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使いきったアンラッキー

「あたったよー!!!」


電話の向こうから聞こえてくる綾香の声。

透き通るような声なのに力強さがあって僕は大好きだ。


「ねぇ。聞いてる!?」

「聞いてるよ。何があたったの?」


・・・。


グシャ。

という音と同時に僕の住むマンションの扉に靴跡が残っていた。

そして…。


「忘れたってどーいうことよーーー!!!」


キーーーーンっと響く鼓膜。。


扉を透き通るような声の力強さは僕の鼓膜を叩き割ったんじゃないかと思う。

扉はがたがたと言いながらゆっくりと開きだす。

それはもうさながら黄泉比良坂(よもつひらさか)から恐怖の大王がでてくるんじゃないかというほどの恐怖だった。


「えっと…。何かあたるようなことしました?」

「忘れたの?!」


切れ長な目が直接的な恐怖を与えてくる。

僕はカエルだ。

綺麗なバラには棘があるのだ。


「ゲーム!」

「予約したというあれですか?」

「そうよ!」


瞳に炎がともっている。


「予約したんじゃ?」

「よく調べたら抽選だったのよ!」


「それじゃさすがにわからないんじゃ…。」

「言い訳無用!」


土足でずかずかと入ってくる綾香。

「あたったの!」

「そっそれはすごい!」


「まあ当然よ!あたるかあたらないかの50%の二人共当たる確率でさらに半分の25%なんだから!」

見事なまでに大雑把な計算。

「25%を外す私じゃないわ!」


それで気になって調べてみた。

噂のゲームはとても多くの人が体験したいと願ったようだった。

きっと計算しても二人共あたる確率は1%にも満たないだろう。


「すごいよ!さすが綾香!」

やっと気持ちをこめて驚いてみせれた。


「わかったなら今回は許してあげる。」



「そのうち届くと思うからここのベッドでダイブインしましょう!」

あまり聞き慣れない言葉がでてきたけれどだいたいの意味はわかる。


僕の狭いマンションの中で不釣合いなふわふわおっきいベッド。

ここから二人でゲームの世界へ飛び込もうと約束したのだ。


いつもの二人だけの領域から見たこともない世界へ。



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