エンドロール
結論から言うと、事件は解決した。
と、いうかルシールちゃんは人見知りながらも、冒険者としてギルドに登録しちゃったのだ。
いいのか、本当に。
登録種族は何にしたのか聞いてない。
シルヴィアさんも冒険者登録してるんだし、何とかなったのかなぁ。
羊の獣人はいないって前に聞いたけど、獣人二人が『この子羊の獣人なんです』って押し通したら何とかなったんだろう。
それで俺の方なんだが、帰る事にした。
当然ロレッタ姉さんやミケ猫、ニーナさんとオレリアさんには引き留められ、ルシールちゃんにも涙目で
「帰っちゃうの……?」
と言われたけど、仕方のないことだ。
直近に元の世界でやることがある、と言ったら渋々ながら納得してくれたみたいだ。
やることって言っても、大学の後期が始まっちゃうってだけなんだけど。
「ごめんな」
帰る前には記念にスマホで写真を撮らせてもらった。
ちょっと気味悪がられたので、説明するのが大変だった。
いや、ほんとに。
それで俺は帰って来たわけだが、こっちに戻って来ると色んなものが揃ってるけど、逆に何もなかったあっちの世界を懐かしがるなんて変な話だ。
そう思わないか?
でもこっちだと俺はただの凡人その一でしかないのに、向こうだと『勇者サマ』『リュウジン』だからな。
最後に皆で撮った写真はコンビニで印刷して、飾ってる。
預金口座には実家からの仕送りの他にちょっとした臨時収入が入ってた。
多分ジジイの仕業だろう。これで何か食うかなぁ。
さて、今の俺には新たな目標が出来た。
ダラダラと大学に通って就職活動するよりはよっぽどやりがいがあることだ。
留年なんかせずにとっとと卒業することだ。
就職活動? 俺には向こうの世界がある。
きっとその方が、こっちでつまらない就職なんかするより、ずっといいだろ。
俺のスマホにはあのジジイに色々機能を追加してもらったアプリがある。
一つは向こうからこっちに戻る機能。もう一つは――。
「ねぇ、リュウ。呼んでくれるのはいいんだけどさぁ。本当に用事が終わったら戻って来てくれるの?」
俺の上で腹這いになったミケ猫が言う。
密着した肌は柔らかくていい匂いがする。
「ああ、こっちの俺はモテない男だからな」
「何それ。見る目ないのね」
休日ごとにあっちに行ったり、こっちに誰か連れ込んだりして、結構充実した毎日を送らせてもらってる。
帰れないっていう不安がないだけすっげぇ楽しい。
ミケ猫たちとはこっちでのやることが終わったら向こうに戻って結婚するっていう約束をしてる。
だいたい二年ぐらい待って欲しいって言った時の条件がちょくちょくこうして相手をすることだった。
卒業したら向こうでまずニーナさんと結婚する。
そしたら他の子とハーレム築いたり色々できるってもんだ。
その為に、俺は何だってやるさ。
これにて完結です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




