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クエスト:消えた仲間を探せ3

「ミケ!?」


 振り返ると、確かにそこにミケ猫がいた。

 お前どこから出てきたんだよ。


「おやおや、子猫ちゃん。嫉妬は醜いねぇ」


 ロレッタ姉さんまで。


「あの……私は……気分が悪くなったから、その……」


 シルヴィアさんすっかり慌てちゃってる。

 慌てて俺はシルヴィアさんから離れたけどさぁ。

 俺も何となく気まずいのは何でだろ。


「いいっていいって。気にするなよ。アタシらはみんな仲良くリュウに囲われるんだからさ」


「かこっ……!?」


 なんてことを言い出すんだロレッタ姉さんは!

 ってそんなことはさておいてだ。

 俺はロレッタ姉さんたちに聞かないといけないことがある。

 ミケ猫でもいいんだけど、ミケ猫は今冷静になってくれないから。


「と、ところで姉さん。姉さんは何でこんなところに?」


「行方不明の人の関係者を訪ねててさぁ。子猫ちゃんがこの路地抜ければ近そうだ、なんて言うから抜けようとしたんだけど、落とし穴みたいにいきなり足元の感覚がなくなったのよ」


 それで気がついたらここ、ってわけか。


「……あの……私たちとすれ違ったのに気がつきました……?」


 ああ、そういえばオレリアさんがそんなこと言ってたな。

 あの時本当に気付いてなかった……んじゃないか?


「お前たちと? いいや。――そういえば誰ともすれ違わなかったな」


「私たち。声を掛けたんですが……気づかずに路地に入って行くので追いかけたら、行き止まりでした」


 行き止まりって言ってもまやかしだったみたいだけどな。

 ミケ猫もロレッタ姉さんも見つけたし、これで帰れば当面はそれぞれのクエストに集中できるってもんだが。

 でも、クエストに集中するより、ここを探索して行方不明事件の根本を解決した方が……。

 いや、待て。俺たちには何より食料がない。

 探索なら探索で、携帯食糧をそれぞれ持ってなきゃいけないわけだし。

 とりあえずオレリアさんたちを待とう。


「ところでお前ら二人だけ?」


「オレリアさんがニーナさんと一緒に水を探しに行ったよ。俺ら、手持ちの食料ないし」


「……おかしいねぇ。オレリアはトランスポーターで食料持ってるはずなんだが……」


 そういえばそんな魔法もあったな。神殿で授かった奇跡だったっけ?

 多分俺たち慌ててたから忘れてたんだよ。

 そもそもここで使えるのかどうかが心配だな。


「とりあえず、全員揃うまで待とうよ」


「むぅ……」


 これまで無視されてたミケ猫が不機嫌そうな声を出す。

 そんな膨れても可愛くないからやめろって。


「ねえ、リュウ。そういえばリュウたちは何でここにいるの?」


「俺はニーナさんと一緒に至高神の神殿に行って、帰ってきたらロレッタ姉さんたちが消えたって言うから、探してたんだよ。で、あの路地は木箱が積んである行き止まりだったから、それを幻覚だって確かめて、通り抜けようとしたんだ」


 その結果がこの森の中だってわけだ。

 せめてここが王都の近くだといいんだけどなぁ。


「神殿!? 神託授けてもらったのかい!?」


 ロレッタ姉さんの食いつきが怖い。


「リュウがリュウジンかどうかって話は!」


 ミケ猫までー!

 いや、いいんだけどさ。

 ミケ猫は拗ねてるより目がキラキラしてる時の方が――。

 まあ、今はそれはいいや。


「行方不明事件を解決したらリュウジンになりうるだろうってさ」


「やった! じゃあさ、お嫁さんにしてね!」


「待て待て待て。貴族のスポンサー様の方が先だろう」


 貴族の当主の旦那になれば複数人と結婚できるって言うアレか。

 ははは……現実味を帯びてきたけど。

 俺、この事件解決して世界を救ったら元の世界に帰るんだ……。

 それだと道中死んでしまいそうだ。


「ずいぶんと賑やかだと思ったら、流石だな。二人を見つけたのか、リュウ」


 何か騒いでたらニーナさんたちが帰ってきたみたい。

 ミケ猫とロレッタ姉さんがいるのにも驚いてないけど、俺が見つけたわけじゃない。


「ミケたちの方から寄って来たんだよ」


「シルヴィも顔色が戻ってよかったです。二人が賑やかだと、ちょっとした悩みなら消えちゃいますよね」


 そういうものか?

 ああ、そうかもしれない。

 こうどうでもいいことをぎゃあぎゃあ騒ぐからな。ミケ猫の方が。


「ああ、そういえばオレリア。水探しに行ってたんだろ」


「そうですが……」


「トランスポーターは使えないのか?」


「あ」


 オレリアさん、やっぱり忘れてたのか。

 俺も忘れてたもんな。でもここで使えるのか?


「そ……それは後で試します! それより、ここから王都に戻る道を探さないと……」


 うーん。それは何事にも優先順位があるってことなのか?

 とりあえず、スマホをいつでも使えるようにしとかないと。

 圏外にはなってないって事は、ここでも使えるだろうな。

 実際に圏外になった時に使ったことないから、圏外でも使えるかは知らないんだけどな。


「んじゃ、どっち進む? リュウ、マッピングできる?」


 マッピングは重要だな。

 こんな森の中じゃあ、自分の居場所を見失ったらぐるぐる迷いそうな気がする。

 スマホでマップを開いて確認する。

 黒い背景に、自分たちを示す三角を中心に明るく表示された。

 ん? なんだろう。この端の赤く光る点は。

 ゲームだとしたらクエストの目的地とかなんとか。

 ハハハ……まさか、まさかだよな。

 深い森。

 奥の屋敷。

 確かに俺は数時間前に見た。

 神託がこれを示してるのだとしたら、俺はその屋敷に行かないといけないんだろうな。

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