第50話 成長する偉大なる狼
いつの間にやら50話です。
いつもお読み頂きありがとうございます。
тндйк[○´・ω・]人[・ω・`●] уoц
俺が物作りに没頭していた1週間、ヴェルさんはずっと俺の側にいたかと言えばそうではない。
森へ行って見回りや狩りをしたり、俺を真似て竹細工を作ったり、夜は一緒にまったりしたりしていた。
その中でも特に気合を入れてやっていたことと言えば、風呂作りだ。
といっても正確にはため池と呼べる代物だったりする。
地面を掘って石板を敷き、周囲を岩石で固め、外の一部に着替えるための木の板を敷く。
排水など考えておらず、屋根もない。
そんな代物を見せられた時の俺の感想はと言えば、
「ありがとうヴェルさんッ!!」
彼女に抱きついてしまうほどに大喜びだった。
排水はどうしようか、屋根はどうしようか、コンクリや目隠し、男女別にしなきゃ……など面倒なことを考えて一歩も前に進めなかった俺とは違い、彼女は1人でやってのけた。
それが凄い、マジで凄い!
数日前まで攻撃でしか魔法は使っていなかったと言っていた人がこうも変わるものだと実感した瞬間だった。
それで何故このような話をしているかと言うと、
「あ゛~~~~……」
そのお風呂を絶賛満喫中だからである。
「こら磨きのかかった白豚、前を隠しなさいよ」
少し離れたところで同じく風呂に入っているアルさんが目をそらしながら指摘する。
おや、失敬。
俺はアルさんが織ってくれた布で前を隠す。
布を湯につけるとは、マナーが等とは、混浴状態のここでは言うまい。
ちなみにアルさんは髪を湯に浸からないように布でまとめて、もう1つの長めの布で胸を含んだ前面を隠している。
何故下まで?
と思わなくもないが、気にしないことにしておこう。
「だからスズキは白豚ではないと……」
「あんた、私がこいつの事を普通に呼んだらたまに威圧飛ばしてくるじゃない」
俺の隣で髪を纏めただけで一糸纏わぬ姿のヴェルさんが顔をそらした。
「まぁまぁ、事実俺の外見はそんな感じだしね~」
「あんたはあんたでそれで良いの?
あと口調もさっきより砕けてない?」
「丁寧口調が維持できなくなっているのはお湯が気持ち良いからだな~。
ありがとう、ヴェルさん」
隣にいるヴェルさんの肩を抱くように彼女を撫でる。
「ム、ムフフフ……」
「あんたも緩みきってるわねぇ……。
まぁ、このお風呂が気持ち良いのは認めるけど」
そう、心地良さこそ正義。
石鹸がなければ風呂を作ったところで……などと思っていた俺が浅はかだった。
身体の汚れを布で落として風呂に入るだけでも相当に違うものだ。
さて、俺たち3人が何故風呂に入っているかと言うと、アルさんが新しい服を持ってきてくれたことに起因している。
新しい服は身奇麗にしてから着たいという気持ちとヴェルさんのお風呂、“ヴェルフールの湯”の完成が重なったことにより生まれた奇跡のコラボレーション。
何言ってるのか自分でも良く分からないが、まぁ良しとしよう。
とりあえず魔法で作られたお湯でも相当に気持ちが良い。
あとアレだ、髭。
元々濃くは無いのだが、それでも相当日数放置していたあの髭が無くなった事も心地よさに拍車をかけているなぁ。
髭剃りもやっぱり魔法。
ナイフでもやれなかなかったけどね、チキって出来ませんでした。
ホントヴェルさん様様です。
あ~……幸せ。
あと1話か2話で区切りが良くなりそうなのでそこを一区切りとして、今回も登場人物を一度まとめ、その1週間後あたりからまた投稿を再開しとうございます。
(´_ _`)
そろそろイラストも描きたいそんな気分。
ヾ(⌒(_´๑・ω・๑)_ジタバタ




