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第117話 外堀を埋められる行楽シーズン

誤字報告ありがとうございます!

初めていただいたので少し戸惑いましたが、ちゃんと反映されていれば幸いです♪

ヾ(≧∀≦☆)

森の葉っぱも赤く彩り、日中も多少のヒンヤリ感を感じる今日この頃。

ハーブティーを飲みながら秋の作物に思いをはせる。

なんと言っても楽しみなのはジャガイモだろうか。


あちらの世界に比べて面長で大きなジャガイモはほのかに甘みのあるドラゴンたちに人気の作物だ。

ジルベルト曰く、多めに塩を入れた鍋で煮ることで得られるあまじょっぱさのハーモニーはなんとも絶品であるとの事。


先日追肥を終えたが収穫時期はあと数ヶ月先らしくこれからの成長が楽しみだ。

地面の下で見えないけど。


さて、ヴェルさんの話をしよう。

涼しくなったということは所謂1つのアレの時期になったわけだが……これまた先日、どったんばったん大騒ぎの末に成功の運びと相成りました。


やはりと言いますかなんと言いますか、1度目では成功しなかった。

お互いね、初めてだからね……うん。

なので計らずとも数日間のどったんばったんしたんだけどね、最後には成功した安堵感で幸せでした、まる。


「まぁお疲れ。

 遠い目をされても困るんだけどさ、俺の話をちゃんと聞いてたかい?」


「聞き流したかったですけど聞いてましたよ」


向かいの席で疑いのジト眼差しを向けてきているのは高橋氏である。

ちなみに現在飲んでいるハーブティーも竜王国産の高級茶葉らしい。

ハーブで茶葉……?


「そう言わないでくれよ。

 今は秋だ、行楽シーズンじゃないか」


「とはいってもですね、俺には畑が、ヴェルさんにはこの森はあるので無理です」


「そのことなら転移ポイントを設置したから大丈夫だよ」


「転移魔法って分子レベルで分解されて」


「SFで煙に巻こうとするなら相手が悪いとは思わないかい?

 良いじゃないか竜王国王宮での1泊2日の温泉旅行だよ?」


「と言われましても……」


「酒もあるよ?」


「……お酒はヴェルさんに止められていますので」


「200年もののワインがあるとしても?」


「……」


「夏のお祭りのときも思ったけど君、結構な酒好きだろ?」


バレテイラッシャル?

そう、何を隠そう向こうの世界での俺は酒びたりであった。

まぁ酒びたりなんていうのは多少語弊があるか。

毎日飲むけど大体が1人飲みで自宅を吐しゃ物で汚したことはないし昼間からお酒を飲むのも付き合いで飲みだけだ。


……その分毎日ワイン1瓶日本酒300ml程度飲んでいたんだけど。

そう私、実は日本酒とワインが大好物なのだ。


……最近になって思うんだけど俺が太っていた理由って酒のせいだったんじゃないかな?


『やわらかいけど、少したくましくなった』


と、大騒ぎの後ヴェルさんに言われるほどには俺の体型は引き締まりを見せているし。

シックスバックではないけどね。


「とはいえですね、ここはヴェルさんのナワバリですから無闇に離れるには……」


「ヴェルフール様から了承もぎとってきたわよッ!」


なんとか逃げようとした矢先に、高橋氏の奥方が背後からまさかの一言で回り込まれてしまった。


「ということで、ね?」


悪い笑みを浮かべる高橋氏に両手を上げて降参の意思表示をする。

こうして俺はこの世界で初めてたくさんのヒトが住む都市へ向かうことになってしまった。

……何も起きませんように。

次回更新は3/11日です。

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