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第4話 なんで言葉が通じるのかはこの際、考えないことにしています。

チートのお時間♪

╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

「……うん、ヴェルは要するに何かを知りたいってことかな?」


「察しが良いな、吾輩は読み書きが出来なくてな、検索できないのだ」


野生で過ごす分には必要ない知識だからね。


「でも何を調べるんだ?」


「進化の方法だ」


……え、ポケットサイズの怪物君の攻略情報でも調べればいいのかな?


「実は吾輩、こう見えて500年ほど生きている」


まさかの長老様だった。


「そして年々この身体が大きくなっている」


さらにまだ成長期ですか。


「……小型化したいのだ」


「進化すると……小型化するの?」


「知らん。が、これ以上大きくなりたくない……」


悲痛な顔をするヴェルさん。


「この身体はな、燃費が悪いのだ。

 一度の食事でかなりの量を食べる。

 しかも森に棲んでいるのに図体が大きすぎてよく木に当たる。

 的もでかいから敵の攻撃を簡単に喰らう。

 寝床にも困る、最近なんて野ざらしだ。もうこんな図体嫌なのだ」


目を前足で覆いながら伏せるヴェルさん。


「屋根のあるところで眠りたい……」


シクシクと泣き出してしまった。

なんともまぁ人間臭い狼だ。


「理由は分かったけど、そんなに思いつめてるなら同族や人間とか、知的生物から聞き出せばよかったのでは?」


話も出来るんだから。

よしんばこじれても脅せばきっと教えてくれるだろう。


「同族は生まれてこの方、覚えている限りであったことはない。

 人族達なぞ、吾輩と出会ったら逃げるか、殺しに来るかの2択だ。

 やられることはないが、なまじ言語がわかってしまうため、殺したところで喰えない……」


人間と関わると碌な事がなかったのだろう。

確かに魚や牛豚鶏の言葉がわかってしまったら俺も肉を食える気がしない。


ということは俺を助けた理由は逃げないし攻撃しないし、話しかけてきたからか。


「頼む……お願いだ……お願いします……」


心の痛む懇願である。


「命の恩人だし、そこまでしなくても検索するから、泣き止んでくれよ」


「うん……」


撫でてヴェルを落ち着かせる。

泣き止んだところで早速検索を開始しよう。


「それでキーワードだけど、ヴェルって……狼?」


「違うのか?」


「俺のいた世界ではこんなにでかい狼はいなかったから……」


「他の人族にもでかい狼とか怪物ととしか言われたことがないな」


ということで、『狼』『進化』『小型化』で検索をかけてみる。

使い勝手がほんとにネット検索と変わらない……。

そして検索した結果、


【お探しのページは見つかりませんでした。】


と出る、日本語で。

ヴェルの話によれば、キーボードの配置も違っていたようだし、おそらく俺……最後に触った人間用にカスタマイズされるのだろう。


「何と書いてある?」


「見つからないって」


「小さくなる方法なんてないのか……?」


ヴェルの表情に悲壮感があふれる。


「検索ワードを変えてみよう」


今度は『狼』『小型化』で検索する。

【お探しのページは見つかりませんでした。】


次は『狼』で検索。

大量に出てきた。食性、分布、種類その他諸々……。

とりあえず検索はちゃんと行われているらしい。


じゃあ、『狼』『進化』で検索してみる。

1件ヒットしたが、進化論について書かれている。

見覚えがあると思ったら、地球の進化論だった。


ページにあった画像の地図がまんま地球の世界地図だった。


試しに、『異世界』『世界地図』『現在位置』で検索。

……知らない形の大陸が出てきた。

赤丸ぽっちがついてる。まんまあのマップだ。


「すげぇ……けど、肝心の情報が出てこないな……」


「やっぱりないのか……?」


今にも泣きだしそうなヴェルには悪いがその可能性が高くなってきた……。

いや、まだ試していないキーワードがあるので試してみよう。


出てきた。


「マジか……ヴェル……いや、ヴェルさん……」


「ど、どうした? 何か見つけたのか?」


検索したワードは、『偉大なるヴェルフール』

まさかの個人情報が出てきた。

そこにはメートル、グラムで書かれたヴェルの体長、そして食性や好み、戦歴に近況……全て出てきた。

そういった個人情報はおいておくとして、注目すべき点がある。


「ヴェルさんの種族、フェンリルだって」


「……そなの?」


ヴェルはぽかんとした口調でそう言った。


あと個人的に驚いたことが1つ。

ヴェル、雌だった。

今度からヴェルさんと呼ぼう。

|д・´)<次の更新で衝撃(?)の事実が明かされます(たぶん)。

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