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「リリーとマリの恋物語」  作者: 湖灯


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***動物愛護センターと、捨てられたダイと私③***

 神奈川県も昔は年間二千匹以上もの犬と猫を殺処分していたが、2014年以降保護動物の殺処分は行われていない。


 しかし全国にはまだ年間に十万匹以上の犬と猫が各地の動物愛護センターで殺処分されている。

 もちろん各動物愛護センターはNPOなどのボランティア団体などと協力して殺処分ゼロを目指しているのは確かだが、増え続ける捨て犬や捨て猫の数に追いついていないのが現状。


 NPOなどのボランティア団体も受け入れ数は限られる。


 特に法律で数が決まっている訳ではないけれどスタッフが管理できる数を越えてしまうと、全く管理が行き届かない状態に陥ってしまい、捨てられた動物の為の施設が逆に虐待する施設に変わってしまった事件も少なくはない。


 それだけ、生き物を飼うと言うことは手間のかかる事なのだ。




 南さんは職員さんからの説明で殺処分がないことを聞いてホッとして、薄情な飼い主から離れて今度はもっと優しい飼い主の世話になれれば、それは良い事かもしれんな。

 なんて軽く言いだし、それは落ち込んでいる私を元気付けるための言葉だとは分かっていたが、私は南さんに八つ当たりしてしまった。 


「南さんは親や兄弟から捨てられたことってありますか!?」と。


 私の言葉に南さんは驚いていた。もちろん人間の子供のこと。

 特にこの日本では、そんな経験をしてしまうケースは先ず無いと言っていいほど稀なこと。


「いま、あの子は長年家族だと思っていた人に、それも何の相談も無しに急に捨てられたのです」


「だけど……」

 南さんの言いたいことは、よくわかる。


 そう、ここは神奈川県だから殺処分はない。つまりペットとしての尊厳を問題にしなければ、生きていくことはできる。しかもセンターには獣医さんも居るので、衛生面や病気などにも気を遣ってもらいながら。


 でも……。


 こんなことは動物が好きなら誰でも思うこと。そして未だに明確な解決策もない。

 南さんは人間の立場でダイを心配してくれたのだから、それで良いのだと思う。

 八つ当たりしている私が悪い。


「すみません。私、動揺していたみたいで……」

 私は、私の言葉に戸惑っている南さんに、素直に謝った。


「いや、僕の方こそ、捨てられた犬の立場になって考えてあげる事が出来なくて」

 そう言って南さんは自分の手で自分の頬を思いっきり叩いた。


 私もビックリしたけれど、もっと驚いたのはセンターの職員さんの方。


「すみません。施設内で大きな物音を立てないで下さい! 犬や猫たちが怖がってしまいます‼」

 あー……分かるけれど、そっち??


「はあ、すみません」

 注意された南さんが大きな背中を小さく丸めて謝る。


「さあ最後の取材。南さん頼みますよぉっ」


 私は気持ちを変えたくて思いっきり空元気をだして明るく言った。

 (但し、今職員さんに大きな物音は困ると言われたので、声の大きさを控えめに言いました)

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