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地球よ、永遠に  作者: ヒルナギ


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最初の接触 02-08

 本来アルファ部隊は対艦攻撃部隊であり、敵ミリタリーモジュールの相手はベータ部隊の役目であった。

 パディウはドルーズの口元に浮かぶ笑みをみて、再度怒声を放とうとする。

 突然、視界が暗黒に閉ざされシステムがダウンした。

 パディウは、呻く。

 再度システムが起動し、視界が回復する中でフェアリーの声が響く。


「敵機が、AEEグレネード(対電子装備手榴弾)を使用したためシステムがダウンしました。修復中です」


 パディウは、舌打ちした。

 そして、再び信じがたい光景をみる。

 黒い装甲にゴールドストライプの敵機が、ヒートアックスを振り上げ彼の編隊の一機に襲いかかっていた。

 ヒートアックスは、ブレードの後ろに装備されたバーニアに駆動されミリタリーモジュールの装甲に食い込んだ。

 同時に、ブレードに仕込まれたビームガンが火を噴きパディウ配下のミリタリーモジュールは、無惨にも爆煙に包まれる。

 残った三機は連携してゴールドストライプの敵機を追うが、AEEグレネードの放った次元振動の影響で動きが鈍い。

 それに対し敵機は、舞うように軽やかな動きをみせていた。子兎を狙う猛禽のように宇宙空間を旋回すると、ハンドキャノンのAPHE弾をかわして次の一機にヒートアックスをふるう。

 バーニアの噴射が死神の鎌を思わせる弧を描くと、次の一機の装甲にブレードを食い込ませた。

 再び広がる爆煙が、ゴールドストライプの機体を隠す。

 残る二機は敵機を見失い、ハンドキャノンをあらぬ方へ撃ちまくる。

 闇から忍び寄り襲いかかる狼の餌食となるように、もう一機がヒートアックスの犠牲となった。

 パディウは最後の一機を支援するためハンドキャノンを撃ちながら、移動する。

 しかし、APHE弾は敵機を止めることはできず、最後の一機も爆煙につつまれた。

 パディウは、敵機を見失う。

 彼の機体の索敵センサーは、まだ次元振動の衝撃から回復しきっていない。

 敵機は爆煙に隠れて、パディウに忍び寄ってくるはずだ。

 パディウは、いいようのない恐怖にさらされる。

 宇宙の闇がいつもより濃くそして、深い気がした。

 ふと、パディウはドルーズにもう来ても無駄だから来るなといってなかったことを、思い出す。

 しかし、そもそも通信機器がAEEグレネードの影響から回復してないことに気づき、苦笑した。

 その苦笑は、いきなり訪れた衝撃によって失われる。


「パディウ中尉、後方敵機です」


 ようやくセンサーを回復させたフェアリーの声が響いたが、手遅れであった。

 パディウはヒートアックスに貫かれたバトルスラスタユニットを切り離し、敵機と差し違えようと自機を旋回させる。

 機体は多少ダメージを受けてはいるが、敵機を道連れに死ぬことくらいはできるかもしれない。

 バトルスラスタユニットが爆発し、パディウは視界を失った。

 視界を覆う爆煙を貫き、ヒートアックスが目の前に迫るのをみる。

 死を覚悟したその瞬間に、ヒートアックスが動きをとめた。

 そして、ゴールドストライプの敵機が距離をとってゆく。

 曳光弾が敵機を追って闇を切り裂くのを、みた。

 パディウは頭の中が、白くなる。

 ドルーズが、ようやく来たらしい。

 ゴールドストライプの敵機が闇で遊弋する猛禽のように飛び去るのをみて、パディウはもう自分に出来ることは何もないこと知った。たった一機に自編隊を全滅させられたという事実に、パディウは深い深いため息をつく。



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