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悪役令嬢?当て馬?モブ?  作者: ブラックベリィ
38/55

0037★自分達で作った、初めてのご飯は?


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。




 めでたく野菜と肉がゴロゴロ入った具沢山スープと、ステーキが出来ました。

 あとは、硬いパンと果物を沿えただけです。


 こっちの世界のパンて、王侯貴族でも硬いパンなんだよねぇ……はぁ~…

 本当に、ラノベあるあるのパンなんだよね


 それでも、王侯貴族になると良質な小麦を使って作られるから、まだマシだけど

 一般市民のパンは硬くて黒くて酸っぱいんだよねぇ………


 『夢の翼』の4人に連れて行ってもらった食堂で出された、かったいパン

 食べるの大変だったけど………お腹空いてたから………頑張って食べたけど


 はぁ~……やっぱり、自助努力するしかないんでしょうかねぇ

 ラノベでも、大概のメシマズ世界に落ちた主人公が、努力して作ってたし


 「ルリは元の姿に戻って食べる?」


 本来の姿の方が、いっぱい食べれるんじゃないかな?

 そんな私の気持ちに気付いたのが、ニヤッと笑って首を振る。


 「いや、あの姿だと、味わって食べれないからね……人化したこの姿で食べるよ」


 「うん…わかった……それじゃ、よそって食べようか?」


 と言えば、ルリが言う。


 「アタシが配膳するよ……リアは座ってな…ああグレンは手伝ってくれ……ユナはリアの側に座りな」


 と、グレンに指示を出して、大きなナベから具沢山のスープを木の器へと入れて、リナとユナへと運ぶコトを命令する。


 グレンも文句ひとつ言わずに、リナとユナの具沢山スープを運ぶ。


 うふふふ………うん…湯気の上がっているスープが美味しそうだわぁ

 お野菜もお肉もたぁ~っぷり入っているし………


 ふふふふ……リアってば、アクもちゃんと取ってくれたんだ

 っと、お肉は…私が焼いた方が良いのかしら?


 そのコトに気付いた時には、ルリがジュウジュウという音を立てて、もう焼いていた。


 さっき、味見で1枚焼いた時に、ジィーと見ていたと思ったら………

 焼いてくれる気だったんだ


 真っ青なすりおろした果実に浸けた肉を、お試しで味付けして焼いた時に、ルリは尻尾を優雅に揺らしながら、ご機嫌で味見を堪能していた。


 その味を自分でも、できるようになりたいと言って来たので、ちゃんと言葉でも説明したのだ。


 はぁ~…本当に、ルリにしろユナにしろ、学習能力が高いわぁ………

 グレンは、きっと良いところのお坊ちゃま……貴族だと思ったんだけどなぁ?


 それも高位貴族……下手したら、王族に連なる者だって感じたのに………

 結構、大雑把で、色々とできるのよねぇ~……勘違いだったのかなぁ?


 いや、あれだけ容姿が優れているってことは、最低でも高位貴族だよね

 それであれだけ、色々とできるってコトは、不遇の位置にいるってコトよね


 予想される立ち位置は、高位貴族だったら……次男三男……

 じゃなきゃ妾っ子かなぁ?


 そうでなければ、政略結婚で生まれた正妻の子だけど、父親が興味なしの

 愛人に、子供がいて、父親はそっちを可愛っているってパターンだよね


 顧みられない正妻は、夫の気を引けない子供に八つ当たりなんて

 露骨にあるあるパターンだしねぇ………はぁ~…


 これが、どこぞの王家のっていう不遇あるあるパターンだったら…たら………

 あの俺様っぷりと、めっちゃ容姿端麗のイッケメンっぷり考えると


 ああ……ますます………攻略キャラの可能性が濃厚になって来ているわ

 でも、グレンは私の奴隷だもんね………誰にも、あげないもん


 どんな乙女ゲームの攻略キャラか知りませんが、グレンは売約済みです

 せっかく手に入れた相手だもん……それに、グレンは優しいし………


 奴隷の立場だからとか……あの様子をみると、あまり気にしなさそうだから

 たぶん、気遣って、なんにも聞いて来ないんだろうなぁ……


 なんて、思っている間に、コトコトとステーキが置かれましたよ

 おお~……真ん中の大皿に、焼いたの何枚も重ねてあるね


 浸けた肉、全部焼いたのかなぁ?

 まぁ……ルリ達はガッツリと食べるだろうから、冷めるまえに食べきれるかな?


 「うん…それじゃみんなで食べようね……奴隷だとか従魔ってのはナシね」


 と、先に言ったセシリアに、一応、奴隷として控える予定だったグレンが困った顔をして、ルリとユナを見る。


 「リアお姉ちゃんがそう言うんだから良いんじゃない……ねっグレンお兄ちゃん」


 ユナの言葉に、ルリも椅子代わりの木箱に座って頷く。


 「そうだね……リアはかたっ苦しいのイヤみたいだからね……それに温かいうちのが美味しいよ……グレンも気にすんじゃないよ……リアが困るからね」


 そう言われてしまえば、グレンも素直に用意された木箱に座る。


 「ああ…そんじゃ…そうさせてもらうわ」


 割り切ったらしいグレンを確認し、セシリアはクスッと微笑ってから言う。


 「座ったところごめんねぇ…ルリ、もうひとり分用意してくれるかな?」


 「ああ…良いけど、もうひとり分ってのは誰の分なんだい?」


 不思議そうにしながら、木皿に焼き立てのステーキを3枚ほど斜めに重ねて乗せたモノを用意する。


 スープも、少し大きめな器に、たっぷりの肉と野菜を入れたモノを用意す。

 それに、硬いパンと木のカップに入れた、ブドウ酒も用意する。


 うふふふ………ルリも何か感じるモノがあったのね

 ぶどう酒まで、ちゃんと用意してくれたのね


 「ありがとう、ルリ……それじゃ、ちょつとお祈りしちゃうね……なんならみんな先に食べてて良いからね」


 そう言って、木のお盆に乗った料理を受け取って、ちょっと離れた場所に向かう。

 そこには、さっき用意した台座があったりする。 


 セシリアは、そこに料理を乗せて、その前に跪き、両手をあわせて、こころの中で祈り、感謝の気持ちを込めて捧げる。


 慈悲深き…始祖神様……

 刻と空間を司りし…時空神様


 今日の安全をありがとうございます


 このようなモノしかございませんが

 よろしかったらお召し上がりください


 こころの中で時空神様に祈りを終えたセシリアは、そのまま自分の席に戻って、ご飯を食べ始めるのだった。


 なお、みんなが食べ終わり、使った食器を片付ける時には、中身が綺麗さっぱりと無くなっていたのだが、今の時点ではだれも知らないコトだった。



 



続きが気になっていただけたら、ぜひブックマークや評価をしていただけると励みになります。

よろしくお願いします。


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