キラ2話 魔神族
少し時間が開きましたがキラ2話投稿です
俺がこの世に生を受けもうすぐ半年が経とうとしている。
それだけ経つと自分のことや周りのことも幾分かわかってくるようになった。
まずここは魔族の国で、更に俺は魔王の息子として産まれた。
転生特典として、俺は魔神族という種族にしてもらったのだがどうやら魔神族はかなり昔に滅びた魔族の1種であったらしくその魔神族の特徴を持ち魔王の息子というのもあり、
「魔神族の復活だ」
だのともてはやされている。
魔族は基本、魔力が高く魔法を得意とするらしい、その姿は人とほとんど変わりはない。
その最たる違いと言えば 角の有無だろう。
魔族は形は違えど必ず1本の角が額から生えている。
そういう俺はというと、角が2本生えていた。
だから俺は生まれてすぐから魔神の生まれ変わりとして時期魔王の座が決まってしまったのだった。
俺からしたら最初の目標が魔王就任だったから願ったり叶ったりなのだが、流石に簡単すぎてちょっと萎えた。
まぁ俺はそんなこんなで割といいスタートで暮らしている訳だが、流石にまだ産まれてから半年しか経っていない赤ん坊で人間と同じように成長していく魔族にとっては殆ど何も行動する事が出来ないのだ。
都合のいい事に何故かこの世界の言語を理解出来ているから何とか周りの話を聞いてこの情報をあつめてはいるのだが流石に限界だった。
当たり前のことだが赤ん坊を会議などの場に連れ出す訳もなくちょっとした話程度しか、知ることが出来なくてなかなか進展がない。
こんな事なら最初から活動できる種族にしておけば良かった。
きっとエアストはホムンクルスになって早期から活動しているだろうから、かなり出遅れることになるだろう。
ホムンクルスに子供も大人もないからな。
「お坊ちゃま、お食事の時間ですよ」
そう言って俺の所に来たのは乳母のネイリスだった。
そしてネイリスは俺のことを抱き抱えつつ自分の上半身をあらわにし胸をこちら寄せてきた。
ネイリスは見た目18くらいのこっちに来る前の俺らと同年代の美少女なのだが、どういうわけか特に興奮もせずに普通に受け入れられた。
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そうして時間がたち今日の食事も終えてしばらくすると、遂にチャンスがやってきた。
食事を終え1時間くらいたつと急に城内が騒がしくなってきて、普段から俺の部屋を警備している騎士達も今日は何故か居なくなり、しばらくぶりの本当の1人だった。
こんなことは滅多にない事だ。
なんせ俺は次期魔王ではあるもののまだ生まれて半年、それを狙って来るものも少なくない。
だから俺の周りにはいつも誰かしらがいて注意を払っていたから、こっそり抜け出すことも出来なかった。
しかし、今は見張りは1人もいないチャンスだと思った俺はベッドから降りて、生まれて初めて自分の部屋から抜け出した。