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第3部~黒塀民家の2階

「2階の窓から幽霊か~、そんな事言われてもな~」


「…厄介(やっかい)な事態になったな、(のろ)われたらどうしよう…」


 どういう訳か、引っ越してから半年が過ぎると、不審な電話は連続で掛かっては来なくなりました。


 しかし、それでも、ほぼ毎日掛かってくるのです。


 あの家の監視も出来る限りしていましたが、その時は1回も幽霊を見ませんでした。


 それから数日後、父親が会社から帰って来てすぐまた出掛けて行く事があったのです。


 自分は、すぐに(ひらめ)いて、あの家を見下ろせる所に行ったのです。


 すると、あの家の真下に父親が居るではありませんか!


 それに、どうやら2階の窓の方を見上げて、何やら(とな)えている様でした。


 その後、父親がすぐに帰って来たのですが、口数は少なく何事も無いように振る舞っていました。


 鳴り続いた黒電話も、父親が出るときだけ、不思議とその相手が無言になるのです。


 というか、父親がいる時は滅多(めった)に掛かってこないのです。


 ある日の夕方でした。


 また、不審な電話が鳴ったのです。


 その時、近くに居合わせた父親が、まわりの家族を制して電話に出ました。


 …終止無言だったそうです。


「おい!何のつもりか知らんが、2度と掛けてくんな!分かったか-!!」


 そう言うと、その後夕方以降の電話がパタリと無くなりました。


 ただし、日中は週に2~3回位は掛かってくるのです。


 何かいい手立ては無いものか…。


 自分は必死になって考えました?


 そうだ!前に父親がNTTに行った時にもらった、通話記録に相手の電話番号が()っているんじゃないかな?


 それを調べてみると、


「あったあった!この電話番号に公衆電話から掛けてやる!」


 と、思い、財布の中の10円玉を集めました。


「プルルルルルル、プルルルルルル…×10回…」


 勢いで掛けたものの、何度掛けても出ませんでした…。


「まあ、そうだよな~。当然と言えば当然だよな…」


「そうだ!幽霊屋敷で電話のベル音が鳴るのか調べてみよう!」


 再び、公衆電話から電話を掛け、受話器を電話機本体の上に置いたまま、ダッシュで幽霊屋敷の前に行きましたが、ベル音を聞くことは出来ませんでした…。


 何で、向こうから何百回も掛かってくるのに、こっちからは掛けると出ないのか?


 それに、何でベル音が聞こえないのか?


 コウヘイ君の姿(幽霊)も、1回も見た事ないし、どうなっているのか?


 しばらく考えていましたが、それよりも、父親があの家の真下にいた時間帯が気になりました。


「明日、父のいた時間帯に、自分もあの家に行ってみよう」


 と、思いました。


 次の日の夕食後、自分は、


「ちょっと、夜空の星を見てくる」


 何て、下手な(うそ)をつきながら、あの家が見下ろせる所に行きました。


 父親は今自宅に居るから、あの家の真下に行くなら今しかない!


 自分は、マンションの螺旋(らせん)階段を駆け降りました。


 ただ、あの家の真下に居ては父親に見つかる危険性があるので、道路を(はさ)んで向かい側の所で2階の窓を監察する事にしました。


 すると、本当にすぐでした。


 誰もいないはずの2階で、ぼんやりと白っぽく光る人が見えたのです。


 それどころか、その白い光が窓のすぐ裏まで来たのです。


 それから、2階の右側の窓が、すぅ-と開いたのです。


 そして、全身真っ白で髪の長い女性が、自分の方を見下ろしてきたのです。


「ヤバい!目があってしまった…」


 鋭く突き刺さる様な眼光で、自分を見たかと思ったら、その直後表情が一変して、絶望に(おちい)ったかの様になったのです。


 その直後、2階の窓から身を乗り出して、一気に投身したのです。


 確か、その時に…


「ズシッ」


 …といった音がしたと思います。


 自分は思わず


「わぁぁぁっ~!」


 と、声をあげながら、猛ダッシュで帰ったのです。


 ここまでが、引っ越してから最初の1年の出来事です。


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