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第58話 オッサン オン ステージ !!

さて、突然だが実のところ私、佐藤須々岐は小市民である。

告白すると、またしても俺の中でヴェルさんの役に立っていないのでは、という考えが積もり積もって“ヴェル煩い”を発症させていた。

魔法の凄さを目の当たりにした生活を送っているのでさもありなん、である。


なので、ここは一興。

古風なやり方でストレスを発散することにした。

それは……。


「カラオケ……ッ!」


マイクに見立てた竹筒を持ち、ヴェルさんにカラオケの説明をした。


「ふむ……良く分からないが……歌う、ということか?」


「ざっつらい!」


「スズキは歌も歌えるのか……すごいな」


凄い?

なんか変な褒められ方をしているような気がするが、まぁいいか。


「しっかし、そんな目的のために私を使うなんて、前代未聞ですよ」


イルカが珍しく女神姿で呆れ顔をしていた。


「何故にその格好?」


「気分ですよ、オンステージを聞くのにイルカのままじゃ味気ないですからね~」


「オンステージってこれはカラオケで」


「あなた以外にこの場で歌える人なんていませんから」


「……マジか」


「我輩も曲? はお前が聞かせてくれたもの以外ほとんど知らん」


そうなのか……じゃあ盛り上がっているのは俺1人……いや、佐藤須々岐。

逆に考えるんだ、これを期にヴェルさんたちをオタ仲間に引き込んでしまえば良いさと考えるんだ。

そうと決まれば、話は早い!


「ならば、ヴェルさん」


「な、なんだ?」


俺は片膝をついてヴェルさんの手を取り、しっかり目を見ながら言った。


「聞いていてくれ、きっと……楽しい夜にして見せるからッ!!」


「ッ?!

 お、おぉ……わ、分かった……のだ」


ヴェルさんが顔をそらしてしまった。

しまった、オタ特有の熱が入りすぎてたじろがせてしまった。


気持ちを切り替え、俺は右手に賢者の杖、左手に竹筒を持って、ディスプレイをめいいっぱい拡大。


「スクリーン巨大化完了ッ!

 曲及び映像のセットアップ完了!

 さぁ届け、俺の気持ちッ!

 カラオケ、オンステージッ!!」


テンションMAXで映像つきアニメ、特撮、ゲームソングを熱唱する俺!!

歌う順番にもこだわりをッ!!

あっちの世界の半身(PC)に入っているベストラインナップ(お手製)を参考にオーディエンスの反応を見ながら臨機応変に!!

俺は喉が焼き切れるかのごとく本編映像と共に大熱唱した!!


結果はイルカがドン引きした以外大成功。

ヴェルさんもたくさん集まったコダマ達も一緒になって拳を突き上げ、盛り上がった。

サイリウムがないのが悔しくなるほどの凄い一体感に包まれた素敵なステージがそこには存在していた。


あぁ、アニソンって……カラオケって……素晴らしい。

オッサンのネガティブオーラは浄化されました。

⁽⁽ ◟(∗ ˊωˋ ∗)◞ ⁾⁾

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