君が選択をする
こんちわー お荷物ですー。
ったく、留守かよ。
この荷物は、サインのいるやつなのになぁ。
時間指定で、留守とか、本当にわけわかんねぇな。
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君はそんなことを呟いて、振り向く。
どういうことだ。
なぜ振り向く。
君は握りこぶしを振り上げ、私を殴りつける。
そうか、君はそんなことを選べるのか。
それでどうする。
まったく、どんなズルをすれば、そんなことができる。
そうか、君は私が憎いのだな。
君が選んだんだ。
それを私のせいにするなんて、実に幼稚な考えだ。
君は私が何を言おうとも、聞きもしない。
瞳からはボロボロと涙をながしながら、私を打ち付ける。
何度も何度も、私を殴りつける。
君の拳は、もうボロボロになっている。
あぁ、もう私の限界も近い。
「ひぃぃ、もう、やめてくれ、死んでしまう」
私は、君に懇願をする。
無様に這いつくばり、足にすがって君を見上げる。
さぁ、選べ。
君はどうする。
君はやめない。
君はやめないことを選んだ。
庭の縁石をひろい、私の頭に打ち付ける。
致命傷だ。
私の血が広がり、君は私を見下ろしている。
君は、私を殺すことを選択した。
最後に実に、素晴らしいものを見せてもらった。
君は、最高だ。
君も殺すことを選んだ。
君は殺すことを選んだ。
君は殺したんだ。
「ほら、君はもう怪物だ」