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第42話 まじめなかみさま

ということで3人は家の扉を開けた。

ヌマさんは俺が外に出たときと同じ態勢のままそこにいる。

ほの暗い双眸が俺達を捉えると、少しずつ首が傾く。


ヴェルさんとアルケニーさん……長いな、アルさんが揃って固まった。

さっきよりは怖くないけど、あの眼力凄いからね、仕方ないね。


「もどった?」


ヌマさんの質問に俺は首肯する。


「さっきはすみませんでした。

 嫌な呼び方をしてしまって……」


「わたしにしゃざいはひつようありません。

 そのきもちはごんべえさんに」


「あ、権兵衛っていうのは俺の国での名前のわからない人に使う定型句なので……」


ヌマさんがうつむいた。

ほんのり顔が赤い気もするが突っ込まないでおこう。


「さんどめはありません」


「はい、ごめんなさい」


しっかりと頭を下げる。

確かにしっかり話してみれば多少思考が飛んでる気がするが普通の人(?)のようだ。

さっきまでヌマさんに抱いてた恐怖心は、自分を異常なほど卑下する神様なんて理解できなかったから面を食らっただけかな。


あとは単純に怒られるのが怖かっただけとか……。

うぅ、情けない。

あと、


「2人とも」


ヴェルさんとアルさんに声をかけて緊張をほぐす。

相当に怖かったようだ。

ヌマさんの眼力が弱まったものの、今だ彼女たちは多少小刻みに震えている。


そのあとは何事もなく過ぎていった。


目的である寄生虫も問題なく、俺の方には病魔退散魔法が施され、ヴェルさんはそもそも自前で撃退できていたらしい。

ごめん、ヴェルさん。


アルさんもついでに健康診断を受けたが特に問題なし。

言動と自分を卑下する以外は真面目でまともな神様だった。


「また何かあればよろしくお願いします。

 気が向いたら遊びにも来てください。

 今度はもう少しおもてなし出来るようにしておきます」


何せ今現在、この家にはお茶どころかコップも無いので何も出せなかった。

本当に申し訳ない。


「……きがむいたら」


そういってヌマさんは帰っていった。


「サトウ、啖呵切ったのに何も出来なくてごめんなさい」


アルさんが弱々しい声で呟いた。


「いえいえ、諭してくれてありがとうございます」


ずっと俺の服を離さなかったヴェルさんの頭を撫でる。


「先走って色々不安にさせてごめんなさい、ヴェルさん」


俺の謝罪の言葉にフルフルと首を横に振るヴェルさん。


「気にしてない、でも我輩は何もできなかったのだ……」


「仕方がないわ。

 あんな魔法放たれてたら私達はどうしようもない」


えっ?

ヌマさん魔法使ってたの?

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