0032★野営の場所に到着したようです
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
「………ちゃん……リアお姉ちゃん……起きて……」
ん?…ユナの言葉に…ふわぁ~と意識が浮かび上がる感じが………
って……やだ…私ってば…あの後…もしかしなくても寝ちゃったの?
あははは………ガタゴトと揺れる振動と、腕の中の温かさで眠りに落ちていたみたい
なんか、前世で電車で通勤していた時のコト思い出すわねぇ……
乗り心地は、今現在乗っている馬車よりも、前世の電車のが断然よかったけどね
基本的に、冷暖房も完備されていて………じゃないわね、今は
取り敢えず、ユナが起こすってことは、何かあったのかな?
まぁ…ルリが警戒してないから、危険なコトではなさそうね
何時の間にか横になって寝ていたことに気付き、セシリアはゆっくりと身体を起こして、ユナに声をかける。
「……んぅ……寝ちゃったみたいね……で、何かあったユナ?」
目を覚まして、上半身を起こしたセシリアに、温かいお茶を差し出しながら言う。
「うん…今日はどの辺で馬車を停めて野営するのって?」
そう言われて、小さな嵌め込みの窓へと視線を向ける。
この馬車の窓って、小さいうえに嵌め殺しなんだよねぇ
移動中の防衛面で、安全優先に造られたモノだからだっけ
いやいや…今は…今日の野営の場所ねぇ…確かに陽が落ちてきているわね
夜間の移動は危険なはずだから、早急に決めないとねぇ…って…あれ?ルリは?
「ユナ…ルリは?」
「ルリお姉ちゃんは、グレンお兄ちゃんのところ……」
そんなところに、2人が戻って来る。
「一応、野営できそうな場所に馬車は停めたぞ」
グレンの言葉に頷き、ルリへと視線を向ける。
「ありがとう、グレン…それで、ルリ…何かあったの?」
「ああ…良さそうな魔物が出たから、ちょっとひと狩りしただけだよ」
「今、それもある程度さばいたぞ……ちゃんと血抜きもしたからな」
うわぁ~嬉しいかもぉ…干し肉とか干した果物だけはキツイもん
確か、その辺に種類は少ないけど、香辛料があったはずだし
「それじゃ…ちょっと結界と隠蔽をかけて、お外で料理しようか……」
「助かる、あまり料理は得意じゃないんでな」
「ああ、アタシもムリだよ…魔獣だから…基本生食いだからね……でも、調理されたのは美味しいよねぇ……」
「ユナも、お肉はお料理されたのが好き……」
と、三者三様の言葉に、セシリアはクスクスと笑って、立ち上がる。
同時に、もも付近に縋って丸まっていたレオが転がる。
「それじゃ……」
「……んにゃ……あれ?……えっ…リア…ママぁ……どうしたの?」
という可愛い声が、セシリアを眠気まなこで見上げながらの、レオの口から零れ落ちる。
えっ?えぇぇ?…レオが喋っている?……魔獣の姿のままでも喋れるんだ
そう言えば、ルリがレオを観察してて、この子は未熟児だって言ってたっけ
いやて、それはさておき……今…レオは、私ことをママって言ったの?
レオからしたら……私ってママ認定なんだぁ……えへへへへ
ちょっと…いや、かなり嬉しいんですけど
未熟児だから…母親に捨てられた可能性もあるしね
将来は、ルリの子供達と番になって側に居てくれる可能性高いしね
いいよね、私の子として可愛がっても……うふふふ…レオは私の子よぉ~……
そのコトに思い至ったセシリアは、びっくりしたコトを根性で隠して、優しい声でレオに話しかける。
「起きたのね…レオ…ゴメンねぇ…急に立ち上がったから転がっちゃったのよ」
そう言いながら、セシリアはレオをその腕に抱き上げる。
「ふふふふ……お喋りできるようになったね、レオ」
言われて、レオ自身もびっくりする。
「うにゃ…あっ……ちゃんと…喋れる……ぼく…お喋りできるんだ」
と言って、リアに抱き付いてポロポロと涙を零す。
あっ……なんとなくだけど…わかっちゃった気がする
ルリが、レオを見て直ぐに未熟児だって判断したし………
胎内での成長が足りなくて、喋れなかったんだね
だとすると…もしかしなくても……母親に捨てられたかな?
レオは、その時のコト…微かにでも覚えているのかもしれない
複数の子を産んだ母親なら……か弱い子だけの面倒をみるコトはできない
どちらかというと、欠陥のある子として拒否したのかもしれない
前世でも、普通に、犬猫や野鳥でも、そういうコトはあったし
「そうね…レオはちょっと口が遅い子だったのね…でも、もう大丈夫でしょ……」
そう言いながら、黙っているルリに視線を送れば、ルリもたぶんそうだという風に頷く。
グレンもちょっと不憫そうな瞳をしてから、気付いていないふりをする。
そんな中、機転のきくユナが、料理必要そうなモノをいくつもある箱の中から探し出す。
調理道具に、生の根菜や調味料をゴソゴソと出して並べる。
「リアお姉ちゃん、この辺で良いかなぁ?」
その声に、微妙になっていた雰囲気が一陣のさわやかな風に押し流されるかのように消える。
セシリアは、用意されたモノを見て頷く。
「さすがね、ユナ……ばっちりよ」
「んじゃ、そこにあるのは、こっちの空箱に入れて運ぶから、リアはレオを抱いて先に行って、結界と隠蔽を頼む」
そう言って、ユナが必要と判断して出した一式を手早く空の箱へと入れ始める。
「ああ、ルリとユナはリアに付いててくれるか……あと、肉を確認してくれ」
振り返ってそう言うに、ルリが頷く。
「あいよ…リアは狙われやすそうだからね……ほら、リア行こう……なんなら、尻尾で支えてやるよ」
そう言って、ルリがクルクルリンっとセシリアを身体を長い尻尾で包む。
ちょっと筋肉疲労を起こして、よろ付いているセシリアは、苦笑いをしつつ歩き始める。
勿論、さといユナはささっと先に行き、周囲が安全か確認していた。
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