第21話 おれたちのぼうけんはこれからだ!
今日で第1章もラストです。
打ち切りではありませんのでご安心ください。
平常心を取り戻したところで、早速毛刈り体験……と考えたのだが、はたと思い留まって杖で検索を掛けてみる。
……うん、圧倒的に道具が足りない。
大きなタライくらいは揃えないと羊毛が手に入ったところで無駄になってしまいそうだ。
あと洗濯用洗剤もあるとベストか……ここの羊達野生だし。
さすがにう○こが染み付いた羊毛を洗濯しないまま使いたくはない。
調べてみると、石鹸が作れれば代用できるかなと思ったけどちょっと違うようだ。
綺麗な羊毛を手に入れるためには、まず『カスチール石鹸』を作るところから始めるのが良さそうだ。
カスチール石鹸とは、
『天然の植物オイルをもとにした石鹸』
のことで、語源はスペインのカスチール地方。
オリーブをベースに作られた石鹸らしい。
この世界にオリーブがあるかは別としてそれに似た、もしくは油の絞れる植物を探さねば。
動物油でも石鹸は作れるが、とても臭いそうなのでお目当ての植物が絶滅していない限り、絶対に使わない事にした。
だってほら、匂いって重要事項じゃないか。
そして石鹸を手にするためにはもうひとつ『強アルカリ』を手に入れる必要がある。
ここは高地なので石灰岩を探してカリウム石鹸を作るのがベターかもしれないが、ヴェルさんが居ることでもう1つの方法も取れる。
海に行くことだ。
……うん、だって塩も欲しいんだよ。
塩があるだけで今主食にしている草の味が変わるんだよ。
この草、野生のハーブだから多少は風味もあるんだけど、それでもほぼこれオンリーなのはつらいんだよ……。
ということで、石鹸を作るため近々海に出かけよう。
ヴェルさんには貝やカニをうまく調理して振舞うことにしよう。
……なんだか最初の目的からずれている気がする。
綺麗な羊毛を手に入れるための
石鹸をつくるための
水酸化ナトリウムを得るための
海藻を採るために
海へ行く。
……段階って大事だよね(現実逃避)♪
ちなみにこれらの知識は一応、一度俺が見たことのある知識らしい。
そういえば数年前、精神的にやられている時に世界崩壊シナリオをたくさん読み漁った時期があった。
たぶんそのあとサバイバル知識を調べたんだろうなぁ……。
まぁ調べただけで身にはついていなかったわけだけどさ。
お家に戻ったあと草を食べながら山、じゃない、海へ行く計画を立てていると2人のヴェルさんが心配そうに声をかけてきた。
「「死にそうな顔してるぞ? 肉食うか?」」
肉……確かにナイフが無いから血抜きも皮剥ぎも出来ないが火の魔道具があるので焼いて食べる事はできるかもしれない。
忘れてた。
しかしヴェルさんはいつの間に姉妹を連れてきたのだろうか。
「「「「「「お、おい、スズキ?」」」」」」
ヴェルさんがグルグル回ってる。
ヴェルさんが6人いる。
おっぱいのおっきなかわいいイヌケモさんたちがたくさん居る。
「モフモフ天国じゃぁ~」
そうして俺の意識は暗転した。
ここまでの読了ありがとうございました。
おおサトウスズキよ死んでしまうとは情けない。
一応ここまでが1章という扱いです。
危ない綱渡り生活している普通のおっさんのサトウスズキですが、悲壮感とかが出ていなければ幸いです。
今回も登場人物を一度まとめたあと1週間後あたりからまた投稿を再開しとうございます。
また、それと同時にタイトルも改変したく思います。
改変後のタイトルは、
『オッサンは異世界でチートな検索エンジンを手に入れる』
です。
サバイバルという単語も入れたかったのですが欲張ってはいけない(戒め)。




