その一歩は、きっと小さなものだけど。
勢いだけで描いた。反省はしているが後悔はしていない。
……我に返ったら加筆修正すると思われます(
時刻は夕刻に差し掛かり、そろそろ、美しい夕焼けが空を橙色に染め上げる頃。
《黒剣騎士団》 ギルドキャッスル、執務室。
キリーが、レザリックの手伝い……書類整理を粗方終えた丁度その時、鈴が鳴るような音が響く。
念話の音だ。それは、ここ最近良くパーティを組む、付与術師の青年からで。
『キリーさん、こんにちは。今、お時間大丈夫です?』
「あぁ、構わないけど。突然どうしたの、エミル?」
少し、声が緊張している様に感じるのは気のせいだろうか。
『えーっと…その………なんと言いますか……』
「はっきりしない物言いをするエミルか、珍しいね?」
『…う…、申し訳ないです。ただその、やっぱり、念話では何なんで。今からとかでも、直接お会いできませんか?』
「……デートのお誘い?」
『ちっ、違いますよッ!!ていうかキリーさん結婚されてるでしょう!?』
即答で返してくる当たり、相当照れているのか。恐らく本人の顔は赤くなっているに違いない。
その表情が容易に想像できて、つい笑みが溢れる。反応が面白いんだってわからないのかねぇ…
「くく、冗談だよ。ムキになるなって」
『……キリーさん…からかわないでくださいよ…』
一時間後に約束を取り付け、とりあえず終わらせた書類の整理に入る。これをレザリックのところへと運び、整頓を済ませてから待ち合わせへ向かえば、約束の時間に丁度良いくらいにはなるだろう。キリーは書類を抱えると、執務室を後にし、レザリックのところへと向かった。
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「エミル、早いな」
時間の10分前には着いたのだが、目的の人物・蒼いローブを纏う付与術師は、既に待ち合わせ場所に立っていた。
「えぇ、此方からお呼びしたわけですからね。」
表情こそ普段通りだが、やはり、念話で感じたように声が緊張しているように感じる。何があったのか、と、まじまじと彼を見ていると、こちらから聞かずとも、向こうから話が切りだされた。
「…この間のお話ですが。まだ、有効でしょうか?」
どの話だろう?すぐにピンと来なかったが、ここ最近というと、弩砲騎士達と模擬戦をやった時で……
そこまで考えて、もしや。と思い至り、口を開こうとすると
「『よかったら《黒剣》に来ないか』、っていう話です」
「やっぱりそうか。真剣に考えてくれたんだ?」
「だ、だってギルド加入のお誘いですよ!?しかもアキバの五大戦闘ギルドの、《黒剣騎士団》古参からの直々で!」
「そんな固くならなくていいのに。で、返事は聞いてもいいのかな?」
「……はい。」
エミルは、真剣な眼差しで、此方を見据えてきた。うん、いい目をしてる。
「《黒剣騎士団》に入団希望、させて頂きます」
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…ということで。
セッション中に、キリーさんからお誘いを受けましたので。折角なので。回収させていただきました。
《黒剣》でもみくちゃされて振り回されることでしょう…w