表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/48

クエスト:王都探索5

 俺が申請した結果なんだが、神殿での解読クエストの功績からクラスがマジシャンからウィザードとなった。

 一緒に結果を聞いていたシルヴィアさんは目を丸くして驚いたけど、すごく喜んでもくれた。

 それでロビーの中央へ戻ったんだけど、まだミケ猫たちが終わってないみたい。

 いったいどうしたんだろう。

 と、思ったらロレッタ姉さんとミケ猫が戻ってきた。


「リュウ~、聞いてよ~」


 ミケ猫が何だか喜んでるのはクラス変わったのか?


「私、中級シーフになったのよ!」


 うん、つまり今までは下級シーフだったんだな、って突っ込んだらダメだろうな。


「中級になると挑戦できる遺跡増えるんだっけ?」


「最初のクエストでアタシがいっぱい開け閉めさせたからだね」


 おめでとうを言う前に俺はつい余計な事を言ってしまい、ロレッタ姉さんもすっとぼけた事を言った。


「……おめでとうございます」


 シルヴィアさんたげだよ、ちゃんと最初に祝ったの。

 いや、祝わなかった俺が悪いんだけどさ。


「もう! すこしは喜んでよ!」


「あ、いや。う、嬉しいよ! おめでとう!」


 でも、俺がウィザードになったのが言いにくいな。

 どうしようか。

 このまま黙ってても支障はないから、いいかな。

 と、いうかやっと宿に戻れるな。

 オレリアさんが宿で帰りが遅い、なんて怒ってたらどうしよう。


「今日はリュウのオゴリでしょ。早くご飯食べに行こうよ」


「いやいや、待って。ミケ、オレリアさんと合流しないと!」


「やれやれ。子猫ちゃんはそそっかしいね」


 それぞれにミケ猫に対する感想を口にしたけど。シルヴィアさんだけは黙ってた。

 多分俺がウィザードになったことを気にしてるんだろう。

 俺に視線が刺さるけど、ここはゴメン。

 ミケ猫が喜んでるのに水差したらまずいだろ。





「で、これだけ遅くなった理由は? ロレッタがワガママ言って寄り道したんじゃないでしょうね」


 俺が思った通り、オレリアさんが怒ってる。

 この世界じゃあっちみたいに電話で遅れるなんて伝えられないしなぁ。


「……ごめんなさい。私が絡まれてしまって……リュウさんが決闘を……」


 シルヴィアさんが謝ることはないさ。

 あのクソ野郎が二度とシルヴィアさんの前に現れなきゃいい話で。

 でも、神殿での決闘で決めたことってちゃんと守られるものなんだろうか。


「決闘、ですか?」


「そうなんだよ、あのクソ野郎。よっぽどアタシが潰してやろうかと」


 シルヴィアさんの謝罪にオレリアさんは怒りを持続させることが出来なくなったみたい。

 それにしても、ロレッタ姉さんのセリフは縮み上がりそうだからやめてほしい。


「……ロレッタの寄り道が原因じゃないなら、それでいいです」


「疑ったアタシにまず謝罪だろ」


「はいはい、ごめんなさい」


 う、うん。とりあえず無事に合流できたな。

 これで今日の予定は終わりで、明日ニーナさんが来て話がある、んだっけな?

 本格的な活動はその後だから、今日は飲んで食べて騒いでやればいいんじゃないかな。

 全部俺のオゴリだけど。

 まあ、今までのクエストでの報酬が結構余ってるからこれぐらいはいいよな。


「そうそう、今日はリュウのオゴリだから遠慮なく食おうよ」


「ロレッタはそろそろ慎みと遠慮を覚えるべきです」


「まあまあ、俺の財布の事なら気にしなくていいからさ」


 王都での滞在費のうち、一番掛かる宿代はなんとニーナさん持ちだ。

 まだニーナさんの家で世話になるよりは気が重くないけど、宿が立派過ぎてある意味怖い。

 食費とこまごまとした出費だけで済むからクエストは多分やりやすいね。


「リュウさんがそれでいいなら、いいですけど」


 何か含むところがあるみたいだけど何だろう?

 とにかく飯だ飯。

 この立派な宿の食堂はロレッタ姉さんが寄って暴れだしたら怖いから、どっか飲み屋でも行くかな。


「じゃあ、早く店探しに行こうぜ」


 店を選ぶのだけはロレッタ姉さんに任せれば外れはない。

 恐るべき嗅覚だ。

 一度は入り組んだ路地にひっそり構えた穴場の店を見つけたくらいだ。


「入る店はアタシが決めていいんだな?」


「頼むよ、姉さん」


 狼の獣人の姉さんはパーティの誰かに頼られるとちょっと弱いことに最近気づいた。


「アタシに任せなって。バッチリうまい所見つけてやるからね」


 パーティをむれに例えたら姉さんがボスみたいなもんだしな。

 それにしても今日一日は長かった。

 明日は今日よりマシな一日だといいんだけど。

 いや、でも色々事態が進行した方が俺は早く帰れるのでは?

 何も起きない一日よりはマシと言うもんだ。

 なんて考えながら、俺は一人張り切って宿を飛び出そうとするロレッタ姉さんを慌てて追いかけたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ