第22話 あの頃俺は若かった
今回から新章です。
(p`・ω・´q)
真面目な回が続く章になってしまいそうです。
許して……許して……
(≡人≡;)スィマセン…
夢というのは不思議なものだ。
現在観ているのは、俺がまだ会社勤めをしている時の夢だった。
しかし明晰夢というのは初めての経験だ。
第三者目線から観る“俺”の姿は精神障壁を張った自動人形のようだ。
これはたぶん……連勤2ヶ月目を迎えたときの光景だろうか。
確かに周囲に言われたとおりひどく土気色の顔をしているなぁ。
あの時は酷かった。
朝に出社して帰る時は終電で、3日に1回程度しか帰れなかった。
好きな事を仕事にしたいと思った結果の行動なので連勤自体はさほどつらいと思ったことは無かったが、それでもこのデスマーチが終わったあとに貰った1週間の休暇は風邪で寝込んでしまったんだったな。
さもありなん。
……そうか。
要するにこれは今の自分の状態を自分なりに分析して、出した答えなのだろう。
安全な棲家が出来たから安心しちゃったんだろうなぁ。
1人納得する俺は夢の中の“俺”に顔を向ける。
“俺”はずっと仕事をしていた。
脇目も振らずただただがむしゃらに。
俺はそんな姿を見て乾いた笑いが漏れた。
もっと力抜けよ……。
今度、もしあっちの世界で職に就くことがあれば……そのときはもっと力まずに仕事をしよう。
さて……そろそろ起きよう。
ヴェルさんの匂いが漂ってきている。
きっとこれを辿れば起きられるはずだ。




