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悪役令嬢?当て馬?モブ?  作者: ブラックベリィ
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0019★猫型の魔獣を見付けました

ここしばらく、就職の為にバタバタしていた為、更新できませんでした。

なんとか、近所のスーパーにパートで入れたので、ぼちぼちですが更新していきたいと思います。



 檻に入ったままの譲渡に、全員が困惑する。


 えぇーとー……檻はいらないんだけどなぁ……はぁ~………

 取り敢えず、檻の中から出してあげないとねぇ…………

 うふふぅ~………もふもふっ子ゲットだぁ~……可愛いぃぃ~……… 


 「デュバイン……鍵…開けてぇ………」


 セシリアの言葉に、デュバインも、もう何も言うまいという決意と共に、魔獣が入っている檻の鍵を開ける。


 「あと、これな……従魔の所有証明書と魔道具の腕輪」


 手渡された腕輪を付ける前に、檻から解放された猫型の魔獣はセシリアの腕の中にちゃっかりとおさまっていた。


 その姿は、まるで、私は最初からセシリアの飼い猫ですとでもいうような姿だった。


 セシリアは、抱っこしながら近場の厳つく傷だらけの顔の男に声をかけた。


 「おじさん……この子に……似た……大きな魔獣……ガリガリの子…しらない?」


 たった今、買ったばかりの魔獣を抱っこして言うセシリアに、少し警戒を見せつつ答える。


 「ああ……それなら…1週間ぐらい前から………ここの奥で…瀕死のなら売ってるぞ」


 そう言い放ってから…首を振って更に言う。


 「まだ生きているかは知らねぇーけどな………ありゃーダメだと思うぞ………」


 首を振ってそう言う傷だらけの男に、セシリアはコテンと首を傾げる。


 「ダメってぇ………?………なぁーにがダメなのぉ?………」


 「ありゃー懐かないタイプだろうな……まったく…餌くわねぇ………って言ってたぞ」


 「えっ………ご飯食べないの?」


 「ああ、命令を聞くようにって、しばらく餌抜きした後に、新鮮な生餌与えたのに見向きもしなかったってよ………拒食ってヤツだな」


 はぁ~と溜め息を吐く厳つい顔の男の言葉に、セシリアは内心で同情する。


 そりゃ~……新鮮な生餌………食べたいなんて思わないだろうねぇ………

 中身が違うんだもん……私が同じ立場でも、断固拒否だよね………


 「そうなんだぁ…助言ありがとう……あっ…この檻もらってくれる?いらないからさ」


 そう言って、デュバインの手から檻の鍵を受け取って、厳つい顔の男に手渡し、セシリアは教えられた方向に足を踏み出す。


 セシリアの腕の中には、たった今購入した猫型の魔獣を抱っこしてあるく後ろに、ピッタリとひっつくようにして、グレンが続く。


 勿論、4人もタタッとセシリアを守るように配置について、厳つい顔の男が教えてくれた方へと向かうのだった。


 『夢の翼』の4人の心境としては、毒を喰らわば皿までの境地だったりする。


 教えられた先にも、いくつもの檻があり、様々な魔獣が販売されていた。

 セシリアの直ぐ斜め後ろの頭上から、警戒を含んだ唸り声が零れ落ちる。


 それでも、隷属の呪印の効果なのか、グレンはセシリアの側から動くことは無かった。

 グレンが低く唸ったのは、自分の身体が近くにあるというよりは、危険な魔獣が何頭もいたセイだった。


 デュバインが全員の気持ちを代表したように呟く。


 「この辺りは、随分と危なそうな魔獣が多いな」


 そう言いながら、デュバインは仲間3人に目配せする。

 目配せを受け取った3人は、さりげなくばらけて、周囲の檻を確認して歩く。


 勿論、セシリアも脳裏に浮かんだ猫型の魔獣が居ないか、檻を見て歩く。

 グレンはその後ろを、相変わらず低く警戒のグルルという唸りを零れ落としながらついて歩く。


 そんな中、タタッとカレンがセシリアの隣りに戻って来て、小声で言う。


 「あっちにそれらしいのいるわ……けど…かなり弱っているわ」


 「わかった……カレン案内してくれ……行ってみよう…リアさん」


 「うん……当たりだと良いなぁ………」


 そう言いながら、カレンの先導で、それらしい魔獣がいる檻へと向かう。

 頑丈そうな檻が並び、獰猛そうな魔獣が並ぶ道を歩きながら、セシリアは懐きそうな魔獣は居ないかなぁ?と思い、檻の中の魔獣達を確認して歩くのだった。


 ほどなく、檻の中にいるのに、首輪の他に、足枷で四肢にも枷が付けられ鎖を何重にもかけられた魔獣がいた。

 だが、既に立ち上がる気力も無いのか、繋がれた魔獣は外に一切興味を示さなかった。


 取り敢えず、その姿を確認しつつ、あえて通り過ぎる。

 セシリアもそうする理由が理解るので、他と同じように檻を覗いて通り過ぎる。


 ……いたっ……あの魔獣で……たぶん間違いないわ………

 にしても、もの凄く厳重に拘束されているのねぇ………


 「………ちっ……騙されたわ…高く売れるって言われて仕入れたモノなのに………」


 と、檻を蹴りながら悪態をついている男に、セシリアは呆れていた。


 ………生餌をやれば良いって……手を加えてとかしていないんだろうなぁ

 そう言えば、前世でもそういう人達って結構な確率で居たわねぇ………


 ブリーダーに指定された、高額なドックフード与えれば良いと思い込んで………

 それだけしか与えないで……栄養失調になって衰弱して亡くなる


 虚栄心を満たす為にだけ買われることになる生き物には、物凄く迷惑よねぇ………

 あの男も、上級貴族がこぞって買い求める魔獣だとか言われたんでしょうねぇ 


 まっ……今回は、買わないとならないから買うけどねぇ………

 面白そうだから、値切ってもらおうかなぁ………クスクス………


 奥まで行ったあと、檻の前まで戻って来て、セシリアはこれ見よがしに、檻の中の鎖に拘束された魔獣を指さしながら、聞こえるように言う。


 「リーダー……アレ……値切って…買って……実験台に…使えそう………」


 そのぐらいの価値しか無いという風に、それでも買う意思はあるというニュアンスでデュバインに欲しがる、冒険者メンバーをよそおう。

 セシリアの言葉に、その意図を察したデュバインは頷く。


 「ああ……んじゃ、ちょっと交渉してみるかなぁ……リア…カレン達と一緒に、他に使えそうな魔獣がないか探してみろよ……」


 そう言って、唸り続けるグレンをこの場所から引き離す為に、セシリアがここから離れるように、その背中を押す。

 セシリアが離れれば、隷属されているグレンも自動的に離れる。


 付き添いに、カレンとエルザとバウを付けたコトは言うまでもない。

 セシリアとしても、普通にテイム出来そうな魔獣は居るのか好奇心が刺激されて、先刻見学した方とは違う檻が立ち並ぶ区域へと足を向ける。


 そちらは、露骨に王侯貴族の王侯が好むような魔獣が居た。

 美しい翼を持つ鳥や、異形化した生き物が展示されていた。


 もしかして、最初は物珍しい種ってコトで、こっちに居たのかなぁ?あの猫型の魔獣

 でも、似た姿のこの子もあっちの区域に居たけどなぁ………


 まぁ……売りに来た者に、珍しい猫型種の魔獣だって騙されたのかもねぇ………

 そしたら、餌は喰わないは支配は出来ないわ、だったのかもね


 そんなコトを考えている間に、デュバインに交渉を任せた場所に戻って来ていた。

 ちょうど交渉が終わって、買い取りできたところだったらしい。


 ただし、買ったのは中の猫型の魔獣だけで、檻と鎖は返却するというコトで契約が成立とのことだった。

 確認するように、デュバインが聞いてくる。


 「リア……中の魔獣だけで良いんだよな」


 その確認に頷く。


 「うん……中のだけで良い……檻と鎖…いらない……鍵…ちょうだい」


 デュバインにそう答えたセシリアは、デュバインが手に持っていた檻と鎖の鍵を受け取り檻の扉を開く。








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