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ビバークの最中に
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意識が薄らいだせいか、幻聴まで聞こえてきやがった。
クソ親父の、いつもの嘲る声だ。
「冬山で遭難とは、まったくお前はダメなやつだなあ」
そうだ。俺にはやり残したことがある。
あいつを一発殴るまで、絶対に死んでたまるか!
親父が3年前に亡くなっていることを思い出したのは、救助された時だった。
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