0023★狐獣人の子供の名前は、ユナちゃんでした
作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。
設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。
感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)
主人公は、かなりマイペースです。
生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。
うつむいていた狐獣人の子供は顔をあげて、セシリアを見上げながら言う。
「……ユナ……」
あらあら……お顔も可愛い子だったわぁ~…ふふふふ…綺麗で可愛い子
そっか…ユナって言う名前なのねぇ……
じゃない、ちゃんと反応してあげなきゃ
「そう、ユナっていうの………改めて、私はリアよ……まずは座ろうか」
セシリアの自己紹介にコクッと頷くユナを見て、ちょっとホッとしながら座る。
ユナもセシリアに合わせて、ちょこんと座る。
もふもふの尻尾がふわりと視界をよぎり、セシリアは、ついつい視線を向けてしまう。
うふふふ………もふもふのお尻尾、慣れたら触らせてもらえないかなぁ………
じゃない………コミニケーションよ……はぁ~…小さな女の子なら大丈夫、きっと
「えーとね……ユナは…その…攫われたのかな?……それとも…その…売られたの?」
両親に売られたの?っては、流石に聞けないわぁ……
でも、私の今世の両親ってどうしようもない人達だから………
いや、亡くなった生みの母は別よ
父親と継母のは………やめよう…アレらは親じゃないわ
セシリアの言葉に、ユナは肩を震わせながら涙を零す。
「………たぶん………攫われたんだと思います……」
「えーと…たぶんって?」
「気が付いたら、檻の中に居たの……その前の記憶…無いから…たぶん…」
はぁ~…そういうコトね………記憶が無いのかぁ………
その原因は、色々と考えられるわね
記憶が無ければ、帰巣本能とかが消えるってコトかな?
親兄弟とか、住んでいた場所に対する執着を無くす為の処置かしら?
そうすれば、飼い主に従うしか無くなるっていうことかな?
ああ…誰にも聞けないってつらいわぁ……じゃないわ、私
「そうなのね……それじゃ、やりたいコトとか欲しいモノとか、何かあるかな?」
セシリアの言葉に、ユナは愛らしく小首を傾げて言う。
「お腹いっぱい食べ物を食べたい……あと、ナデナデして欲しい……マスターの…手…暖かい…から………」
最初に自分を撫でた手の優しさを思い出して、ユナはちょっとうつむきながらそう言う。
「うふふふ………いいわよぉ~…と言っても、ご飯は買い込んだモノしかないけどね」
そう言いながら、セシリアはソッと手を伸ばして、その頭をゆっくりと撫でる。
「このナデナデは、むしろ…私へのご褒美だわ……ユナの髪の毛も銀色なのねぇ……」
セシリアの言葉に、ユナは顔をあげて言う。
「…えっと……マスターの……髪も銀色なの?」
そう問われて、セシリアは自分がフード付きマントのフードを被ったままだったコトにやっと気付く。
やだぁ~……もしかして、ずっとフード被ったままだったわ
って、あのまだ名前の無い『ダンジョン』からこっち、ずっと被ってたままだったわ
あれ?もしかして『夢の翼』の4人にも、ほとんど顔も見せていなかった?
うわぁ~……気付いて無かった私って………いや、でもそれで良いのよね
行きずりにちょっと関わっただけの私の事情に巻き込まなく済むから………
そうでも、思わないとやってられないわ………それより、今よ
「ああ…ごめんねぇ……フードを被ったままだったわ……」
そう言いながら、セシリアはフードを背中に降ろして青灰色を帯びた銀髪を見せる。
「ほら、良く似た色でしょ……それと、マスターじゃなくて……リナって呼んでくれるかな?……建前上は奴隷かもしれないけど……ユナは私の家族よ」
自分と同じ色合いの髪を見ながら、ユナはセシリアの言葉を噛み締める。
「家族?……ユナの家族?」
少し憧憬のようなモノを滲ませて呟くユナに、セシリアは大きく頷いて言う。
「そう、ユナはもう私の家族よ…リナって呼びづらいなら、お姉ちゃんでも良いわよ」
クスクスと優しく微笑って言うセシリアに、ずっと記憶が無いコトで不安を抱えていたユナは抱き付いて頭を無意識グリグリとすりつける。
そんなユナを抱きとめ、セシリアは優しくその頭や背中を撫でてやる。
うふふふ……これは、ご褒美だわ…頑張ったご褒美
思い付きだったけど、ユナを買い取れて良かったわぁ~…はぁ~…癒しだわ
ちなみに、ユナの内心は、中身猫型の魔獣のグレンが、セシリアに抱き付いて顔を舐めるのを見ていて、とても羨ましかったので、機会があれば自分も抱き付きたかったので、嬉しくてしかたがなかったりする。
その心情を表すように、ふっさふっさのもふもふ尻尾をパフパフとご機嫌で振っていたりする。
勿論、ユナはセシリアが顔を舐めるのは嫌がったコトを覚えていたので、頭グリグリだけをしていたのだ。
しばらく、セシリアに懐き、撫でられるコトに満足したユナは、ハッとする。
が、ユナの変化に気付いたセシリアは、優しく言葉をかける。
「ふふふふ……甘えん坊なユナちゃんは、少しは落ち着いたかなぁ?」
そう言われて、ユナはちょっと頬を染める。
うふふふ……可愛いわぁ……美少女の恥じらいの入った表情って
じゃなくて、記憶が無いなら年齢もわからないかな?
見た目てきには、7つ前後かしら?いや、もう少し上かな?
獣人の成長ってものが、わからないから困るわねぇ
マンガや小説でも、極端に成長が早い種族と、ゆっくりな種族に別れるから
寿命も、短命種と長命種にわかれるし………取り敢えず、それは棚上げね
「あのねユナ…一緒に考えてくれるかなぁ?」
セシリアの言葉に、ユナは小首を傾げる。
「何を考えるの?」
愛らしい姿にこころ癒されながら、セシリアは自分とユナの分の干し肉と干し果物を、それぞれの木皿に乗せて出しながら言う。
「取り敢えず、干し肉と干し果物を食べながら、一緒に考えて欲しいコトがあるのよ」
ひとりで考えたって思考に行き詰まるだけだもの………
それに、子供り思考って意外と侮れないモノがあるのよねぇ
「うん……その…リアお姉ちゃん…食べていいの?」
ちょっとモジモジしながらの『リアお姉ちゃん』に、セシリアは内心で悶絶する。
はぁ~…本当に、ユナってば可愛いわぁ……じゃない……
今は、当面の問題を一緒に考えてもらわないと………
「うん……食べて良いのよ……ごめんねぇ……こんなモノしかないのよ」
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