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こんにちは異世界、こんにちは兎ボディ。

取り敢えず連投

見たことのない天井だ・・・あお空だけど。


そよ風が気持ちのいい草原、空には二つの太陽、そんな中俺は草原のど真ん中に黒い一点として存在していた。と言うか存在せざる得なかった。


(転生したら目の前には凶暴なモフモフがお腹を空かせて歩き回っていたとさ・・・馬鹿かよ!)


そんな風に心乱れていてもスキル隠遁が仕事をしているのか大きめの狼2匹はこちらを感知できていないようだ。と言うか感知されたらされたでこの体の性能を確かめることが出来るのだが・・・おっと帰るのか、良かった。


狼2匹はこちらを発見することなく運が悪い俺にしては全く好調な滑り出し・・・の筈だった。


「グルル・・・」


俺の後ろに森のクマさんが居なければ。


(うっわやべ、俺が縮んでるからでかく見えるんだとしても普通に三メートルはあんぞ!?しかもなんか興奮してらっしゃるぞ?そして、隠遁も見破られたぞ!)


嫌な予感がしたので右に回避、勿論超跳躍は使って居ない。するとさっきまで俺が居た場所は大きなクマの手が振り下ろされ・・・クレーターが出来た。もう一度言おう、クマさんが手を振り下ろした先の地面が陥没し半径1メートル深さ30センチのクレーターになった。


(・・・流石異世界、森のクマさんじゃなくてKUMAだったか、最初からヤる気マックスかよ。)


取り敢えずこの全自動クレーター生成機能つきのKUMAは足も速いようでこの小さな弱々しい兎ボディではスタミナが保たず哀れウサミンチとなってしまうだろう、ここはこいつをどうにか仕留めてそれからが俺の異世界生活と見て間違いないだろう。


(現在持ってい居るであろうスキルの内使えそうなのは超跳躍、空手、柔術。魔法はまだよく分かんないし、それ以外についてはもはや戦闘用ですらねえ。)


兎の持って生まれた俊敏さと一応武術家としての見切りを駆使して避けつつ方針を立てる。このKUMA足は速いのに攻撃は大振りで動きも読みやすい、しかし油断してはいけない噛みつきや小突きなどの動きが最小限で済む攻撃は絶対にあるし、狼のようなと他の生き物の居る場所で勝利しても連戦の危険がある。


(此処はこの平原内でかたづけるしか無い。)


「グオオオ!!」


避けを続けてチョロチョロと周りを動くウサギに苛ついたのか二本足で立ち何やら両手から紅いオーラをだすKUMA。


(スキル・・・若しくは魔法!だがこの状況は素晴らしい!)


避けを辞め大きく踏み込んでから『超跳躍』を発動、そして後ろ足でKUMAの顎に向かってライダーキックその瞬間に『関節崩し』の発動を念じる。


ボキン


と言う音と共にKUMAの首があらぬ方向に曲がり身体の操作が効かなくなったKUMAはそのまま慣性に従って仰向けに倒れる。


(jしぇへyでぇgzない!?)


そして兎の方も無事着地は出来たがスキルによって超強化された跳躍力の反動で凄まじい筋肉痛と突き出した右後ろ足の股関節が外れた痛みでビクンビクンして居た。



ひとしきりビクンビクンして居たがなんとか落ち着き『呼吸法』を発動、臨戦態勢は取れないので取り敢えず荒い呼吸を整え通常通りに整える。すると30秒ほどで右後ろ足の脱臼は快復、動けるようになった。ふと顎を蹴り上げ出来るだけ首の骨が折れるように意識した結果はどうかと今更確認、まだ息はあるが全身が動かず首から上も空を見上げるような状態から動いて居ない様子。


(ふう、取り敢えず異世界初戦闘は無事に済んだか。)


しかし、この状態のまま生き物を放置するわけにもいかない、全身が動かないなんて自分が考えたら恐怖以外の何者でも無い。そう思った宇佐月はまだ息のあるクマに近づき生命への感謝をしながら『超跳躍』を軽く発動させ頸椎を踏み砕いた。その瞬間兎の体は光に包まれ力が身体の底の方から吹き上がってくるような今までの体とは一線を画した力が兎から感じられるようになったのだった。


(レベルアップか・・・そういや『成長速度二倍』とか『経験値二倍』とかあったな。・・・待て、今俺のステータスどうなってんだ?)


熊の死体の上で独りそんな事を感がている兎だったが、異世界転生兎の異世界での1日は此処から真の意味で始まった・・・筈だ。


(転生特典のスキル?『アイテムボックス』・・・クマ入れるか。)


そう思うが速いか、クマの死体が消えるのが速いか、兎は一瞬にして消えたクマの死体に少々戸惑いながら草原にほど近い森へ、更に言うのなら安全な住処を発見するため進んでいくのであった。


(おっと、第一木の実発見、鑑定だ。)


圧倒的の実:アイテムランクS


魔の森と呼ばれる世紀末な魔物の住処にしか存在しないと言う幻の木の実、何が圧倒的なのかはわからないが希少性については圧倒的なものがある。毒はない。味については資料がなく美味しいかは保証できない。


(・・・・さて、これは食うべきなのか?)


見た目は林檎と葡萄を混ぜてオレンジで割ったような感じで甘い香りがする。毒はないと書いてあったが果たして美味いのかどうかはわからない。


ガブ


取り敢えず齧ってみる兎、真っ黒な兎が体と同じくらいの果物を抱えて居る姿はとても可愛らしいが中はどうかと言うと・・・


(感謝!圧倒的感謝!!甘さの中に少しの酸味、スッと鼻に抜ける果実の香り、林檎の様な歯応え、しかし噛めば葡萄の様な濃厚な果汁が口いっぱいに広がっていく!あ、ありがてえ。戦闘中の高速思考やアドレナリンの過剰放出で熱くなった頭が冷やされ、糖分で癒されていく!)


一言で言えない感動で満たされて居た。結局種まで全て食べ尽くしもう二、三個地面に落ちて居たのを『アイテムボックス』へ収納した兎は上機嫌で住処探しを再開した。





森の中をあてもなく隠遁を使いつつさまよって居ると兎は異世界初戦闘の高揚と勝利の果実の余韻から離れ冷静になった頭でまだ使ったことのないスキル、魔法のついて手を出そうと考えた。


(ラノベ的なテンプレとしては・・・体内のなんかよくわからん物を血液の様に循環させる、んだっけ?うむむむ!)


さて、ここで一つ。この異世界には二種類の動物がいる。一種類は魔物、もう一種類は唯の動物。この二種の差は魔法の有無や知能の高低、様々だが一般的に魔物では無い動物が魔法を使うと言うのは人間やその他亜人系以外ではなかなか無い、理由としては魔力が低すぎると言うのがある。つまり。


(うむむむむ・・・駄目だな、歩きながらじゃ集中できないし、なんかモヤモヤっぽいのがあるのはいいけど少ない感じがするし・・・ま、住処を見つけてからだな。)


本人が察した様に実際、種族が野ウサギでは魔法が使えるほど魔力がないのである。ただしそれが唯のウサギならである。この中身が元人間な兎はどうなるかは唯のウサギと同列に語れない。



歩く事三時間、森の中のそれなりに大きな川のほとり、有り体に言えば河原へ着いた宇佐月。


(む〜ん、ま、そこらの木の下に穴でも掘って住むか。)


どうやら洞窟やら木の虚やら探すのはやめて自分で掘る事にした宇佐月、早速木の根元に行き一心不乱に土を掘り返す。兎は土を掘るのがそこそこに得意であるましてや神様製の特別製である、なので掘り終わるのにさほど時間はかからなかった。


(なんだか手頃に狭くて落ち着くな。よし!此処をキャンプ地とする!先ずは寝床作んないとね。それが終わったら魔法の練習だ!)


そう言って落ち葉や枯葉、適当な雑草を持ってきて敷いていく兎は元が人間だったとは思えないほどウサギしていた。






超跳躍・・・常時保持者に敏捷補正(極大)、脚力の上昇。

超跳躍攻性スキル『超跳躍』・・・文字どうり凄まじい力で跳躍する、またそのエネルギーは攻撃にも移動にも転用可能、しかし、肉体のスペックが足りていない場合足への損傷や威力の低下が見られる。

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