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悪役令嬢?当て馬?モブ?  作者: ブラックベリィ
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0001★お役御免ってコトで良いのでしょうか?

しばらくぶりに小説家になろうにきました。

作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースかも。






 ガラガラという音が響く中、振動によって誘発される身体と額の痛みに、セシリアは意識を取り戻す。


 ………つぅ~……身体……特に膝と額が痛いですわ………

 はぁ~……えぇ~…とぉぉ~…………そうですわ……


 セシリアは、婚約者であるエイダン王太子から、突然、婚約破棄を告げられたコトを思い出す。

 そして、いわれない数々の冤罪による断罪をされ、貴族としての身分の剥奪及び国外追放を言い渡されたことまでを思い出し、そっと溜め息を吐き出す。


 国外追放を言い渡したからと言って、コレはないですわね

 どうせ、都合が悪いから、王様や王妃様が居ない間にってコトですわね


 状況を確認する為に、薄目を開け、見える範囲の周囲を確認したセシリアは再び溜め息を吐く。


 見るからに、少し裕福な平民が使うような馬車らしいコトを見て取り、自分が秘密裏に連れ出されたコトを読み取る。


 いくら私との婚約が不服だからと言って、一方的な冤罪と断罪で国外追放とはね

 大人達の手が入る前に、私を亡き者にしようという魂胆が見え見えですわね


 まぁーねぇー…こんなくびれのひとつもない樽のような寸胴の婚約者

 厭だというのは、私でも理解できますけどね


 こんな、樽のような姿になった原因は、王家にあるんですけどねぇ………

 ちゃんと、建国からの歴史を学習していれば、こんなコトしないでしょうに


 まったく、国の生贄とされた、この私をないがしろにしたコト

 その意味を理解していないお花畑な近侍と悔やむコトになるでしょうねぇ


 ちょっと内心でせせら嗤い、セシリアは意識を失う前に毟り取られた宝飾品のコトを思い出す。

 セシリアが身に付けさせられていた宝飾品の大半は、実は魔道具だったのだ。


 それも、本来ならば、王と王妃と神官長がその身を持って受け止め、浄化しなければならない穢れの全てをセシリアひとりに担わせていたのだから………。


 それでも、セシリアが婚約者であるエイダン王太子に愛され大事にされていたなら、セシリアの内包する魔力等によって、浄化されるはずだったのだ。


 が、当のエイダン王太子は建国の歴史どころか、継ぐ者として様々な学ばなければならない事柄を嫌がり、毎日を享楽的に過ごしていたのだ。

 その分も、セシリアは学ばなければならなかったコトは言うまでもない。


 浄化を司る魔道具を身に付けた者、すなわち、セシリアが、深い愛情で満たされていれば、その姿も本来の姿で居られたのだが………。


 魔道具によってその身体に取り込まれる様々な澱みや穢れは浄化されずに、セシリアの中に溜まり続けるコトになってしまっていたのだ。


 愛情も与えられないコトで、浄化されない取り込まれたモノのセイで、セシリアの身体は限界まで酷使され続けていたのだ。


 おかげで、セシリアの全身は浮腫み、肌の色合いはゴブリンを思わせるような、澱みくすんだどんよりとした緑色へと変色していた。


 セシリアは、溜まり続けた穢れのセイで、呼吸は常に苦しく、食べるモノも飲むモノも味がほとんど認識できない程になっていたのだ。


 だから、エイダン王太子のしたコトに、セシリアは感謝こそすれ、恨みなどひとカケラも持っていなかったりするのだ。


 だから、セシリアは王や王妃や神官長が不在であったコトを、心から感謝する。


 ああ……私の自由意志を奪っていたサークレットが無いのが嬉しいわ

 認識阻害ならぬ、意識阻害が消えて、思考がちゃんとできますしね


 国民・国土へと降りかかる災いを受ける器とする為の首飾りも無いし

 あの首飾りのセイで、穢れ澱んだ魔素の浄化を強要されないし


 私の言動・行動を制御していた指輪も全部外されているみたいだし

 確認して見ないと判らないけど、耳に付けられた魔道具も無いみたい


 身体の要所要所にジャラジャラと付けられていた、宝飾品をかたどった魔道具が外されているコトに感謝しながら、セシリアは周囲を窺う。


 さて、私は何処に連れて行かれるのかしらねぇ………

 国外追放、それも…こんな平民が使うような馬車で秘密裏にですからねぇ


 側に人の気配が無いコトを確認したセシリアは、今度ははちゃんと目を開けて周囲を確認する。

 手を動かせば、ちゃんと動くので、拘束されていないと判った。


 セシリアは揺れる馬車の床に、ゆっくりと両手をついて、上半身を少し起こす。

 その際に、自分の浮腫みきった肌色が不気味な手の甲をと指を見て、無意識に溜め息を吐く。


 本当に、私の身体の肌って、不気味な色合いよねぇ………

 身体は樽のような寸胴で、くびれなんて無いし………


 まぁ…見た目的に、そういう意味で襲われるコトはないでしょうけど

 このような姿の者を、性的な相手と見る者は少ないと思いますし………


 セシリアは楽に無なった意識と呼吸に感謝しつつ、これからを感がえる。


 ともあれ、あの悍ましい国から、解放されたのは事実だわ

 ほんっとぉぉぉぉぉ~に…あのエイダン王太子がおバカで良かったわ


 そう思えるってコトはやっぱり耳飾りも外れているってコトよね

 あの耳飾りって、エイダン王太子に恋焦がれるって呪縛入ってたモノだし


 そう思いながら、確認する為に無意識に手を耳へと持っていく。

 触れた指先に、装飾品は触れず、耳朶から耳殻まで何も付いて無いコトを確認しホッとする。


 取り敢えず、今は自由を得たってコトよね

 後は、何時、この馬車から逃げるかよね


 いったい、何処に連れて行かれるかにもよるけど

 あの国での役目は、国外追放で終わったってコトで良いのよね


 もう、死んでも戻る気なんてないもの

 祖国っていう感覚も無い国だしね


 たぶんだけど、前世らしきモノも思い出したコトだし

 後は、この馬車が停止した時が勝負よね


 

 

  






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