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クエスト:?????4

 さて、どうする?

 と俺は考えたわけなんだが、話を始める前にロレッタ姉さんが羊娘に興味を持ってしまった。


「で、リュウ。その子はどうした? 話し合いは?」


 どう説明したもんかな。

 とりあえず、現状伝えておかないと。

 でも、俺この子の名前聞いてないぞ。


「話し合いは多分終わったと思う。この子は俺のパーティメンバーに会ってみたいって言うから。ミケは大声禁止な。怖がっちゃうから」


「何よそれ~」


 ミケ猫が不満そうだが、それは無視する。


「で、この子は友達が欲しいそうなんだけど、近くには年の近い女の子がいないってわけ」


「リュウさぁ。何の話し合いしてきたんだい? アタシには話の流れがさっぱりわからないよ」


 何の話し合いかって決まってるじゃないか。

 俺らが何のために来たと思ってるんだ。


「この子に友達ができることで、巡り巡って行方不明者が帰ってくるとしたら、姉さんどうする?」


 俺がそう言うと姉さんは考え込むように黙ってしまった。

 ロレッタ姉さんどう出るかなぁ。


「それって行方不明事件が解決しちゃうってこと?」


 ミケ猫、他に突っ込むところがあるだろう。

 何で巡り巡って行方不明の人が帰って来るのかって聞くとこだろ、普通。

 まあ、俺は助かるけどさ。


「そういうこと」


「へぇ……」


 納得すんなよ!

 もう少し疑問持とうぜミケ猫よ。


「でも、リュウさん。その子、あ――」


「オレリアさん、その先は禁句」


 俺はできる限りにっこり笑ってオレリアさんに注意する。

 今オレリアさん『悪魔』って言おうとしたよな。

 それ言ったら絶対羊娘が泣き出すし、行方不明者も戻って来なくなるよ。


「まあ、リュウが言うなら聞こうじゃないか。それで事件が終息するんだろ?」


 そうなるね。

 問題は羊娘がパーティメンバーと仲良くできるかってことだけど。


「ねぇ、名前は?」


 何故か早速ミケ猫が羊娘に話しかけていた。

 え? いきなり行動起こしちゃうの?


「えっと……その……ルシール……」


 お、羊娘が答えた。

 案外ミケ猫と羊娘は相性がいいのかもしれない。

 ルシールちゃんか、名前も可愛いよな。


「そうなんだ、私はミケイラ。よろしくね」


「う……うん」


 おどおどとルシールちゃんが頷いた。

 とりあえず気に入ってくれたのかな?

 後は残りのメンバーの動向だけど、オレリアさんは何か言いたげにしてるけど何も言ってくれるな、頼むから。

 ニーナさんも難しい顔しちゃってるから後で説明しとこう。

 シルヴィアさんはルシールさんの事についてはどうでもよさそうだ。

 後は行方不明者さえ解放されて、ルシールちゃんにお友達が出来れば――。

 なんて俺が考えていると着信のメロディが鳴った。


「あ、やべ……」


 聞いたことのない突然の音にルシールちゃんがびっくりするのを横目に俺は電話に出る。

 びっくりさせてごめんな。

 だからミケ猫は全力であの子を宥めていてくれ。

 表示はやっぱり通知不可能だった。

 至高神のジジイ以外に考えられない。


「もしもし?」


『おうおう、上手く行ったようじゃな』


 スマホから聞こえてきたのは、聞き覚えのあるジジイの声で。

 俺はミケ猫たちから距離を取りながら、なるべくあの子たちに聞こえないようにぼそぼそと答えた。


「上手く行ったって、何かおかしくないか?」


 こんなの、前のリュウジンとやらにでもできたんじゃないのか?

 俺じゃなくてもさあ。

 ルシールちゃんを宥めて仲良くするぐらいなんだし。

 この疑問に気付いたのかどうか、ジジイはしみじみと答える。


『それがなぁ、前の奴らはこちらに長くとどまりすぎて先入観に囚われてしまったんじゃよ。それで彼らを拒絶したんじゃ。その結果彼らの言うところの姫君の能力が暴走を起こし、当時繁栄していた種族が衰退する結果になったんじゃ』


 それはそれでどうなんだ。


「それで、行方不明事件の犯人って」


『姫君が寂しがるからと、部下の一人が姫君を丸め込んでやっておったんじゃ』


 仮面男の方が主犯って事?

 ちゃんと解放してくれるんだろうな?

 姫様を納得させて、頼んだら解放してくれるんだろうか。


『何はともあれ、世界の危機は去った。報酬にお前の願いを何でも叶えてやろう』


 マジ?

 マジでこれで世界の危機終わったの?

 ありえねぇ!

 もうちょい何かあるだろ。

 黒幕との決着とかなんとか!

 ないよな、ないんだろうな。

 ルシールちゃんが姫様って呼ばれてるなら、その親は『魔王』なはずで。

 それが影も形も見当たらないんだから。


「……」


『当然お前を元の世界に帰すこともできる。さあ、好きな望みを言いたまえ』


 ああ、もう!

 神様ってのは勝手だなぁ。

 俺を呼びつけておいて、こんな決着って本当にないよ。

 しかも、この世界について知りたいことも結構多いのにさぁ、クエスト終了だなんて。

 まだまだやり足りないことが多すぎる。

 それに、元の世界じゃモテなかった俺が、こっちじゃガンガン経験積めるんだしもったいないよ。

 大体俺が帰るって言ったところでミケ猫やロレッタ姉さんは絶対に納得しないぞ。

 だから俺は言った。


「……向こうに戻ってから、またこっちの世界に来れる?」

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