第二話 僕の体のプレゼンテーション
初めまして、城塚健司と申します。
こんな姿をしていますが、僕は人間です。戸籍もありますし、身分証明書も持っています。
少し前までは、どこにでもいる普通の男子高校生でした。まずは、こんな体になってしまった経緯から説明させていただきます。
二年前、僕はいつも通りに自転車で学校へ向かっていました。ほんの数秒のよそ見をしていた瞬間の出来事でした。巨大なトラックと正面衝突し、僕はぶっ飛ばされました。全身がぐちゃぐちゃに潰れて、気を失いました。運がよかったのは、そこが病院のすぐそこだったということです。僕はすぐに病院に運び込まれ、治療を受けました。しかし、全身の損傷が激しく、修復は不可能とのことでした。
ただし、僕はヘルメットをかぶっていました。通学用の半球型の頭部のみを守るタイプのものです。このヘルメットのおかげで脳だけは大事に至らずに済みました。僕の脳は生命維持装置に移されて一命をとりとめることができました。
その後、僕の両親は我が家の全財産をはたいてこの体を購入してくれました。旧式の人型ロボットです。我が家はどちらかというと貧しい方の家庭でした。金属のボディは現代では少々目立ちますが、手足も口も耳も無い僕に二足歩行も対話も可能な体を用意してくれたことは感謝しかありません。
感謝しかありません・・・しかし、やはり僕は、人間の体に戻りたいです。
もちろんこの体にはいい所がたくさんあります。
自動車程度の速さで走れますし、お米なら軽く10袋は持てます。精密で繊細な動作も得意です。機械の製造や修理など専門的なスキルもいくつかインストールされています。
暑さ、寒さも全く気にならないし、肩こりや筋肉痛もない、虫刺されやニキビの心配も不要です。
しかしこの体では、飲食を楽しむことができません。何でもできるため、友達とスポーツもゲームも楽しむことができません。いわゆるチート扱いされてしまいます。そして・・・僕には・・・好きな人がいました。
こんな体では・・・恋愛も・・・できません。
あぁ、すいません。この体の良い所をアピールしに来たんでした。
つまり、この体は能力的には人間のそれを大きく上回っています。見た目の問題も樹脂部品か、生体部品の購入ができればある程度解決できます。生体部品は維持費が高いので僕には手が出せませんが。
最後に、こんな体の僕と会ってみようと思ってくれて本当にありがとうございました。
ちゃんとプレゼンできたかわかりませんが、良いことも悪いことも包み隠さず正直に話せたと思います。
次は、あなたについて、教えてください。




