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野郎兎、冒険の始まり中

ヒロイン?登場?

暗い、怖い、寒い、もしかして死んじゃったのかな?




あれ、光が・・・見え・・・




「くう・・・」


知らない場所、知らない匂いだ・・・此処は何処?


「ま、魔王は?」


「へー、やっぱり魔王とかいるのか。」


「!?」




すごい顔してんな、まあそうか、まさか目の前の兎が喋るとは思わねえよな。にしても、改めて聞くと異世界だなって思うわ。魔王とか勇者とかね。


「う・・・さぎ?」


言語機能はしっかりしてるし、ちゃんと思考は働いてるし、身体機能は全回復、精神は・・・おおう、さすが勇者バッチリ快復してるわ。


「あー、あー、聞こえてるみたいだな。いやー今まで喋る相手がいないから風魔法で振動を生み出す魔法を作っても意味なかったんだよね〜、感動もんだな。」


おっと、すごく胡散臭そうな顔になったな。




何だろうこの不思議生物は、動物はこんな密度の魔力を放ったり喋ったりしないはず、でも魔物でもないし精霊にしては人間らしすぎるような?


「ふむ、じゃあ少しだけ話をしよう。勇者サマ?まあ何にしても折角降ってきたお前さんを拾って治療したんだからお話しぐらいはしてくれるよね?」


「!?」


鑑定持ち?それとも直感?どっちにしてもステータスを何らかの方法で見られた!やっぱり魔族な

の?・・・ていうかそれ以前に『降ってきた』?私が?




おうおう、そんなにキョロキョロしたりじっとこっち見てきたり忙しいな・・・アレだな、幼女が慌ててるのを見てちょっとほっこりしてるわ。おれ。


「じゃあまず、お前さんがどういう状態だったからか話すかな。」


そう言いながらウサギはお茶を出す。


「まず、一番最初、お前さんが楽しく自由落下して来てたのを見つけたんだよ。・・・?」


そうやってウサギが話し出すと突然真っ赤になった女の子勇者が話を遮って来た。


「ちょっと待った。その話すごい興味があるんだけど・・・その・・・服を貸してくれないかな?」


・・・・おっと、そうだった俺はウサギだからいいけどさすがに幼女がほぼ全裸なのは不味いな。


瓦礫や何かしらの魔法によってボロボロになっていた服は既に服としての機能を失っており最早ただの布である。それが軽くかかっているだけの幼女がベッドの上で慌てているというのは些か刺激が強い画であった。


適当な布を一瞬で服に精製し直し幼女に投げ渡す。精製した時幼女の顔がすごい間抜けだったのは俺の心の中にそっとしまっておくべきことだろう。


「よし、そいつはやろう俺にはあんまり必要ないし。」


「あ、ありがとう。」


くそう!可愛いぞこの娘!


「どういたしまして、でだ、何処までいったっけ?」


「確か私が空から落ちてくるところまで・・・かな?」


そこからは特にさえぎることもなくウサギも久々の会話に少々熱が入ったが概ね問題なく現状の説明が完了し、勇者のお腹がなったのを合図にウサギは料理を始めた。





「そっか・・・私は負けちゃったのか。」


ウサギさんが料理を作ってくれるらしい、喋り方も変わってるし声も風魔法で出してるらしいけどすごく高等な魔法技術を使用しているのがわかった。それこそ私や仲間が使ってる魔法がお遊びみたいに見えー


「そうだ!みんなは!?」


「すまんがお前さん以外の物は飛んで来てないぞ?」


そんな!そんな!そんな!可笑しいよ!私はみんなと一緒に戦って、それで・・・・


「わ、私が・・・私が「まあ落ち着けよ、お前さんの仲間とやらはそんな信じられないほど弱いのか?」ひ、ふぐ、で、でも!みんなが!」


いつの間にかウサギさんが近くに来ていた、ああ、でも、情けないな、今までもいろんなことをして来たけどこんな人前でボロボロ泣いちゃうなんて勇者失格だ。


「安心しろよ、お前さんを励ましてんのはウサギだぜ?人なんてお前さんくらいだよ。」


くそう、優しいなウサギさんは。




料理をしていたら突然勇者ちゃんの精神がぶっれぶれになって振り返ったら泣いていたでござる!ヤバイ、此処で心に隙間やら突っかかりやらできたらただでさえ治ってるのが奇跡みたいな精神構造体が壊れて廃人になっちまう!


「まあ落ち着けよ、お前さんの仲間とやらはそんな信じられないほど弱いのか?」


「ヒグ、フグ!で、でも!みんなが!」


おおう、予想以上に脆いな仮にも勇者何だろう・・・いや、幼女にそれを求めるのは酷か。


「安心しろよ、お前さんを励ましてんのはウサギだぜ?人なんてお前さんくらいだよ。」


今俺にできるのはこの弱った勇者を少しでもモフモフで癒すことだけかな。




うー、うー、柔らかくて暖かいやっぱりウサギさんは兎なんだね。


「うー、ちょっと、落ち着いて来たかも。」


「そうそう、お前さんの仲間ならきっと生きてるし、お前さんを探してるはずだ。」


モフモフ、モフモフ。


「・・・」


モッフモッフ、モッフモッフ。


「あー、あの?」


モフモフモフモフモフモフモフモフ。


「これも兎の定めか・・・・」






ハッ!駄目だ、ウサギさんは人を駄目にするウサギさんだよ!魔の毛並みの持ち主だよ!


「もういいか?」


「あっはい。」


「あーもうめちゃくちゃだな。」とボヤきながら毛並みを整えるウサギさん可愛い!超可愛い!


「・・・取り敢えずそろそろ自己紹介しないか?互いに、ほら、料理もできてるし。」


「うん!」


もっと声も可愛ければいいのにな〜





何つーか、アレだわ、流石勇者だわ、パラメーター高杉ワロス。久々に死にかけたわてか嫌だよ?死因が『モフモフされすぎ』とか、『幼女にモフモフされ死亡』とか、どんな死因だよ!・・・まあいいや、精神状態も安定したし、どうやら勇者らしく希望がもてたらしい。


「じゃあ、私から、私は『聖剣の勇者』ミーシャ。聖剣の名前はエクスカリバーだよ!」


「いや、聖剣の名前とか言われても困るから。」


するとミーシャは頰を膨らませて


「ムウ!ノリが悪いな〜ウサギさんも早く名乗ってよ!」


あら可愛い。


「仕方ないな、俺は宇佐月、下の名前は面倒だからウサツキでいい。」


「・・・可愛くない!却下!」


えー!んな横暴な!


「そうだな〜じゃあ今日からクロ!ウサギさんの名前はクロに決定!」


「・・・絶対毛の色からつけたろ?」


「フーフー?」


「音出てないから・・・まあいいや、好きに呼んでくれ。」


勇者と言うのは案外身勝手らしい、と言うのが判明した。まあ、ちょっと身勝手で図々しいくらいじゃないと世界とか救えないか。






さて、時は過ぎ、と言っても数時間経って夜になり勇者が宇佐月いや、今回からクロになるのかまあどちらでもいいのだがクロのベッドで寝てしまっているのであった。


(ナズェソコデェネテルンディス!)


喋ったりしない時はいつも通り心の中でつぶやいているクロ、しかしこれが高校生くらいの生意気な小僧なら叩き起こして床に転がしたかもしれないが寝ているのは美少女の片鱗を見せる美幼女、しかもすごく安らかに眠っていらっしゃる、これを叩き起こると言うのはかなり心が痛むので仕方なくクロは床で寝ることにした。



(大きくて、黒くて、怖いそれにとてもとても強かった。かの魔王が剣を振るった時既に立っていたのは自分ただ一人、しかもその一撃を避けられたのも偶然だった。それほどに力量がかけ離れていた。)


一方ミーシャはクロの気配が床に丸まって動かなくなってから突然目が覚め魔王のことを思い出していた。


(それを考えるとクロもあの魔王と同じくらいの魔力と剣じゃないけど魔法が使える・・・アレ?クロってもしかしなくてもすごく強い?)


そして何故か魔王と見た目ただのウサギであるクロを比べていた。

此処で少しこの世界の話を、此処『魔物の坩堝』は現在魔王の治める土地と人間の治める土地の間に存在しており両陣営ともにこの森を越えられずに互いの存在を知らぬまま数千年間生きてきた。しかし、いつからか『勇者』と言う人間の中の最強種が誕生し始めたのと日々同時に『魔族』が大量に発生し、そのうちの一人が『時空魔法』の使い手として初めてこの森を越え、いにしえの勇者の一人も森を越え互いに互いを発見してしまったが故に今この戦乱が起きているのだが、逆にいえばこの森の中では勇者も魔王も等しく弱者なのだ。そんな場所で平然と存在して居られるウサギの方が魔王や勇者より強くても何ら不思議ではない。因みにクロはこの事実を修行して居た期間のうちにとある場所で知った。


(・・・よし!決めた!クロに修行をつけてもらおう!)


こうして、次の日から突然勇者に修行をつけることになったクロは大いに悩み、結果から言うと折れた。


ミーシャの容姿設定。


金髪ロング、碧眼、睫毛長い、ちょっと幼児的なモチモチさを持ちつつ美少女の片鱗を見受けられる四肢。

結論→超かわいい。

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