第6話 無職になってからオタ活動が激しくなりました。
(。-ω-)ノ<スプラッタな表現が多少入るため微グロ注意(念のため)。
興奮を抑えつつ、再度人化の魔法について調べてみる。
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【人化の魔法】
自身を人の姿に変える魔法。
自らの体積を魔力に変換して凝縮し、身体を作り替える。
身体能力もある程度凝縮されるがほぼ魔力に変換されるため身体能力の面では弱体化する。
しかし、魔力量は縮小したサイズ分に比例して上がる。
人化の魔法は自身でトリガーを設定する事でいつでも元の姿に戻ることができる。
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「……だって」
「トリガーというのが今一わからん」
真剣に悩むヴェルさん。
これ要するにアレだよね。
「ヴェルさん、例えばこんな感じだよ」
俺は杖を持ったまま、某maskedのポーズを取る。
「変……身っ!」
テレレ、テレレ、テテーテー♪
「おぉ! キレッキレで格好いいな!」
ちょっと照れる。
「他にも色々あるけど、多分『これをすれば人化がとけますよ』っていう暗示みたいなものじゃないかな?」
「なるほどな」
「因みに今のが俺のおすすめ!」
「うーん……カッコ良かったが……他にも似たような候補があるのか?」
「あれ、気に入らなかった? なら、どんなのをご所望かな?」
「あ~……その、な……」
何だろう、歯切れが悪い。
「もう少し可愛いのを……その、頼む……」
ヴェルさんは顔をそらしながらちらちらとこちらを伺いつつ言った。
何この可愛いモフモフ生物。
あ、そうか……この子雌だったね。
ということで女の子の変身シーン的なポーズと掛け声を伝授してみる。
もちろん変身道具なんてないからそこらへんは俺のアレンジ込み込みで。
あぁ、やっててよかったオタ活動♪
色々試した結果、かなり可愛く出来たぞ!
あとは実際に人化の魔法を覚える方法を調べればいいのだが、その前に。
「おなかがすきました……」
昨日寝てからここまで何も食ってません。さすがにお水とかもほしい。
あ、コダマくん。また水袋を持ってきてくれてありがとう。
「そういえば夢中で食事を忘れていたな。少々待っていろ」
なんとなくルンルン気分のヴェルさんはいずこかに消える。
体感2分と立たずに『肉』を咥えて持ってきた。
「ジャイアントボアがいたから狩ってきたぞ」
Oh……ワイルド。
デカいイノシシ(ジャイアントボア)の脚を1本斬り分けてもらった、ヴェルさんの爪すげぇ。
しかし、血もぼたぼたである。うは……ヴェルさんめっちゃかじりついてる。
……どうしよう。
「ん、喰わんのか?」
「アッハイ」
何とか食う。毛が土が鉄の味がぁあああああああああ!
「あまり食事が進んでいないな、やはり肉は好かんのか?」
口の周りを血で汚し、さらに血を垂らしながらヴェルさんが言う。
コワイ……が、いい人(?)なのは知っているので、ここは正直に言うことにする。
「人間は調理しないとお肉が食えないのです……」
「調理……? あぁ焼いたりなどか……焼くだけなら魔法で……いや火力がわからないから消し炭になりかねんな」
消し炭……コワイ!
というのは、置いておくとして……さすがに腹痛で倒れたくはない。
喰いかけではあるが、脚はヴェルさんに返納する。
「ちょっと野草取ってきます」
「あ、ならば吾輩が食べ終わるまで待て」
モッシャモッシャとヴェルさんがすごい速度でジャイアントボアを食していく。
見事に食えなさそうなものだけが残った。
スプラッタ映画も真っ青だぜ!
ヴェルさんも食べ終わったので野草さがし。
待ってくれと言われたので、一緒についてくるかと思いきや、別行動をとるヴェルさん。
あらかた取り終えて戻ると、でかいお肉たち(イノシシと鹿とクマ)がいた。
どうやら俺を襲おうとしていたらしい。
「貴様を見つけてから、食事に困らなくなった♪」
おいしそうにがっつくヴェルさん。
この世界に来てコダマとヴェルさん以外の動物を見かけないな、と思っていたら片端からヴェルさんが狩っていたそうな。
……俺は生餌か!
そして口周りの血を水で流したあと最後に野草を食べるヴェルさん。
口の中が血でヌッチョヌッチョするのでお口直しに食べるらしい。
……そうかぁ、お口直し用の草を主食にしてたのか俺。
そしてヴェルさん曰く、デカい動物4頭プラスアルファ食べて腹5分程度とのこと……たしかに小型化したいと思うのもわかるなぁ……。
猪→ヴェルさんより一回り小さい(1.5階建て程度の大きさ)。
鹿(鹿) →角がご立派様なだけのただの鹿。
熊 →ヴェルさん程度の大きさ。良く人間を喰う
たまに大きさを書いて置かないとヴェルさんが子犬に見えてくる問題。
(´◦ω◦`)