表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おと偽話  作者: 笑い男
5/6

赤ずきん04



 その時、孤高の狼(僕)に電流走る。

 待てよ……蝶……お花……幼女……おばあさん……。

 ここへ来て、ようやく僕の頭はフル回転を始め、抜けていたパズルのピースが全て当てはまった。

「そうか! 僕がおばあさんになりかわって、合法的に肉を食べればいいじゃないか」

 思わず口に出す。

 作戦はこうだ。

 まず白ずきんちゃんに、近くに綺麗なお花畑があるんだなどといい寄り道をさせる。母親に寄り道をしないよう釘を刺されていた気がするけれどそこは所詮子供である。目の前の誘惑には勝てまい。

 僕はその間におばあさん宅へ向かう。この際、どれだけ早く目的地にたどり着けるかでミッションの成功率が変わってくるので――ダッシュ。さながら走るというよりは飛ぶ。翔ぶ。翔る。そしてそのままフライング土下座。頼み込むのだ。危害は一切加えない。だからどうか一時間だけ僕にあなたの代わりをさせてくださいと。恥の一切を捨て、全身全霊で。しかし、もしそれを断られるようなら狼少年のように嘘で家を離れてもらうという方法もある。

 どうにかして現場からおばあさんを排除。そして僕はおばあさんの代わりにベッドへ潜り込み、おばあさんのふりをし――白ずきんちゃんを騙す。騙しきる。ここが一番厳しいと思われるが……なんとかなるだろう。僕は狼だ。狼の中でも八百の嘘を持つと言われたこの僕に、騙せない相手などいるはずがない。

 ここまでだ。

 これで全部。

 この全ての行程をクリアしたとき、僕は当初の目的である――合法的に幼女から、あーんと言われながらご飯を口に……いやいや、目的をみあやまるな。肉だ。生きるための――糧を手にいれることができる。

 これはあくまでも色欲ではなく、食欲を満たすためのミッションだ。

 自然界の厳しさをもう一度体に刻みこむ――試練なのである。

 そうと決まれば!

「ちょいとそこの白ずきんちゃーん!」

 幼女からご飯を口に運んでもらえる至福の瞬間を想像し、ご満悦だった僕だが。

 それに時間をかけすぎたか――いつの間にか白ずきんちゃんを見失っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ