第24話 筋肉モリモリマッチョマンでハゲの変態
「だ、だれだっ!?」
ヴェルさんが犬歯をむき出しにして威嚇している。
マジか、これ幻覚じゃないのか。
俺は今動けない。
死亡フラグが乱立している気しかしない。
するとヴェルさんを見て変態の目が見開いた。
あかん、エロゲ展開に発展しそうなフラグが……。
「おっと、奇縁に恵まれてるな、異世界人!?
その様子を見ると悪運にも見放されてないと見た!」
変態の言葉に今度は俺が驚いた。
「な゛ぜぞれを゛」
「喋んな、喋んな。
後で軽く説明してやる。
ヴェルフールも敵じゃねぇんだから威嚇やめろって」
「吾輩のことも知っているのか」
「警戒をやめろっつうに……はぁ、思った以上に母親似の忠犬だな」
呆れたような嬉しそうな笑みを浮かべる変態。
「母……親似?」
あぁ……なるほど。
ヴェルさんの母親の事をよく知っていて、俺の事情も知っていて、敵じゃないと訴えている……。
当惑するヴェルさんにそっと触れる。
「だい゛じょ……ぶ」
「スズキ……」
「察し良いのなお前。
ま、こっちも急いでいるから手早く自己紹介するぜ」
「俺はゴー。
この世界で鍛冶の神をやってる」
ひとつよろしく! とハンドサインをする変態のゴー。
画像見てたはずなのにハゲじゃなかったので全く気づかなかったぜこん畜生。




