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第130話 吹雪の日

まだ寒い吹雪のある日。

今日はヴェルさんに言われて朝からまったりと映画鑑賞だ。


お互いベッドの上で寄り添いながら大画面の空間ディスプレイで見る映画はなかなかの迫力で、ヴェルさんが手に汗握りながら熱中している。


「そこだッ!」


今見ているのは昔やっていた有名なアクション映画で主人公のマッチョが無双する好きな作品だ。

VFXを使わない火薬にモノを言わせた豪快な爆発に飛ぶ人……最高です。


とヴェルさんのぬくもりを感じながら至福の時間を過ごしているとヴェルさんから質問された。


「なぁ、スズキ。

 お前の世界はあんなに爆発するのか?」


「いやいや、あれはあくまで創作だよ」


「しかし、爆発していたぞ?」


「演出として、ね。

 危ない世界に住んでいたってわけじゃないよ」


いや、正確には危ない国かもしれない。

世界には治安の悪いところや紛争地帯のところもあったし。


「竜王国並みには平和だったよ?」


「あそこと比較するのか?

 お前が住んでいた世界は変人だらけか?」


「いやいやいやッ!

 あそこまで農業バカばっかりじゃないけどさ」


竜王国で驚いたことの1つは高橋氏がほとんど嘘をついていなかったことだ。

まぁそのせいで巧妙に騙されてしまったわけだけど、穏便に済んだことなので、今更言うのも野暮というものだろう。


あそこの竜族達はほとんどを農園で過ごしており、ご飯を食べるときと寝るときくらいしかあの街に帰ってこない。

しかも気性も基本的に穏やかで喧騒は聞こえても怒号はほとんど聞こえてこなかった。

ちょっとそれっぽいのが聞こえてきたなと思ったら、理路整然と自分の野菜がどれほど旨いのかを自慢しあっている感じだったし……なんというか色々おかしい国だった。


「治安って意味だよ」


「ドラゴン達に聞いたが、あいつらが農作物以外に誇っていたものはその治安だったぞ」


「ハハ、良いことじゃないか」


「いや、そうなるとお前の住んでいたところは……民がドラゴン並みに強かったということになるのだが」


「いやいやいやッ!!

 それは無いって俺見てたらわかるでしょッ?」


「それもそうか……いやしかし、石を食う世界だしな……」


「それは特殊な例だから」


その後も何度か問答を繰り返して昼食にする。

今日は猪ベーコンと自家栽培で取れたジャガイモを使った粉ふきいも。

ジャガイモは竜王国で食べたものよりもちょっと劣るもののそれでもジルベルトに太鼓判を押してもらえるほど旨い。


「スズキ、マヨネーズかけすぎるなよ?」


「おっとごめん」

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