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ブロロ……
「いやぁ、感動したなぁー」
俺は中心部へと続く道を走りながら、先ほどの卒業式を思い出す。
普通の高校の卒業式だ、特に変わったことも無かった。
変わっているとすれば俺が特効服を着ていたことだけだ。
「まだ拳がジンジンするぜ……」
俺は左手に目を落とす。
俺が昂に引退を告げ、二代目総長の指名をすると昂は俺にタイマンを申し込んできた。
何しろ、俺より強くないと二代目になる資格は無いんだとか。
で、結果は俺が僅差で勝利。
昂も強くなったな……
俺が出会った時はあんなにも弱かったのにな。
弱虫だった昂が強くなってくれて俺は嬉しいぜ。
俺はバイクを運転しながら微笑んだ。
──神山市 中心部
「たしか……この辺だったか?」
俺はバイクのスピードを落とし、『中心部』の中でも中心を位置する街に入っていた。
一度家に帰って服を着替えたので特効服は着ていない。
普通の青年がバイクに乗っているようにしか見えないはずだ。