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二つ目は海の上(3)

 船の舳先に掴まりながら、アイムは自分の命がもう長くは無いのではないかなどと、考える様になった。

 フラウの言動は、アイムに拒否権と逃亡権を与える事をしなかったので、今にも落ちそうなこの場所で、必死に落ちぬ様に頑張るしか無い状況なのであるが、どうにも船酔いがぶり返して来たらしく、体に力を入れる事ができない。

 こういった状況を助けてくれそうな船員達は、それぞれ忙しいのか、あえて無視しているのか、自分の行動を止めようとはしてくれない。

 ちなみに、手を離し、海原へと落ちて行けば、ドラゴンに船を分解される前に遭難する事は確実に思えた。

「あの、いったいそれで何をすれば。もし殺す気なんだったらそう言って下さい。覚悟を決めますから。」

 はっきりと言って、この様な状態の自分では出来る事なんて無いのである。それを、わざわざ、舳先に追いやるのは、もう自分の命を奪って生贄にでも捧げるくらいつもりとしか思えないアイムであった。

「ハッハッハ。冗談が言えるくらいの余裕は有るみたいだね。」

 冗談のつもりは無かったのだが。

「じゃあ、要件を伝えるよ。あなた、船旅に出てから地霊を一度も見たことが無いって言ってたけど。それは本当かい?」

「ええまあ、そのそれらしい物は一度も。」

 地上では、どの様な場所にでも少なからず存在する地霊であるが、海に出てからは一度も見ていない。そのせいで調子がおかしくなり、船酔いの一因となったのだから、間違いは無い。

「船旅中は部屋に籠る事が多かったんですけど、一応、船からの景色を何度か見ましたよ。でも地霊はいませんでした。」

「その見た景色ってのは海の上の景色だろ。海の中は見たかい?」

「海の中ですか?船から乗り出さなきゃ、そんな所見れませんよ。」

 危険な行動であるし、船酔いもあったので、わざわざ見る事は無かったと思う。まあ、現状はより危険な場所に居る訳なのだが。

「じゃあ、今は見れる訳だね。ちょっと覗いてみな。」

 確かに今は船から乗り出している状況でもある。下を見れば、船の部分より海の部分の方が多いのだ。

「ちょっと怖くて、見たく無いんだけどなー。」

 そうは言っても、現在の状況が良くなる事も無いので、覗いてみる。

 この船はそう大きく無い物であるが、それでも一個人からすれば十分恐怖を覚える高さであり、目を背けたくなったが、それ以上に目に付く物があった。

「あれ、何か光ってる。もしかして、地霊?なんで海の中に地霊が。」

 驚きの発見である。今まで居ないと思っていた地霊があんな場所に隠れていたのだから。地上にいる数より、随分と少ないが確かに地霊である。

「地霊ってのは地面の精霊なんだろ?海だってどこまでも水がある訳じゃあない。その底はしっかり地面が続いているんだから、海を覗けば、地霊が見れる可能性の方が高いさ。」

 そう思うと、海にいるという不安もどこか和らいで行く様な気がする。あくまで気の問題であるが。

「まあ、見えた事は新発見なんですけど、それで状況が変わる様には思えないんですが。」

 この発見は平時であれば、喜んではしゃいでも居ただろうが、今は状況が状況である。

「ところが大きく変わるのさ。あなたはどうして、あのドラゴンが船にぶつかろうとしているかはわかるかい?」

「じゃれてるんでしょ?船を自分の仲間だと思い込んで。」

 それは、先ほどリュンに聞いたことだ。

「そう、つまりドラゴンがぶつかってくるのは悪意の行動じゃあ無いってことさ。」

「それって重要な事なんですか?」

 悪意や善意に関わらず、ぶつかってくるから問題なのでは無いだろうか。

「重要も重要だよ。つまり、ドラゴンはこちらに敵意は無いってこと。なら、こちらがお前とは遊びたくないって意思を見せれば、自然とドラゴンは引いてくれるのよ。」

 なるほど、ドラゴンがああも巨大で人智を超えて居そうな存在だったから忘れていたが、向こうも一生物に過ぎないのだから、そういった話も通じるはずだ。

「じゃあ、石でもぶつけて嫌がらせでもしてみるんですか。」

「小石なら痛くも痒くも感じてくれないだろうし、大岩ならむしろ反撃してくるだろうね。」

 つまり自分の案は不採用という事か。

「この場合、こちらに遊ぶ気が無い事を示す行動は二つ。一つ目は相手が考えている以上の速さで、相手から逃げる事。もしそうなれば、相手はさっさと遠のくこちらを見て、諦めてくれるはずさ。話しかけてくる相手に対してこちらが無視する様な感じさ。」

「でも、そんな事ができれば、そもそもドラゴンに慌てる必要も無いじゃないですか。」

 そもそも、ドラゴンより早く動けないからぶつかりそうになっているのだから。

「そう、だからこの案も没だ。となると最後の一つが、これからする行動になるね。」

 そうなるだろうか。まあ、そうならなかったら、諦めて海の藻屑になる事を心に決める事になるだろう。

「最後の一つ。相手が泳ぐ事が困難な場所へ行く事。相手がこちらを同類だと思っている以上、こちらがそう行動すれば、仲間が自分に追い詰められていると見るだろうね。そうなると、こちらが遊びを嫌がって逃げているという意思を理解してくれるはずさ。」

 確かにそれはいい案だが。

「ドラゴンが泳ぐ事ができない場所って、どうやって探すんですか。そもそも、辺り一面海なのに、泳ぎにくい場所も何も無いじゃないですか。」

「完全に泳げない様な場所じゃなくても良いのよ。あえて、泳ぎ難い場所へ向かおうとしている。それを向こうが理解してくれればいいんだからね。」

「だからその場所がわからないんじゃないんですか。」

 結局、海の底でも覗けない限り、不可能な事なのだ。

「普通はね。でもあなたならそれが出来る。見えるんだろう?海底からの地霊が海の中に。」「あ、そうか。地霊が多い場所は海底が海面に近くなる場所だから・・・。」

「そう、海中を泳ぐドラゴンにとっては、泳ぎ辛い場所という事になる。」

 ドラゴンはただでさえ、大きな体をしているのだから、それが僅かな差だろうと大きく影響を受ける事になるだろう。

「でも、ドラゴンがしっかりと理解してくれますかね。なんか体の大きさからして鈍い様な気もしますけど。」

「大丈夫、あれでドラゴンってのは聡い種族よ。上手い事、理解してくれると思うわ。」

 聡い?なら、そもそも船と自分の仲間を勘違いしないで欲しい。


 説明が済んだ後は、ずっと舳先に掴まりながら海を見ている。少しでも地霊が多い場所をフラウに伝えるためだ。自分がその方向を示すと、フラウはさらにそれを船員に伝える。どの様に伝えたかは分からないが、どうにも船員達は素直にそれを聞いているらしく、船は自分の言った方向に進みだすのである。

「どういう風に話したら、この非常時に船員が言う事を聞いてくれるんですか?」

 舳先に掴まるのも慣れてきたのか、世間話をする余裕も出てきた。他人が見たら、随分と可笑しな恰好をしている様に見えるだろうが、これでも命がけの状態なので、結構な進歩では無いかと思う。

「少しこの船の船長にはコネがあってね。だいたいは言う事を信用してくれるのさ。あんたの能力に関してはちゃんと隠しているから安心しな。」

 つまり理由も話さず、自分の言う事を聞かせていると言う事だ。いったいどの様なコネなのだろうか。

「そう言えば、ドラゴンはどうなってます?こっちからじゃあ、良く見えなくて。ここまでしといて、何も効果が出てなかったら、泣きますよ。それも酷く見っとも無く。」

「やめて置きなさい、そこじゃあ危ないわよ。それと、効果についてはちゃんと出ているみたいね。ドラゴンは少しずつ離れているわ。でも、まだドラゴンもこちらの意思を量りかねている状況みたいだから、もう少し続けてもらう必要はあるけど。」

 それなら安心だが。本当に通じているのだろうか、ドラゴンが勢いをつけるために距離を付けているだけでは無いのか。そんな不安が頭の中で渦巻いている。

「意思を量りかねているって、ドラゴンもそこらをなんとか敏感に感じ取ってくれないもんですかね。」

 ドラゴンとはもっと知恵を持った種族だと思っていたが、今回の件で船を仲間だと勘違いするような鈍感生物に格下げする必要があるかもしれない。

「さて、船がもっと迅速に動いてくれれば、理解も早いんでしょうけど、ドラゴンに比べれば鈍足だからね、向こうは逃げるにしては随分と鈍いとでも思ってるんじゃないかしら。」

 という事は、向こうは向こうでこちらを鈍感な生き物だな。とでも思っているのだろうか。

「考える事はお互いそう違わないようなのに、こっちばかりが命を賭けるなんて不公平な気もしますけど・・・。あ、フラウさんあっちの方がなんだか地霊が多い様な気がします。」

 地霊がどことなく多そうになっている、海の方向を指差す。自分では方角自体が良くわからない状況なのでこうするしか無いのだ。

「あっちだね、わかったわ、船員に知らせてくる。」

 フラウは返答すると、船員達に次に向かう方向を伝えに行く。ある程度、結果を出している現状があるので、よりスムーズにこちらの指示は伝達されていく事だろう。

「そういえば、フラウが居ない状態じゃあ、こうやって舳先に掴まる必要も無いよね。なんか腕が疲れてきたし、ちょっと降りよう。」

 慣れてきたといっても、一歩間違えば海の底である。ドラゴンの脅威が少しばかりであるが、治まってきた現状では、ここに居る方が危険だろう。

「ふう、こうやって甲板と言えども、地に足付けてる状態というのは素晴らしいものだね。」

 舳先から甲板に移り、体を伸ばす。ずっと同じ体勢で緊張を維持し続けたから、体が固まっていたからだ。

「船にも慣れてきたかもしれないぞ。船酔いもそんなに感じなくなってるし。」

 舳先に掴まるという豪快な行動を取っておきながら、気分はそんなに悪くない。地霊が海からでも見れるという安心感と、突然襲ってきた危機とがなんらかの反応をして、体が船酔いをしなくなったのかもしれない。

「これでドラゴンが去ってくれれば万々歳なんだけど・・・。あれ?」

 アイムの視線の先には先ほど、船員に進行方向を伝えに行ったフラウが、何故かこちらに走りながら向かってきていた。

「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい。別にサボっていた訳じゃあ無いですよ。ただ、なんだかあの姿勢を維持するのにも体力がいるというか、これからのために一時休息してただけというか。」

 しどろもどろになり、言い訳に成ってない様な言い訳をフラウに話しながら、アイムは喋る。

「何言ってんだい!大変だよ、ドラゴンが急に船から離れだした!」

 どうにも、自分を叱りに来た訳では無さそうである。

「離れたんならいいじゃないですか。接近してきたなら問題ですけど。」

 要は自分達の努力が実を結んだと言う事では無いか。

「だからって急過ぎる。こりゃあ、あいつ何かするつもりだよ。念のため船のどこかに掴まりなさい。」

 そう危機感は感じていないのだが、フラウの様子がどうにも鬼気迫る物であったので、つい船に掴まる。

 そして、それと同時に船が突然揺れだしたのである。

「な、な、な、なんですか、これ!揺れてますよ。海の上なのに!」

「ドラゴンが激しく海中で泳いでいるのさ。本気で動けば、これくらい海が揺れるのがドラゴンなのよ。」

 そう話す間も、船の振動は続く。むしろ激しくなっている様に思える。これでは、ドラゴンにぶつかる前に船が分解してしまいそうだ。

「どんどん激しくなってる。いったいドラゴンは何を・・・。」

 そう言った瞬間、海が爆発した。いや、爆発したのでは無く、海から何か巨大な物が跳び出したのだ。

「あれが、ドラゴン?」

 まさしくそれはドラゴンだった。魚の様な姿をした、それでいて鱗が無く、まるで海を支配するために生まれたような、余りにも巨大なそれは、確かにドラゴンだったのだ。

 ドラゴンは船の上を移動する。海から跳ね出たドラゴンは、船の上を通る様に弧を描きながら、海から海へと飛んだのだ。

 それはかなりの速さで、一瞬の事だったのだろうが、ドラゴンの巨大さとその衝撃からどこかゆっくりと飛行している様にも見えた。

「急いで伏せて、何かに掴まれ!」

 その言葉はフラウが言ったのか、それとも他の船員が言ったのか、良くわからない程の絶叫で、確かにアイムの耳に届く。

 考える間も無く、船が今まで以上に激しく、まるで縦も横も無い様に揺れる。ドラゴンが海に着水したのだ。

 アイムは振動で船に叩き付けられるが、これ以上、翻弄されてはたまらないと、叩き付けられた甲板に爪まで立て、必死に掴まる。

 ドラゴンの着水と同時に上がった水柱が雨の様にアイムの体に降り注ぐ。その勢いに目も開ける事ができなくなる。

 そのせいか、振動が止み、水柱が無くなった後も、自分が本当に無事なのかがわからない状態になってしまった。

 恐る恐る目を開けると、そこには水に濡れた甲板と、自分と同じような姿勢のフラウが映った。

 なんとか、自分も船も無事の様だった。

「そうだ、ドラゴンは!」

 急いでドラゴンが着水した場所を見るも、そこにはドラゴンの姿は存在しなかった。

「どうもドラゴンはこっちが自分の仲間じゃないって分かってくれたみたいだね。」

 甲板から起き上がったフラウが、びしょ濡れの服を気にする様に見ながら、こちらに話しかけてきた。

「分かってくれたって、それにしては随分と荒っぽい行動ですけど。」

 なにより、船が壊れかねない程の行動を起こされては元も子も無い。

「それでも、海からドラゴンは見えなくなっただろう?もう、船にぶつかる気も無くなったってことよ。最後のアレは、多分ドラゴンなりの謝罪なんじゃないかしら。」

 それは、なんとも豪快な謝罪も有ったものだ。あまりにも激しく強大なそれに自分も船も翻弄されるだけだったのだから。

 アイムは今なら、ドラゴンと自分とは棲む世界が違うという事を理解できそうな気がした。


 ドラゴンはそれっきり姿を現す事は無く。遭遇の日から一日が過ぎて、海に大陸が見え出すと、ようやく安心する事ができた。

 ドラゴンがあの様な行動を取った原因となるかもしれないアイムであるが、むしろ船員達から感謝される結果となった。そもそも、ぶつかろうとする、ドラゴンを回避させるための行動であり、結果としては船を無事、港に到着させる事ができる様になったからだ。 

と言っても、ランドファーマーの能力をバラす事は出来なかったので、感謝の言葉は指示を出したフラウに集中していた。アイムに対してはそれの補助をしていた程度に認識されているはずだ。

 アイム自身に不満は無かった。というより、それを感じる様な心情では無いという方が正しい。

 アイムは遭遇からずっと海を見ている。船酔いが治ったという事もあるが、それ以上に、あの衝撃からまるで夢が醒めないかの様に、海に惹かれ続けている。

「あのドラゴンを何とかしてしまうなんて、大したものだな。」

 海を見るアイムの背後から、誰から話しかけてくる。この声はリュンだ。

「大したものって、ドラゴンをなんとかした訳じゃないのに、それは言い過ぎですよ。」

 あの強大な力の前では、自分の行動はとてもちっぽけな物だったのだと考えてしまう。

「それでも、船をドラゴンから守る事が出来たんだ。十分な結果だろ。」

「そうですね、そうかもしれません。」

 フラウからも似た様な事を言われたが、嬉しいと感じる事が出来ない。

「どうにも悩んでいるらしいな。いや、悩んでいるというのも違うか。」

「はい、なんだかあのドラゴンの姿が頭の中から離れないんですよ。」

 確かにドラゴンの力は強大で、あまりにも自分達とは棲む世界が違うものである。それを理解した今、ドラゴンを恐れる様になると思っていたのだが。

「なんか、凄いって思っちゃって。あの姿をもう一度見たいなんて考えている自分が居て。」

 もちろん、その度に命を賭けるなんて真っ平なのだが。

「あー。そうだな、自分より何もかもが強い存在と出会うと、そんな風に感じる奴もいるんだよ。多分、お前もそれだ。」

 船はどんどん大陸に近づいていく。そろそろ、港が見えてくる頃からもしれない。

「そうなんですか?じゃあ、何か解決法とかもあったりしますか?」

 もうここまで陸に近づくと、あのドラゴンに遭う可能性は暫く無いだろう。

「無いよ。それは憧れに近いからな。でも、暫くすれば薄れていく感情でもある。」

 もしかしたら、二度とあのドラゴンとは遭わないかもしれない。むしろ、そちらの可能性が高い。

「そんなものですか。なんか、もっと心の中がモヤモヤする様になったんですけど。」

「仕方の無い奴だな。じゃあ、あのドラゴンに関する事でも教えてやろうか。相手の事を良く知れば、憧れが消える事もあるしな。」

 少し興味が沸く。

「でも、消えますかね。どれだけ聞かされても、あの巨体は忘れられないというか。」

 あれでもまだ、子供だと言うのだから、その驚きは一層強くなるというものだ。

「ああ、消える、消える。その事って言うのはな、あのドラゴンの名前の事だよ。海のドラゴンじゃなくて、ちゃんと船乗りが呼ぶ名前があるんだ。」

「名前って、例えば間抜けな名前だからドラゴンに対する憧れも消えるとか?」

「その通り、結構、本当に間の抜けた名前だぞ?なんと言ってもな、船乗りはあの海のドラゴンを“クジラ”なんて呼ぶんだからな。」

「クジラ?クジラですか?それはなんとも。」

 個人的にだが、確かに間の抜けた名前である。船乗りもどうしてそんな名前を付けたのやら。

「どうだ?少しは憧れも無くなったか?言っとくが、この程度で気が抜けられたら困るんだからな。これから旅を続けるんだ、衝撃的な出来事なんてのは何度も遭遇するんだぞ。」

「そうですね、でも、気が抜けた訳じゃあ無いんですよ。ただ、なんだか心の奥の方でワクワクするんです。もし、これからこんな体験を何度もするんであれば、それは、凄く面白い事なんじゃあないかななんて、そう思ってるんです。」

 確かにそれは危険で命がけの事かもしれないが、自分はそれを望んで旅に出た筈だ。気を抜くなどと言う勿体の無い事なんて、している暇も無いのである。

 アイムは海を見る。クジラに遭った事以外は順調な航海であったはずだが、なかなかに楽しい物であった。これから、もっと旅が波乱万丈になって行くのであれば、それはさらに楽しくなって行くという事だろう。

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