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「リリーとマリの恋物語」  作者: 湖灯


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***爽太さんとリリーと私③***


 ◆◇◆◇◆◇


 私のいちばん寂しかったときのことを口にしたとき、爽太さんも辛く感じていてくれているのがわかり話を打ち切った。


 人間に生まれ変わって分かったこと。

 人は家の中で飼われているペットが自由に外に出られなくて不自由だと思うけど、犬は家族に愛されていることが最も幸せなことだからチャンと朝夕の散歩を欠かさなければ特に不自由だなんて感じない。


 それに私の場合は毎日朝夕と散歩に連れて行ってもらい、お風呂や爪切りもブラッシングもしてもらえただけでなく沢山遊んでもらったし、頭も一杯撫でてもらったから私の犬としての生涯は幸せに満ちていて不自由だと思ったことは一度もなかった。


 家族に愛されること、家族に争いごとがなく穏やかな日々と暖かな愛情の中で暮らせることこそ、何ものにも勝る幸せだった。

 そして外に繋がれて寂しい思いをせずに、家の中を自由に行動できる環境も。

 

 犬はフサフサの毛で覆われているから寒さに強いって人は言うけれど、決して寒さに強いわけではなく寒さに耐えているだけ。

 実は私たち犬は、寒がり屋さんなのだ。

 雪の日に大喜びしながら外を駆けまわるのも、ただ単に見慣れない景色に興奮しているだけなのだ。



 ベンチから立ち上がり爽太さんに手を差し伸べ散歩に連れて行ってとおねだりすると、キョトンとした顔で見上げた爽太さんが子供のように可愛く見えて可笑しくて、そして思いっきり嬉しい。


 私の手に爽太さんの大きな手が重なるとリリーとして過ごした日々の鮮明な記憶が蘇り、懐かしさに絡めた指先が震えると、その手を確り握ってくれた。



「植物園に入ってみようか」


 爽太さんの言葉に直ぐ「うん!」と返し、森林の中を抜ける細い坂道を登って行った。



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