表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/145

第74話 小竜便

本日より平日更新になります。

よろしくお願いいたします。

ι(`・-・´)/

小竜便。

それはリトルドラゴンという小型のワイバーンを利用した竜王国ではメジャーな郵便配達サービスである。

伝書鳩とは違って革製の頑丈なバッグを吊るし、専用の帽子を被るその姿は元の世界の郵便屋を想起させる。


「ということはそれは手紙か?」


「そうだね」


ヴェルさんが興味深げに先ほど俺が受け取った手紙を覗き込む。

リトルドラゴンを見たときは少し驚いたが、手紙を渡した後にコダマ達と遊んでいるところを見ると気性も穏やかなようだ。

……うん、ちょっと撫でようとして噛まれたけれど気にしないことにしよう。


さて肝心の手紙だが、差出人はジルベルトで文字も日本語で書かれている。

無駄に丸文字なのだが、もしかしてイケメンフェイスな上に少女趣味なのだろうか?


手紙の内容は俺が頼んだ品が全て手配出来た事とそれを届けるために1月後に伺う旨が書かれていた。

手配した品の中には植物の苗等もあったので、彼が来るまでに畑を作っておかねばならないだろう。

あと最後の1枚は白紙だったけど、もしかして返信しなきゃいけないのかな?

リトルドラゴンが一向に帰る素振りを見せないのでそうっぽいんだよね。


俺たちインク持ってないんだけどなぁ……。

仕方がないのでナイフを使い、切り絵の要領で羊皮紙の真ん中にカタカナで“ハイ”とくり抜き、遊び終えたリトルドラゴンに渡す。


リトルドラゴンは一度伸びをしたあと、クエッ、と一鳴きした後に飛び立っていった。


「スズキ」


見送ったあと、ヴェルさんが何故か俺の服の裾を掴んで上目づかいをしてきた。

不意打ちを喰らってちょっとたじろぐ。


「ど、どしたの?」


「文字を、教えて欲しいのだが……」


「え、でも俺が教えられるのって日本語だけだけど」


「それでいいのだ。

 いや、それが良いのだ」


「……?

 別に良いけど」


それから毎日少しの時間を使ってヴェルさんに日本語を教えることになった。

ジルベルトに手紙でも出したいのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ