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かつて、とある貴フ人は宣ふ。わたくしはお茶碗の重なりを見て捗る、と。ならば我は挑まん。
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「いいのか」
「うん」
ドンブリの俺と茶碗のこいつ。
濡れた硬い肌と肌が、ぴったりと合わさる。
やがて、ぬるぬるとした熱い飛沫が、悦びに高まる俺たちに降り注いだ……
「ありゃ~、ダメだ。全然はがせない。
食洗機の中で、こんなにぴったり合わさって……
まるで最初から、ひとつのお茶碗だったみたい」
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