、明晰夢といっても所詮夢の世界、それ以外に特別なことは特に無い。というよりは、出来ない。

 この場で未来を変えたり、怪我を負ったり、死んだからと言って現実世界に波及することは無い。


 夢のせいで死にかけたことはあるのだが、それはまた別のお話。


「まぁまぁ許してよ、起きるまでは暇なんだから。っていうか榊。お前まだ小学四年生なのに話し方に可愛げがないな…。」

「ほっとけ。っていうか別に今すぐ起きようと思えば起きれるだろ、現。暇なら早く起きろよ」

「うーん、まぁそっか。やる事ないしもう起きちゃおうかな」


 夢から覚める為に、いつものルーティーンを行う。目を瞑り、数を数える。1、2…


「夢乃〜?どこ行った!バスケしないのぉぉおおぉお!?」

「あ、やべ」


 友咲が俺を呼びに来て、この状態を発見する。友咲は俺が明晰夢を見ることができる事を知らないので、半分壁に飲まれている姿に口をあんぐりと開けて目を丸くしている。


 俺の周りにいるやつ、驚いた時大体面白い顔してるな。


「さ、榊?これ、え、何?」

「気にしなくていいよ、友咲。どうせ覚えてないから。って事で夢乃。早く帰れ。そうしないと面倒臭い事になるぞ」

「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ!これどういう感じ?どういう事なの?」


 確かに面倒。今もかなりだと思っていたけど、この時の友咲の方も面倒臭いな。


 友咲優。こいつは友咲優である。それ以上でもそれ以下でもなく、どう転んでも友咲優なのだ。


 小学、中学はまともで活発な明るい人間として過ごしていたのだが、高校2年生の時にとある事故?事件?

 まぁ、不幸なことに巻き込まれ、脳がバグってしまった悲しい女の子である。


「おーい!聞いてる?聞こえてる?聞こえてたらへんじしてよ!」


 …起きよう。1、2、3。

明晰夢をあらかじめ調べておくと読みやすいかも…?

まぁ、あとがきに書くことではないね。


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