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第82話 治癒師と“病魔退散”

ポーションについてよくよく聞いてみるとこの世界では決まった植物から魔法で成分を抽出するとのこと。

なまじ魔法が優秀なため薬学や医学に関しては全く進歩していないらしい。


「この世界に住んでいる人たち全員が回復魔法を使えるんですか?」


「擦り傷程度の怪我なら家族に1人の割合でいるね。

 ただ重症者は高位の回復魔法じゃないと治らないんだ。

 もちろん、高位になればなるほど使える者は限られてくるからそういった治癒師は王国のお抱えになることが多いかな」


「病気になったらどうするんです?」


「“病魔退散”という魔法があってね。

 それでだいたい治るよ」


でたらめも良いところだが、俺自身もヌマさんに似たような魔法をかけてもらったのを思い出す。


「ちなみに何故治るのかは聞かないでくれ。

 誰もわからないんだから」


なんでも癒しの神が授けてくれた魔法だそうな。


「え……原理の解明とかしないんですか?」


「人族全体から人気のある癒しの神様からの啓示だから誰も疑わないしそもそも教会が門外不出にしているから研究対象になりにくいんだ」


人を治すのはお金になる。

嫌な言い方をすればそういうことだろう。

それに口ぶりから病魔退散が高位魔法に分類される事は予想出来た。


「嫌味な顔をしているね。

 言っておくけど、金儲けが目的で門外不出にしているわけじゃないよ?」


「えっ、違うんですか?」


「違うさ。

 病魔退散は高位も高位、使える者が限られる魔法なうえに使える人間はまず間違いなく悪党に狙われる。

 だから国にとっての中立である教会で保護と箝口令が敷かれてるんだ。

 もしも治癒師、それを通り越して教会に害を為そうとする奴がいたら各国の連合軍を相手にしなければいけなくなるよ」


真剣に語るジルベルトに気圧されながら、俺はヌマさんを思い出す。

自虐心の塊みたいな神だったけど、ここまで人々に慕われているとは……。

逆にここまで慕われているのに、なんであんな性格になってしまったんだろう?

私事で申し訳ありませんが、明日から1/7日までは不定期更新としとうございます。

7日からはいつも通り更新しますので、よろしくお願いいたします。

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