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ヤンキー執事と変態メイド!  作者: ロイ
第2章 お前は……変態メイドかっ!
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2

「……そういや、カノンが探してた男って……」



「幻夜様、その話は私がいずれ自分で話しますので、今はお控えください」



さっきまでは、……をつけて話していた彼女が、スラスラと冷淡に言葉を発した。



「わかってるって。



で、『銀狼』、俺の名前は碧木 幻夜【アオキ ゲンヤ】神山財閥でバイトしてる。



幻夜と呼んでくれて構わない」



「あ、あぁ、俺は夜風 銀、今日高校を卒業したばかりのフリーターだ」



今思えば俺って無職なんだよな……



「……私は、朝比奈 歌音【アサヒナ カノン】……



銀と同じで18歳……神山家のメイドやってる……



……歌音って呼んで……」



「よろしく、歌音」



俺は歌音に頭を下げる。



「ま、それぞれ自己紹介したところだし、色々話さないといけないことがある。



まず1つ目、昨日は悪かったな、お前が神山財閥の社長と知り合いとは知らずに、殴ってしまった」



「お、俺があの神山財閥の社長と知り合い!?」



「あぁ、あの封筒の宛先は社長になっていた。



社長に持っていったところ、了承の言葉をもらった」



まさか……親父が……



「お前、仕事が無いんだろ?


椿様に相談したところ、執事として雇おうということになった」



「俺が執事!?」



おいおい、マジかよ!



今まで主人に仕えたことなんてないぞ!



「……賛成……」



むぎゅっと歌音が抱きついてくる。

やわらかい……って違う違う!



「執事って……俺、なにしたら良いのか全く分かんないぞ!?」



「そんなこと、最初から承知ずみだ。



お前は体力もあるし、基本的な家庭能力はあると聞いている。



執事としての要素は、十分と兼ね備えているはずだ」



幻夜は俺と歌音に目配せをすると言った。



「銀。



執事としての仕事は、カノンに教えてもらえ。



そして、お前は今からここ、神山財閥経営 Gマンション 080号室に、歌音と同棲し、仕事をすることを命じる。



これも椿様に、許可をいただいておいた」



俺がここに住む……歌音とぉっ!?



しかもあの最高級マンション、Gマンションにだと!?


「いやいやいやっ! 常識的にダメでしょ!」



俺は歌音に目を向ける。



「歌音だって俺と同棲するなんて……」



「……私は、銀と同棲したい……」



……マジか。



「歌音も良いと言ってるんだ、あきらめろ」



「でも、いい歳の男女が一緒に暮らすなんて……!」



歌音のような綺麗な女と一緒に暮らしてたら、いつ俺が理性を保てなくなるか、分からない。



「……この部屋に住めないなら、仕事の話は無しだ、お前はホームレスにでもなるんだな」



……それは嫌だ。


「……銀、ホームレスになんてなるのはダメ……」



歌音が後ろに回り込み、抱きついてきた。



歌音は俺よりだいぶ背が低く、豊満な胸は、俺の肩甲骨より少し下辺りに当たる。



しかも何度も胸を押したり、擦ったりしたくる。



……なんだか、突起が出てきてるのも感じ始めた。



言っとくけど俺、上半身裸だからな!?



その突起のコリコリした感じとかダイレクトに伝わってきてるからな!?

「……んん、……うんって言わないと……銀が、裸エプロンの私を襲ったって……警察に通報……」



えぇー……!?



襲ってきたのはそっちだろう。



「くっ! で、でも!」



「……むぅ……」



シュルッ……



むぎゅうっ



「っておぉぉぉぉい!!!」



何やっちゃってんのこの子!?



裸エプロンじゃなくてもう、裸だ!!



完全に、エプロンという最後の防壁も無く、胸が俺の背中に当たってる!!



あ、やっぱりコリコリのは勘違いじゃなく、もう……ってますね。



「……わかった!! わかったから!!



執事でも何でもなるから!!お願いだから、服きてくれぇ!!」



「……やった……」



もう、ここまできたら後には引けねぇ、なるしかないんだよ、執事に。



「ふっ、やっぱり最後は執事になることを決めたな。



じゃ、銀には明日から執事としてしっかり働いてもらうぞ!」



幻夜は近くにあったクローゼットを開けると、黒い服を取り出した。



「これは執事服だ。



着方は歌音に教えてもらえ。



歌音は、有名な代々神山家のメイドを務めている家の者だ、すでに基礎の部分は完璧になっている。



ま、同棲生活と執事生活、しっかり楽しめよ」



そう言って幻夜は、俺に執事服を投げて部屋から出ていった。



俺は安堵のため息をつく。



まぁ、住むところも決まったし、仕事も決まったし、結果オーライかな……






「……銀、これで邪魔物はいなくなったね……」



「……お前は、変態メイドかっ!」







これが、俺と変態メイド、歌音との出会い。



これから、俺の人生は、180°回転することになるのだ。




「とりあえず服をきろぉー!」



俺は急いで寝室に逃げ込むのだった。


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