表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/48

クエスト:遺跡調査再び3

「意味が分かる? どういうことだ?」


 うう……ニーナさん厳しいなぁ。

 俺どうやって反論……じゃなくて言い訳しよう。

 誰か助けてほしい。


「あの……エルフ文字は一つの文字で意味を表すので、読み方はわからないけど意味は通じるんです……リュウさんは意味の方を知ってるのではないでしょうか?」


 うん、まさにその通りだよ。

 中国語みたいな感じだと俺にも読めないけど、『我欲求食物』みたいな感じなんだもん。


「その意味の方はどこで覚えたんだ?」


「どこって言われても……」


 学校なんだよね。

 でも、その辺はあいまいにしておきたい。

 説明するの面倒じゃん。


「……リュウさんの事はパーティメンバーだけの秘密ですから……」


 ありがとう、シルヴィアさん。

 うん、間違ってないけどニーナさんがこれ以上突っ込んで来たらどうしよう。


「……そうか」


 納得した?

 納得したの!?

 俺は追及を逃れた……ってことでいいのかな。

 いいんだろう、多分。


「ならば、私はこれ以上は聞かないでいよう」


 ほっとする。

 これでスマホの事さえバレなければ逃げ切れるぞ。

 無理に逃げる必要はないんだけどね。

 さて、俺はオレリアさんの手伝いでもするかな?


「さて、話は変わるがリュウ」


「はい?」


「私と共に古代エルフ文明の研究をしないか?」


 うん。それを言われると思ってた。

 オレリアさんと同じパターンだね。


「もうお前の素性は問わない。必要ならばお前の属するパーティごと召し抱えてもいいんだが」


 何か話が大変なことになってやしないか?

 その辺はロレッタ姉さんと相談してください。

 俺に言えるのはそれだけだ。


「俺一人では結論が出ないから……」


 とりあえず今日のところはそれでお茶を濁そう。うん。それがいい。


「うむ。いつでも返答は待っているからな」


 俺が本気でほっと安心した時だった。

 しまっておいたスマホが変な音を立て始めた。


「ん? 何の音だ?」


 俺の覚えてる限り、このギュイギュイとした不安になる音は確か緊急地震速報じゃなかったっけ?

 嘘、おい。何でこの音が鳴るんだよ。


「リュウさん……」


 不安そうに俺を見るシルヴィアさん。

 そんな音が鳴るような物は俺しか持ってないからそうなるよな。

 俺も気になるんだけど、ニーナさんの前ではちょっと確認しづらい。

 多分ヤバいんだろうけどさ。

 俺の躊躇に気付いたのか、シルヴィアさんがニーナさんに声を掛ける。


「あの……私はあちらを確認するので、ニーナ様はこちらをお願いします。リュウさんは向こうの方を……」


 お、これで離れても不自然じゃない状況になった。


「そうだな。手分けして音の元凶を突き止めるか」


 音源は俺だけどね。

 本当に何が原因なのか突き止めないとな。

 と、いうわけで俺は二人と別れて本棚の陰でスマホを見たわけだ。

 そしたら警告の文字と共にモンスター発生の文字。

 ってどっから受信してるのこれ!?

 もしかして、もしかしなくてもあのジジイか?

 モンスター発生ってどこでだよ!

 表示するっていうボタンがあったので押したら、遺跡内のマップが出た。

 図書館のすぐそばみたい。

 のんきに思ってる場合じゃなかった。

 俺はさっさと自動戦闘モードを起動して、スマホをしまう。

 んで、次に目指すのは外だな。

 図書館の扉を開くのとミケ猫の悲鳴が聞こえるのと、同時だった。


「ミケ!?」


 俺が外へ飛び出すと、目の前に巨大な影が落ちてる。

 明かりは色々飛ばして遺跡の街も明るくなってるんだけど、建物以外に影になりそうなものあったっけ?


「リュウ!」


 俺が声のする方を見ると、ミケ猫が土埃に塗れた姿でうずくまってた。

 そして、その前には三つ頭のある獣がいる。

 ケルベロスってああいう奴か?

 ミケ猫はあいつの攻撃よけて転んだんだな、なんて冷静に考えながら、俺はショートソードを抜いた。

 家の大きさぐらいあるあのでかい獣を俺一人でってのは無理だと思うけど、自動戦闘だから何とかなるだろ。

 何て俺が思ってると、手が自然に動いてスマホを取り出していた。

 やっべぇ……俺、魔法も使うモードで自動戦闘にしてたな。


【ファイアボール!】


【アイスストーム!】


【サンダーボルト!】


 俺の指が立て続けに魔法をタップしていく。

 それに合わせて次々と魔法が命中するわけだな。

 俺のゲーム知識で知ってる魔法と、全然知らない魔法とが次々と飛んでいく。

 その割に電池減らないな? いつぞやの防壁魔法の方が電池減ったな。

 ケルベロスが俺を見て飛びかかろうとしてる。

 獣の後ろに、大剣が見えた。

 ロレッタ姉さん! よかった。前衛が来た。

 でも、この大きさの獣じゃロレッタ姉さんでも厳しいかもなぁ。

 飛びかかろうとするケルベロスにけん制の魔法を打って、俺に引きつける。

 大剣を振りかぶった姉さんが吠えて狼女に変身する。

 って、姉さん今回着替え係近くにいないのに!

 ロレッタ姉さんは気合一閃。

 ケルベロスの後ろ足を切断した。


「いやあ、危ない所だったねぇ」


 ものすごい音を立てて倒れたケルベロスを前にロレッタ姉さんが俺だけに言う。

 しかも、獣耳の姿に戻って。

 また全裸だー!?

 俺は慌てて視線を逸らしたわけだが、そうすると図書館外の異変に気づいて飛び出してきたシルヴィアさんとニーナさんの姿があった。

 オレリアさんは異変に気付かないでずっと図書館の中なの?


「……ふ……服を着てください!」


 あわあわしながらシルヴィアさんが言ってる。

 その言葉には俺がものすごく同意するぞ。

 いくら経験を積んでも明るい所で見るのは駄目だ。


「やれやれ。荷物係はどこだい?」


「……中です。リアが来るまでせめて隠してください……」


「アタシは別に見られても構わないよ。ねぇ、リュウ。アタシとリュウの仲じゃないか」


 それはいいんだけど、誰か一人でもいいからミケ猫を気にかけてやってくれ!

 俺は今そっちが身になるけど、ロレッタ姉さんのせいで見れないんだから!

 心の底の叫びは誰にも届かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ