クエスト:遺跡調査再び5
数日後、俺たちは拠点の町に戻っていた。
んで、王都に向かう準備を俺たちはやったわけだ。
まず最初にパーティに王都の場所を知ってるメンバーがオレリアさんしかいなかったのでお勉強。
集合場所は智の女神の神殿だ。
なんでも、この神殿には大きな図書館が併設されてるみたいで、オレリアさんが地図を持ってきてくれた。
線と文字だけの地図。うーんさっぱりわからない。
「さて、私たちの目的地の王都ですが、この町から馬車で一週間ほどの道のりです」
馬車で一週間ってどれだけなんだ?
多分馬車のスピードって車より遅い……んだよな?
俺が首を捻る中、ミケ猫も不思議そうにしていた。
「馬車ってどれだけ早いの?」
「そりゃあアタシも知りたいねぇ」
ロレッタ姉さんもミケ猫も馬車の速度を知らない。
ってことは俺が知らなくても問題はないのか。
「少なくとも私たちが歩くよりはずーっと早いです。途中の街で宿泊するので一週間ですが、野宿ならもっと早く着くでしょうね」
途中の街で泊まり、ねぇ。
この間のクエストは野宿だったし、姉さんたちも自重してくれたけど、今度の旅ではどうなんだろう。
街で泊まるわけだし、ローテーション来るのか?
適度に溜まってから抜いた貰う方がいいよ。
まあ、俺の贅沢だってのはわかってるけどさ。
「ふぅん……」
納得したような、してないような。
ロレッタ姉さんもミケ猫も馬車に乗った経験ないからわからないんだろうなぁ。
もちろん、俺にもわからない。
馬車も俺たち全員が乗れるようなものはこの町でも見たことがないぞ。
「今回の旅費ですが、スポンサーのニーナ様が全て出資してくださいます。それも、リュウを王都へ呼ぶためです」
「モテるねぇ」
ロレッタ姉さん。それは俺がモテてるわけじゃないと思う。
どっちかと言ったら便利な翻訳機ぐらいの扱いなんじゃないか?
この世界に翻訳機なんてないけどさ。
ニヤニヤして俺を見るのやめてくれよ。
「で、旅費の他にそれぞれに支度金が渡されてます。装備品を買い替えるなら今です」
マジで?
どれだけ太っ腹なの、ニーナさんは。
「出発日時は三日後、ニーナさんの手配した馬車が来るので、それに乗って出発です」
「それって、本当にオレリアさんもシルヴィアさんも来るの? 神殿の方は?」
オレリアさんはこの前のクエストで持って帰った本もあるのに、俺たちについてくるつもりなの?
ヤケにやる気満々なんだけど。
「ええ。神殿長には、王都へ研修へ行くって言う名目で許可をもらいました」
許可まで貰ってるのか。なら、仕方ない。
持ってきた本はどうするんだろう?
「前にリュウが読んだ本を訳した物を、神官たちに読んでもらって、まず辞書の作成になるでしょうね」
まあ、辞書ができて文法がわかれば訳すのは誰でもできるわな。
覚えるの大変だろうけど、この神殿の人たちなら大丈夫なんじゃないか? 多分。
「シルヴィアさんは?」
「……私は、リュウさんの行くところなら、どこにでも……いきます」
行く意思は固いみたいだなぁ。
ファイター一人に神官二人に、マジシャン一人に、シーフが一人のパーティってよく考えたらバランスいいんじゃないか?
シーフは初心者で、俺は自動戦闘するけど、姉さんは強いし、ヒーラーもいるし。
それにしても王都かぁ。
当面の目標にはしてたけど、実際に向こうに行ったら何をさせられるんだろう?
俺の胸は不安と期待でいっぱいだった。




