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変なことは起こらなくなったらすぐ忘れるものである。
あれから一週間。あの夢は見なくなったし、シアン様が会いに来ることもない。
よくよく考えたら、なんであんなに悩んでいたのかさえ不思議に思えてきた。
ただの夢なのに。
簡単なことだ。あれが本当になって欲しかったのだ。
普通の人生に彩が欲しかった。
魔法とか使えるようになって、シアン様とお近づきになるとか、そんな夢みたいな展開を望んでいた。
別に物珍しくもなんともない願望だが、ちょっと残念だった。
(本当に魔法が使えたらな__)
「ちちんぷいぷい〜」
よくある呪文を唱え、手をくるくるさせて空を指差す。
その瞬間、当たりがあの夢の時と同じような光に包まれた。




