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第45話 “アルケニーさんは混乱している!”

外で塩の効いたお肉を食べながら涙を流しているとやっとアルさんが再起動した。


「~~~~~~ッ?!」


……会話能力はまだのようだ。

アルさんに新たに焼けた串肉を渡すとするりと齧り付いて飲み込んだ。


「いやお肉はどうでも良くてっ!」


仕方ない、もう一本は自分で食べ……スティールされた。

ちなみにヴェルさんは満天の星空の下でぽっこりお腹を膨らませて倒れている。

お塩が気に入ったらしい。


ちなみに俺が倒れてないのは味見以外は焼きに専念していたからだ。

ヴェルさんあっての塩だしね。


「ちょっと落ち着いたわ」


それから数本串肉を食べたあと、竹のコップで一息ついたアルさんは俺に向き合っていた。

ヴェルさんも起き上がってひざの上に。

……気に入ったのかな?


「で、今はあれが普通なの?」


何の事かと問えば裁縫技術のことらしい。


「まぁ(俺の世界では)普通ですね」


含みがあるのはご愛嬌。

スティールするのはいけないと思います。


「……私が知らない間に世界は変わったというの……?」


絶望的な顔を浮かべて頭を抱えるアルさん。

……やりすぎたようなのでネタばらししておく。

どっちにしろアルさんの顔は青かった。


「世界が違うとあんなにも洗練されるものなの……?」


「洗練されるかどうかはわかりませんが、違いは出ると思いますよ?」


「いえ、洗練されているわ……絵で見てもわかる洗練された製造線、そして繊細な刺繍に複雑で発色の良い染め……なんなの……なぜこんなことが……」


「……実物見ます?」


「あるのっ!?」


あるのは俺の服で汚れているけどと断りを入れたが所望されたので持ってきた。


再び座るとヴェルさんが胡座をかいている俺の膝を上下して遊び始めた。


「ウェイト、ウェイトヴェルさん」


頭を撫でたりして宥めている間にアルさんが再起動した。


「ねえサトウ、杖を私によ……」


アルさんが言いかけて止まる。

ヴェルさんもいつの間にか彼女を見据えていた。


「あの、アルさん……さすがに杖を譲ると生活に困るので……」


「……いえ、そもそもほとんど文字がわからないから……無理ね。

 まだちょっと混乱してるみたい。

 一度落ち着くわ」


アルさんは目を瞑って深く深呼吸し、水を一杯飲んだ。


「……サトウスズキ、この服を私に預けなさい。

 同じものを作ってあげるわ」


「それだったら下着が欲しいんですが」


「私が知っている下着をあげる。

 貴方が今穿いているものにも興味はあ……違うからヴェルフール、中身には興味ないし水洗いもされていないものなんて触りたくもないから」


「……ふん」


「他にも色々必要なんでしょ?

 まず直近に欲しいものを挙げなさい」


「とりあえず布……ですかね」


「布?」

今回の多忙期は瞬間風速だったらしく、今のところなんとか更新をお休みせずに済みそうです。

╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

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