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剣豪勇者~異世界に降り立つ  作者: 四条村正
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アークメイジカタリナ

  勇者になれない雑魚。それは俺のことだ。成長して勇者に昇格する

 場合もあるが大抵は最初から勇者なのである。かくいう、エイルが

 選んだ二人の少女もいきなり勇者になれた。


  つまり、俺は落ちこぼれという事だ。だから知られたくなかった。

 俺が勇者とバレた途端、ギルドの冒険者は爆笑である。屈辱だ。

 好きでここに生まれ変わった訳でもないのに、なぜいきなりこんな

 屈辱を味わう羽目になるのか。


  そして今俺がやってるのは給仕と皿洗いである。それも朝から

 晩まで。日本のブラック企業も真っ青なレベルなブラックだ。


  ただ、寝床の確保はできたのは有り難い。とんでもなく老朽化が

 進んだボロ屋だが、外で寝るよりはましだ。エイルが掃除をしてくれ

 たお陰で人が住めるレベルまでは回復した。


  よくもまぁ、あんなになるまで放置した物だと呆れる。ついでに

 釘と板で補強もさせられたが……。土台がしっかりしているのでまぁ、

 大丈夫だろう。


  エイルは教会の子供達と別れるのを名残惜しそうにしていたが、

 それよりも借金を返すのが先だ。返せるのかこれ?


  それにしても勇者の腕輪というのはとんでもないアイテムだな。

 外せない上に、自動防衛システムと言うのが備わっていて勇者に

 なれない雑魚な俺をそれまでかっちりガードしてくれる。


  お陰で、こんな目に遭っている訳だ。半分はあの頭のおかしい

 お嬢さんのお陰だが…。最近見ない気がする。と言うか、忙しすぎて

 一々人の顔を確認している余裕が無い。朝から晩までだからな。


  24時間ストアで無くて良かったと心底思う。


  どう考えてもこのままじゃ借金は返せん……。やはり冒険者に……。

 エイルは人生を全うしたら天界に戻れるそうなので、無理に魔王討伐

 する必要はないらしい。


  いきなり諦めモードか……。全然期待されてないな。クッ!


  今日も一日馬車馬のように働いて部屋に帰る。エイルが先に待って

 いるはずだ。


  おもむろに俺はドアを開けてただいまーと部屋の中に入ろうとした

 その瞬間、俺は再びドアを閉めた。幻覚……じゃないよな? 嘘だろ!

 嘘だろ! ちょっと待て!


「おい、私を無かったことにするな」

「誰のお陰でこんな生活する羽目になったと思ってる……」

「腕輪を指さすな! 指さすな!」


  確かに半分はこいつのせいだが、もう半分はこのお嬢さんのせいでも

 ある。どうしてこいつがここにいる。


「お前は気づいてなかったろうが、私はずっと店にいたぞ」


  うわー。全然気づかなかったわー。迂闊だった……。


「それで何のようだ? ち〇こならやらんぞ!」

「それは別にいらない。私はお前に興味が出たんだ」

「俺は君に興味ないので……。帰って頂いてもいいかな?」


「私も少しは悪い事をしたと反省している、だからせっかく代金を

 立て替えてやったのにその態度は何だ?」

「マジかよ!?」


  何々? じゃあなんで俺達冒険者ギルドにこき使われてるの?

 意味分からないんだけど!? 後でギルマスとっちめてやらねーと……。

 やめよう、返り討ちに遭いそうだ。


「元はと言えばお前が訳の分からないことを言い出すから

 あーなったんだろうが」


「……悪かった……」

「案外素直だな」

「だから私も冒険に連れて行ってくれ」


「断る!」

「はや! 即答か!?」


  当たり前だ。こんな短気な女連れて歩けるか。トラブル頻発する!


「あの、キョウイチさん。彼女高位のメイジですし、一緒に行っても

 いいんじゃないでしょうか? どの道私達このままじゃどうしょうも

 なかったですし」


  この駄女神…。さりげなく魔王討伐へ誘導しようとしているな!

 その手には乗らないぞ!


「ぷー」

「急に可愛いい顔してむくれても無駄だからな!」

「ぷー」

「二人一緒にすんな!」


  これじゃまるで俺が悪者じゃないか……。


「せっかく主が与えて下さった力を無碍にするのはあんまりではありませんか?」


  未だに魔王を討伐できない少女二人に力を与えた無能なロリコン

 女神さまに言われたくないが……。


「いででででででででででででででで」


  思いっきり太ももつねるんじゃねーよ! こいつ伊達に女神を

 名乗ってないな……。俺の心を読んでやがる!


「邪心を感じました♪」


  清々しい程の笑顔である!


「いけませんか?」


  くっ、この小児愛好者女神は顔も可愛くて体もむっちむちだから

 質が悪い。しかも少し抜けてるだけでそれ以外完璧で性格も可愛い。

 こんないい女はおらん!

  

  だから上目遣いでこちらを見られたら男なんぞイチコロである。

 眩しい! 止めろ! そんなつぶらな瞳で汚れた俺を見るな!


「分かった……。ただ、勝手な真似はしてくれるなよ」

「ああ、分かっている」


「そう言えば、名前聞いてなかったな。俺はキョウイチ」

「私はプリーストのエイルです。これからよろしくね!」

「私はカタリナ。アークメイジのカタリナよ」


  こうして、借金も綺麗さっぱり無くなった訳だが……。冒険に

 出立するための資金が全くない事に違いはなく、しばらくは勤め先の

 冒険者ギルドで労働に勤しむことになりそうだ。     


  何しろ剣すらない! 


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